Lokalise(ローカライズ)はラトビアのスタートアップで、アプリやウェブサイト、ゲームなどの翻訳とローカライズを専門にしている。製品内のテキストをさまざまな言語に翻訳するためのワークフローとプロセスを容易にする機能をサービスとしてのソフトウェア(SaaS)のかたちで提供する。
このたび同社は、600万ドル(約6億3700万円)の資金調達ラウンドを完了し、Mike Chalfen(マイク・カルフェン)氏のリードでAndrey Khusid(アンドレイ・クシッド)氏、Nicolas Dessaige(ニコラ・デセイジュ)氏、Des Traynor(デス・トレイナー)氏、Matt Robinson(マット・ロビンソン)氏などが参加した。
アプリのアップデートを出荷しようとした時、翻訳が必要なボタンやテキストがまだ残っていたことに気づいて、多くの会社が無駄な時間を費やす。そのためのプロセスは手作業が多く、さまざまな言語のテキスト文字列の入ったファイルをやり取りすることになる。
「実は、ローカライズで一番よく使われているツールはいまもExcelとGoogleスプレッドシートだ。その次が内部で作ったスクリプトやツール」と共同創業者兼CEOのNick Ustinov(ニック・ウスティノフ)氏は語る。
Localiseはそのプロセスのスピードアップに焦点を当てた。言語ファイルは手動でアップロードするか、GitHubやGitLabに統合すれば自動的に変更部分を探してくれる。
その後はLokalize上で各言語の文を閲覧できる。翻訳チームはLokaliseのインターフェースを使ってテキストを編集する。ウェブベースのサービスなので全員が共通の土台で作業できる。
他のチームメンバーと共同作業するためのツールもある。コメントやメッセージを送ることもできる。タスク完了時にイベントを起動したりタスクを割り当てることも可能で、例えばレビュー担当者に翻訳が完了したことを伝えることかできる。
作業が完了したら、Lokalise経由で言語ファイルをSDKやAPIを使ってモバイルアプリに送り込むか、オブジェクト・ストレージ・バケットにファイルをアップロードすればアプリが最新の言語ファイルをサーバーから取り出すことができる。
小さな会社で翻訳チームがいない場合、Google翻訳やプロの翻訳者のマーケットプレイスを使うこともできる。翻訳サイトのGengoやLokalise自身の翻訳マーケットプレイスが利用できる。ほかに、内蔵のスペリングや文法をチェックするツールで明らかな間違いを見つけることもできる。
「顧客のほとんどは、社内外の翻訳者や言語サービス・プロバイダー(LSP)と直接やりとりしている」とUstinov氏は言う。「SaaS製品が売上の90%を占めている。翻訳マーケットプレイスの売上は10%にすぎない」
現在同社には1500社の顧客がいて、Revolut、Yelp、Virgin Mobile、Notionなども利用している。年間経常収益は400万ドル。
Lokaliseが解決するのは非常に特殊なニーズだ。おそらくほとんどの会社にとっては過剰なサービスだ。しかし、製品のアップデートが頻繁で、世界中に顧客がいる会社にとっては、プロセスをちょっとスピードアップできるだろう。
画像クレジット:Joshua Fuller / Unsplash
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )