Mailchimpは、使いやすいメールマガジン作成ツールを提供することからスタートした。それはほぼ20年前に遡る。同社は今でもメールマーケティングを手掛けているが、現在中核をなしているのは中小企業向けのマーケティング自動化プラットフォームであり、ウェブサイトビルダー、基本的なオンラインストア、デジタル広告サポート、およびそれらを把握するための分析サポートを提供している。フィールドは違っていても、同社の主要な目標はこれまでと変わらず、こうした機能すべてを中小企業ユーザーにとって活用しやすいものにすることだ。
外部からの資金調達を一度も行うことなく、Mailchimpは本日、AIベースのツールセットをローンチし、大企業が現在使用しているものと同じような機能を中小企業が簡単に利用できるサービスを担う新たな一歩を踏み出した。具体的には、買い物客向けにパーソナライズされた商品レコメンデーションや、どのユーザーが何を購入する可能性が最も高いかを判断する行動ターゲティングのための予測ツールの提供などが含まれる。さらに、ビジネスオーナーによるビジュアルアセット設計をサポートするAIベースの新しいツール(Sawaの買収に一部基づく)や、より効果的なメールのサブジェクトライン作成を支援するツール、
また、企業が次善の策を選択するための新しいツールもある。サービスにより収集されるすべてのデータを解析し、メールキャンペーンのパフォーマンスを改善するための実践的な推奨事項をユーザーに提供する。
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「この取り組みは4年ほど前に始まりました」と、Mailchimpの創設者であり、CEOのBen Chestnut(ベン・チェストナット)氏は語る。「私たちは高みへの成長を続けていました。メールマーケティングは当社にとって魅力的なビジネスであり、順調に進んでいました。そうしたなか、事業を売却して多大な利益を得る選択肢が巡ってきました。いくつかのオファーがあったのです。もちろん、それを受けることも考えました。メールマーケティングビジネスの成功者としておさまり、シンプルに収益を確保していくのか。あるいは、あらたな挑戦に向かうことで、Mailchimpの第2幕を切り拓くことができるだろうか。正直なところ、どうなるかはわかりませんでした。4年前のことになりますが、あらゆる可能性が渦巻いていました」。
しかし、当時データアナリティクスの責任者で現在はCPOを務めるJohn Foreman(ジョン・フォアマン)氏を含めたチームとの話し合いの結果、チェストナット氏は、マーケティング自動化分野を追求する新たな道を歩むことを選択した。その理由の一つは、メールマーケティング領域の競合が激しくなってきたことにあると同氏は説明する。「結果は見えています。つまり、これほど多くの競合と永続的に向き合うわけにはいきません。もっと技術や能力を高めなければならないと認識したのです」。
それは、メール関連のサービスを超えて、多様な新製品を創出することを意味した。
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「私たちにとって大きな変革でした」とチェストナット氏は語る。「eコマースをはじめ多様な顧客セグメントに向けた構築を整備する必要があり、そうしたことも当社にとって新しい取り組みでした。あらゆる種類の新規分野を追求することになりました。このような変革を従業員に促すことは、本当に大変なことです。社員が喜んで一緒にこの旅路を歩んでくれたことに、心から感謝しています。彼らは私を信頼してくれました。この秋のリリースは、私たちが4年間取り組んできたことの集大成です」。
助けとなったのは、Mailchimpがすでにeコマースの顧客を有していたことだった。彼らはシステムを限界まで推し進めてくれたとチェストナット氏は指摘する。ほんの数年前までは、Mailchimpの企業文化は彼らを少々厄介な存在と見なしていた。非常に要求の厳しい顧客だったと同氏は振り返る。大きな利益をもたらす存在でもなかった。当時、Mailchimpの最大の顧客は非営利機関であったが、彼らはテクノロジーを高度に追求することはなかった。
こうした変革にもかかわらず、Mailchimpはプロセスを加速するための買収はあまり行っていない。同社が行っていることの多く(ダイレクトメールの追加など)は、同社がすでに得意としていたことの延長線上にあるものだとチェストナット氏は主張する。一方で、社内に適切な専門知識を配するためにAIとMLの小規模の買収を行い、さらにLemonStandを含むeコマースを2社獲得している。直近では、英国の雑誌、ニュースレター、ポッドキャストを提供するCourierを買収し、出版業界への参入を開始した。
Mailchimpは、この新しいプロダクトとサービスによって、大手のeコマース企業が長い間有していたものと同等の機能を、複雑さを伴わずに中小企業が利用できるようにしようとしている。
機械学習に基づくツールを構築するにはデータが必要だが、それはMailchimpがすでに持っているものだ。
「私たちは何十年もマーケティングに携わってきました」とCPOのフォアマン氏は説明する。「当社のプラットフォーム上には何百万もの中小企業が存在します。ツールを構築し、ビジュアル設計の観点からそれらを統合する(必ずしも買収ではありません)だけに留まりません。何百万もの企業、何十億もの顧客を対象にした長年にわたるマーケティングビジネスで蓄積してきた共通のデータセットを有していますので、人工知能や機械学習などのインテリジェンスをどのように使用して、ツールをどのように連携させるかを検討しました」。
チェストナット氏は、しばらくは会社を同様の変革に導くことはないだろうと語る。「10年に1度しか大きな変化を起こせないと信じています」と同氏は続ける。「ですから、適切な選択をした上で投資するべきです。当社は、eコマースを可能にしたこのオールインワンのマーケティングプラットフォームに全社をあげて注力しています。それは無比の取り組みといえるでしょう。私が会社に求めるのは、徹底的に追求していくことです」。
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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Mailchimp
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(翻訳:Dragonfly)