独自の金属3Dプリント技術で鋳型や金型の作成を支援するMantleがステルスモードを脱し約13.8億円調達

付加製造技術は、数十年前からよく耳にする専門用語となっている。しかし、一部の顕著な例外を除いて、3Dプリントは主にラピッドプロトタイピングや数量限定の個人的な制作物に特化していた。Mantle(マントル)のような金属3Dプリントを手がける企業は、この技術を本当の意味での大量生産へと拡大していく興味深い使用例を示している。

ベイエリアを拠点とするこのスタートアップ企業は、3Dプリント技術を従来の製造方法の代替としてではなく、その強化と改善に用いることに重点を置いている。具体的にいうと、製造業者のためのより優れた鋳型や金型の作成を支援することにその技術を集中しているのだ。

もちろん、金属3Dプリント技術の分野で同社と競合する企業は数多く存在する。中でも注目すべき企業としては、Desktop Metal(デスクトップ・メタル)、ExOne(エックスワン)、Markforged(マークフォージド)などが挙げられるが、Mantleは製造工程の一部を省くことができる機械で差別化を図っている。米国時間2月24日にステルスモードを脱したMantleは、Foundation Capital(ファウンデーション・キャピタル)、Hypertherm Ventures(ハイパーサーム・ベンチャーズ)、Future Shape(フューチャー・シェイプ)、11.2 capital(11.2キャピタル)、Plug and Play Ventures(プラグ・アンド・プレイ・ベンチャーズ)、Corazon Capital(コラゾン・キャピタル)から1300万ドル(約13億8000万円)の資金提供を受けたことを明らかにした。

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「30年近く3Dプリントに関わってきた中で、この会社の主な違いは生産志向のユースケースに焦点を当てていることです」と、Foundation CapitalのジェネラルパートナーであるSteve Vassallo(スティーヴ・ヴァサロ)氏はTechCrunchに語った。「3Dプリントの多くは、できるだけ早くプロトタイプを作るためのものです。実際に生産の環境で使えるもの、つまり使用できる本物の部品を作ることは、これまでなかったことです」。

Mantleの機械(同社によれば、およそ「スタンディングデスク2台分」の大きさ)は、部品の仕上げがプロセスに組み込まれている。

「当社では、炉に入る前に形状の精緻化を行う初の焼結ベースのハイブリッド技術を使用しています」と、Ted Sorom(テッド・ソロム)最高経営責任者はTechCrunchに語った。「非常に高密度のボディに蓄積するだけでなく、高速切削工具で加工できるように考案された独自の材料を使っています。これによって、今日の誰もが得ることのできる物とはまったく異なるレベルの精緻な表面に仕上げることが可能です」。

同社は現在のところ、L’Oréal(ロレアル)を最初のパートナーとして発表している。この化粧品大手は、Mantleのプリンターを使って製品やパッケージの精密な金型を作成する予定だ。

Future ShapeのTony Fadell(トニー・ファデル)氏は、TechCrunchに寄せたコメントの中で次のように述べている。「Mantleの技術を使えば、Apple(アップル)製品並みの品質の機械部品を、数カ月ではなく数日で作ることができ、コストを桁違いに下げられる超強大な力が得られます。このスピードと低コストは、部品を完璧にするために繰り返し製作することを可能にし、さらにより早く発売することも可能になります」。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Mantle3Dプリント資金調達

画像クレジット:Mantle

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)