自然由来のたんぱく質や肉に代わる人工的な食材は今、消費者の関心が高まり、その企業には何億ドルという資金が殺到している。しかしビーフやチキンを培養する企業は多くても、シーフードの人工製品に関心を向けている企業はほとんどない。
Shiok Meatsは、この状況を変えようとしている。同社はシード前の資金をAIM PartnersやBoom Capital、Ryan Bethencourtなどから調達し、来週はY Combinatorの仲間たちに加わってプレゼンを行う。
共同創業者ーのSandhya Sriram氏とKa Yi Ling氏はともに、シンガポール政府の科学技術研究局にいた幹細胞研究家で、居心地のいい政府のポストを完全に捨てて起業という高速レーンに乗ることにした。
二人が定めた目標は、食料品店の冷凍コーナーに収まっているエビの代替品を作ることだ。ついでに、スープに入れるエビ団子用に最初からみじん切り状のエビも作りたい。
シーフードのの全地球的な市場規模は巨大だが、とくにアジアと東南アジアは甲殻類が頻繁に食される。国連食糧農業機関の2015年の調査によると、中国の消費者だけでも360万トンの甲殻類を消費している。
しかし、エビの養殖の現状は、かなり汚いビジネスだ。その業界は劣悪な労働条件と不衛生な養殖池と環境破壊をこれまで頻繁に批判されている。AP通信社の特ダネ記事は、タイのシーフード業界に存在する現代の奴隷制を暴露した。
「最初にエビを選んだのはカニやロブスターに比べて扱いやすいからだ」とShriram氏は述べるが、今後は高級な甲殻類にも挑戦するつもりだ。
今は、もっぱらエビが対象だ。初期のテストはうまくいったし、製品のキログラム単価は5000ドル程度に抑えられる見込みだ。
5000ドルは高いと思われるかもしれないが、でも今製品開発が進んでいる培養ビーフに比べると相当お安いのだ。
「培養肉や人工肉に比べると、うちの人工エビは安い。あちらさんはどれも、数十万ドルというキログラム単価だから」とLing氏は言う。
同社は、3年から5年後には市販にこぎつけたいと考えている。最初は、アジア太平洋地域の消費者がターゲットだ。
具体的には、まず本国市場であるシンガポール、次は香港とインド、そして最終的にはオーストラリアでも売りたい、という。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)