モニタリングサービスの老舗大手New Relicがコンテナ/マイクロサービスをモニタするDigital Intelligence Platformを立ち上げ

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モニタリングはこれまで、比較的単純なタスクだった。モニタするアプリケーションの数はいつも一定、という企業が多い。しかも最近はWeb上で動かすアプリケーションが多く、一定数のサーバーの上で何年間も動き続ける。

しかし今日の環境は、もっと多様化し複雑だ。そこでNew Relicは今日(米国時間11/7)行った一連の発表で、アプリケーションをデリバリする新しい方法に顧客が対応できるよう、助けていきたい、と述べている。

今の企業は、モバイルアプリとWebアプリケーションの両方を提供していることもある。それらの一部は、オンプレミスでもクラウドでも、コンテナに収められたマイクロサービスの集まりだ。だからNew Relicのようなアプリケーションのパフォーマンスをモニタするサービスも、これまでとは違う対応を求められる。

このような、モニタする対象の変化に対応して同社は今日、Digital Intelligence Platformというものを発表した。それは、より広範なモニタリングを可能とするダッシュボードサービスで、顧客がどこにいようと、またデリバリの方法が何であっても、アプリケーションの状態報告を提供する。また顧客企業のニーズに応じて、ジョブ別に細かく分割したモニタリングも提供できる。

New Relicのマーケティング担当Barath Gowdaはこう説明する: “オペレーション(ops)とデベロッパー(dev)の両方がアプリケーション全体を理解できるための、単一のデスティネーションを作った。今アプリケーションの管理はどうなっているのか、コンテナの動作具合はどうか、構成に問題はないか、等々を両者が一望できる”。

コンテナの普及によって、モニタリングはそのぶん難しくなった。コンテナによって、アプリケーションを独立したマイクロサービスの集合としてデリバリできる。仕事を数マイクロ秒で終えるコンテナもあれば、数分あるいはそれ以上動き続けるのもある。そんな多様性と、つかの間的性質により、モニタリングも一筋縄では行かない。ずーっとスタティックにいてくれないものを、どうやってモニタリングするのだ?

この多様性に対応するためにNew Relicは、コンテナの(マイクロサービスの)変数をタグ付けする(variable tagging)、というまったく新しいやり方を考案した。モニタリングのインフラストラクチャは、それらのタグを見て、そのコンテナに今問題があるかどうか、ほかのアプリケーションデリバリシステムとの関係は正常順調か、などをチェックする。これによりユーザー企業は、パフォーマンスの問題とその原因がマイクロサービスにある場合を、検出できる。そのマイクロサービスが、自分のタスクを終えたあとでも。

それがどれだけうまくいくのか、その結論はまだ出ないが、理論的にはアプリケーションとインフラストラクチャに対してより幅広く制御が可能になるだろう。そのデリバリ方法が何であっても。

この、コンテナごと、マイクロサービスごとのモニタリング機能は11月16日から一般供用される。その日はNew Relicの顧客向けカンファレンスFutureStackの初日だ。

New Relicは2014年12月に上場したが、その直前には2億500万ドルあまりという巨額を調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンテナ管理のWeaveworksにGV(元Google Ventures)がシリーズBで$15Mを投資、オープンソースと商用サービスの併立へ

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コンテナ管理ツールのWeaveworksが今日(米国時間5/11)、GV(元Google Ventures)がリードするシリーズBのラウンドで1500万ドルを調達したことを発表した。同社へのシリーズAで500万ドルを投資したAccelが、このラウンドにも参加した。同社の調達総額は、これで2000万ドルになる。

Weaveworksは、デベロッパー(dev)とエンタープライズのオペレーション(ops)の両方にとって最新のホットな技術であるコンテナを、管理しモニタしセキュリティを図るための一連のオープンソースのツールを作っている。しかし今回得られた資金は、オープンソースのプロダクトよりも構造性の明確なシステムを求める企業のために、商用製品を作っていくことに充てられる。

CEOのAlexis Richardsonは、今回の資金調達を発表するブログ記事で、“次のステップは統合化された商用製品の提供だ”、と述べている。同社にはクラウドサービスを提供していく計画もあり、それはまだベータの段階だ。

データセンターの進化史における最初の原生動物は、モノリシックな(一枚岩的な)アプリケーションだ。単一の巨大なアプリケーションを作り、それをセットアップしていく。アップグレードは大作業になるので、本当に必要になってからでないと、できなかった。

しかし今日では、デベロッパーはもっと迅速にアップデートしたいし、ユーザーは、変化の激しい市場の中でもっとも最新のツールを使って企業競争に勝ちたい。コンテナはアプリケーションを、複数のマイクロサービスの集まりへと分割する方法を提供する。それらは迅速にデリバリでき、自分の仕事が終わったらメモリから消えていく。

今の企業は、何百何千という大量のコンテナをデリバリし、そのそれぞれが、特定の時間にローンチしてディスクリートなタスクを実行しなければならない。大量のコンテナに関して、それらがすべて正しく行われるためには、ソフトウェアのコーディネーション努力がたいへんな仕事になるが、でも今日までは、デベロッパーとオペレーション(合わせてDevOps)たちは、自作のツールを適当に寄せ集めてそのプロセスを管理していた。

まだコンテナがアーリーアダプターのものだった時代には、そんな大変な仕事を誰もがやっていたが、でも技術がメインストリームに乗って市場の大きな部分を捕まえていくためには、企業が簡単に買えて簡単に使える出来合いのツールセットがあって、それらを既存のシステム管理体制に容易に組み込めないといけない。

そういう仕事をやってくれるのが、Weaveworksだ。同社はコンテナとそのまわりに存在する大量の可動部品のすべてを管理する方法を提供し、ユーザーが作ったコンテナのエコシステムを視覚化する。そしてそのエコシステムのライフサイクルに付き合いながら、複雑な仕事を単純化するためのお手伝いを提供する。

Weaveworks以外にもコンテナ管理を代行するサービスはあるが、同社はその業界のリーダーになれる、とGVは賭けている。今回の投資は、そのための賭け金である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))