Mindieは、デザインのきれいなiPhone用ビデオ共有アプリだ。でも、ビデオはこのアプリの機能の一部にすぎない。しかも、Vine的でもInstagram的でも、あるいはMixBitと競合するアプリでもない。Mindieのやることといえば、音楽の発見だ。曲を選び、Vineみたいに数秒のビデオを撮り、その二つの組み合わせをTwitterやFacebookやMindie自身の上で共有する。
協同ファウンダのGrégoire Henrionが、電話インタビューでこう語った: “音楽は人間の創造力を作り出す触媒だ。おもしろいビデオを作るのはとても難しいが、へたくそなビデオでも音楽が付くとおもしろくなるんだよ”。
彼が言うように、たしかに映像ではなく音楽がビデオのストーリーだ。別の言い方をすると、ビデオはキャプションであり、音楽がキャプションではない。現実音がないと最初はつまらないと感じるが、それでもその体験はきわめて個人的なものとなり、音楽がビデオを視る人の感情や気分を喚起するのだ。
同社のスタッフ(Henrionなど)が作ったビデオの中には、トレンディなファッション店でDisclosureの曲が鳴ったり、ヒップなコーヒーショップでChvrchesのすてきな曲がかかったりする。自転車に乗ってヘッドマウントカメラで撮ったパリの街には、Lana Del Reyの声が流れる。
ビデオはキャプション、音楽はそうではない。
音楽発見アプリは、とても難しい。たとえば、Turntableは、同社のソーシャルミュージックアプリPikiを閉鎖せざるをえなくなった。だから最初は、Mindieについても危惧した。
でも、アプリを開いてみると、すぐに虜(とりこ)になる。Frontbackと同じく、主役はコンテンツだ。ビデオのまわりに装飾はない。自分の気持ちが、友だちにダイレクトに伝わる。ビデオの長さは7秒だが、それはInstagram Videoの15秒は長すぎる、と感じたからだ。それにもちろん、自分が選んだ数秒のサウンドトラックが付く。
画面をスワイプすると、別のビデオ+別の曲が出る。その操作は、えんえんと、いつまでも続く。しかも、とってもスムースだ。新しいビデオを見るたびに、だれかがあなたと共有したがっているまったく新しい個人的体験を、見つけた気分になる。そしてその曲を、いいね!したり、共有したり、iTunes Storeで買ったりできる。
Mindie自身は、ソーシャルグラフを作らない。アカウントを作ったら自動的に、このアプリを使っているFacebookやTwitterの友だちをフォローすることになる。ビデオの制作は、とても簡単だ。まず、曲を決める。するとMindieはiTunes StoreのAPIを使って曲のプレビューを取り出す。それから、VineやInstagram Videoと同じように、ビデオを撮る。最後にキャプションを加えて、TwitterやFacebookで共有する。
Mindieはビデオ共有アプリか、音楽発見アプリか、と聞くと、Henrionはきっぱりと、“Mindieは音楽アプリだ。App Storeでは音楽のカテゴリーのところにある”、と言った。彼によると、Vineはお笑い共有アプリになりつつあるから、Mindieとは全然違う。Vineはもはや、個人的な瞬間をとらえるアプリではない。だから、MindieとVineは互いに競合関係にはない。
パリに住む4人が作ったMindieは、まだ自己資本のみだ。でも彼らは、音楽共有をぎりぎりまで削ぎ落として単純化した、と自負している。Henrionは、“誰でも、短いビデオを撮っていると、どうしても音楽を共有したくなるんだよ”、と言っている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))