Google マップ・口コミサイトの一括管理や口コミ内容のAI解析が可能な「口コミコム」を運営するmovが3.3億円調達

Google マップ・口コミサイトの一括管理や口コミ内容のAI解析が可能な「口コミコム」を運営するmovが3.3億円調達

地図アプリや口コミサイトの一括管理、口コミのAI解析で店舗の問題点を把握できる「口コミコム」などを運営するmovは7月16日、3億3000万円の資金調達を発表した。引受先は、Coral Capital、SMBCベンチャーキャピタル。これにより、累計調達額が約4億円となった。また、7月1日より元弁護士ドットコム取締役CSOの渡邊陽介氏が社外取締役として着任した。

調達した資金は、マーケティング活動への投資、営業・開発部門の採用活動、カスタマーサクセスを中心とした人材採用にあてる。

口コミコムは、Google マップなどの地図アプリや口コミサイトでの店舗情報を整理し一括更新できると同時に、口コミをAI解析して店舗の問題点を把握し業務改善に活かせるというサービス。正式リリースから半年で利用店舗は1万店舗強に到達しており、飲食店や商業施設、小売店だけでなく自治体とも連携しているという。地図アプリや口コミサイトの店舗情報に関する更新作業による業務負担の低減をはじめ、口コミの収集・分析により店舗運営における課題解決の可視化が可能な点が評価されているとした。

Google マップ・口コミサイトの一括管理や口コミ内容のAI解析が可能な「口コミコム」を運営するmovが3.3億円調達

店舗側は、口コミコムに店舗情報を登録することでGoogle マップなどの地図アプリにお店が新たに表示されるようになるほか、不適切な写真への削除対応や口コミへの返信も一覧画面から対応可能。Google マイビジネスの投稿も一括配信できる。また、星の数、接客や身だしなみなど店舗の問題点を店舗別、エリア別、立地別、頻出ワード別、フランチャイジー別など様々な視点で分析可能としている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Googleマップ(製品・サービス)mov(企業)MEO / ローカルSEO(用語)資金調達(用語)日本(国・地域)

汗と涙が染み込んだ大好きなスポーツ選手が試合で着用していたウェアをファンに届けるMov

「匂いがすれば、それが商品になる」

こんな主張を聞けば、ほとんどの直販業者は後ずさりするだろうが、Mov(モブ)の創設者Chris Alston(クリス・オールストン)氏にとって、それこそが彼の会社の魔法となる。ロサンゼルスに本社を置くこのスタートアップは、スポーツファンと大好きな選手が試合で着ていたウェアを、宝クジ方式のモデルで結び付ける。スポーツ記念品の市場では、たとえ汗や血や涙が染み込んでいたとしても、本物であることに価値がある。

「私たちは、そのままを届けます」と彼はいう。「ファンにとって、本当に特別な体験にしたいのです」。

ほんの数週間前に営業を開始したMovは、eBay(イーベイ)やNBAのオークションサイトの単なる焼き直しではない。オールストン氏とその弟のBrandon Alston(ブランドン・オールストン)氏、Jacqueline Pounder(ジャクリーン・ポウンダー)氏が創設したこの企業は、宝クジ方式のモデルで資金を集めて試合で着用されたアイテムを入手する。資金の70%は、そのスポーツ選手が選んだ慈善団体に寄付され、残りの30%が会社の人件費と運営費に回される。現在、同社のウェブサイトに提示されている慈善団体には、人権擁護団体Milwaukee Freedom Fund(ミルウォーキー・フリーダム基金)、子どもの放課後の活動を支援するGirls and Boys Club of Portland(ポートランド少年少女クラブ)、慈善団体With Us Foundation(ウィズアス基金)がある。

スポーツ選手は試合で着用したアイテムを提供し、私たちのプラットフォームは彼らに寄付や社会的インパクトをもたらす手段を提供します。忙しい彼らに余計な時間を取らせることはありません」とオールストン氏はいう。スポーツ選手たちは、試合後にロサンゼルスの倉庫にウェアを送るだけでよい。あとはMovがそれを当選者の元へ送り届ける。

他の宝クジ方式のモデルと同様、参加にあたって何かを購入するなどの必要はない。すべての人は無料チケットを1枚ずつ受け取り、応募ができる。たとえそれがC・J・マッカラムのリニングYushuai XIIIスニーカーであろうと、パット・コノートンのEqualityジャージであろうと変わらない。しかし、もっとチケットを手に入れて当選確率を高めたい人は、1ドル(約105円)から2ドル(約210円)で購入することもできる。

「試合で着られたギアは、いちばん金を持っている人のところに行くのが普通です」とオールストン氏。「私たちは、1枚のチケットで誰もが応募できるかたちにして、参加のハードルを下げたいのです」。

オールストン氏は慈善活動とスポーツに囲まれて育った。彼の祖父母は、地元の教育委員会を告訴し、バージニア州の学校を人種差別撤廃に導いた。彼の弟はプロバスケットボールの選手であり、オールストン氏自身もコロンビア大学のフットボールチームでプレイしていた。しかしオールストン氏は、技術系起業家を目指して大学を中退している。

そうした経歴を見れば、オールストン氏が慈善活動とスポーツ選手を結び付ける事業を生み出したことに納得がいく。しかし、Movの最初の試みは、いまのものとは大きく違っていた。それは、動画を使ったeコマースプラットフォームとしてスタートだった。基本的に動画版eBayだ。だがそのマーケットプレイスの拡大が困難だとわかると、彼は自身の市場を別の方法でかたち作ることを考えた。そうして辿り着いたのが、彼と彼の弟が熟知しているスポーツ選手のネットワークだ。それに、つい数年前に認められた、意外に大きな意味を持つNBAのルール変更(GQ記事)も手伝った。

2018年、NBAの選手はどんな色でも、自分が好きなスニーカーを着用できるようになった。大した変更ではないと受け止める人もいるだろうが、さまざまなスニーカーを履けるようになったことで、それは瞬く間に選手の慈善活動や信念を試合中に代弁するギアとなった。オールストン氏は、スポーツ選手が捨ててしまうか誰かにあげてしまうギアを、善意のために活用する手段としてMovを考えている。

Movの成功は、慈善活動と収益のいずれにおいても、どれだけのファンがこのサービスに登録して、最終的にアイテム獲得のためにどれだけお金を出してくれるかにかかっている。オールストン氏は、まだ利用者の総数は公表していないが、Movの運営に必要な資金やアイテムの数に関しては楽観的だ。例えばパット・コノートンのジャージはMovでは2164ドル(約22万7000円)になった。それに対してNBAのオークションサイトでは560ドル(約5万8700円)だった。

「現在のクレイジーな時期、クレイジーな年に、みんなの社会還元を最大化したく、私たちは真剣に頑張っています」と彼は語った。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Movスポーツ慈善活動

画像クレジット:rolfo / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)