個人化/リコメンデーションエンジンをSaaSとして提供するNara Logicsがさらに$6Mを調達

これまでは、アカデミックなコンピュータ科学者の前で“人工知能”という言葉を口に出すと、笑われ、軽蔑された。でもここ数年の状況は急激に変わって、投資家たちもこの分野に真剣に対応している。個人化(パーソナライゼーション)プラットホームNara.meで知られている人工知能企業Naraが今日(米国時間10/15)、追加のシリーズAラウンドとして600万ドルを調達したことを発表した。今回は既存の投資家たちのほかに、406 Venturesなど新しい投資家も数社参加した。これで同社の総資金調達額は1300万ドルになる。

2010年に創業した同社は2年前に、同社の技術の一つの例としてリコメンデーションプラットホームをローンチし、最近では個人化をオンデマンドのSaaSとして提供するプラットホームNaralogics.comを立ち上げた。企業は自分たちの既存のデータやWeb上のデータなどを使ってこのサービスを利用し、個人化されたリコメンデーションを得ることができ、さらにユーザのビヘイビアやエンゲージメントに関するより良いインサイトも得られる。そしてそれに基づいてオンラインのパブリッシャーやお店は、各ユーザにより適切なコンテンツや(買い物等の)リコメンデーションを提供できる。たとえばメールを利用するマーケターは、メッセージを自動的に個人化できる。

Naraの社長に最近任命されたJana Eggersによると、今回の資金は同社の能力拡大に充てられる。“毎日のように顧客や見込み客と、彼らの問題解決のための仕事をしている”、と彼女は言う。“とても嬉しいのは、彼らのニーズと今のうちにできることが、ぴったりマッチしていることだ。だから将来に向かっての拡張にも、まったく無理がない”。

Nara.meのアップデートも今後続くが、Nara.meとプラットホームは一体的な関係があるので、どちらも積極的に開発していく。 Nara.meはプラットホームのアップデートから利益を得るし、プラットホームはNara.meの成長と差別化の経験から利益を得る、ということだ。

同社は資金調達の発表と並行して、MITの神経科学の教授Mriganka Sur*が同社の アドバイサリーボードに加わったことも発表した。〔*: Dr. Mriganka Sur, the Newton Professor of Neuroscience and Director of the Simons Center for the Social Brain at Massachusetts Institute of Technology〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


米公文書記録局、全データをWikimedia Commonsにアップロード

米国国立公文書記録管理局(NARA)は、2010年にOpen Government Plan[開かれた政府計画]を開始して以来、数多くの情報をデジタル化してWikipediaにアップロードし、収蔵資料を広く公開してきた。 しかしこれまで、デジタル化された資料をWikimedia Commonsにアップロードする作業はサイドプロジェクトだった。今月公表された2014年Open Government Planによると、プロジェクトはNARAの中核事業になる。The Signpostが報じた。

NARAのデジタルコンテンツ・スペシャリストで、常勤WikipedianでもあるDominic McDevitt-Parksによると、連邦政府の “record-keeper”[記録責任者]がWikimediaにファイルをアップロードする目的は、広く一般に提供するためだという。

2012年、NARAは実験的に10万枚のデジタル画像をWikimedia Commonsにアップロードした。これらの写真は、後にWikipediaの編集者たちがプロジェクトや記事で使用することができる。

「われわれの記録を扱ったWikipedia記事4000項目が、会計2013年度中に10億回以上のビューを得た。向こう2年間、Wikimedia Commonsで利用可能な国家公文書の数を増やしていき、戦略的目標である ‘Make Access Happen’を推進すると共に、一般によるわれわれの記録の再利用を広めていく」と計画には書かれている。

所蔵文書の利用可能にすることによって、コンテンツが参照される機会が増え、NARAはWikipediaでの存在感を高めることができる。そして、今後NARAが所蔵するデジタル化データはすべてWikimediaにアップロードされる。

誰でもWikimedia Commonsにファイルをアップロードができるが、McDevitt-Parksによると、大量のファイルを一括送信するための簡単なドラッグ&ドロップ機能は用意されていない。それはNARAが取り組まなくてはならない最初のハードルだった。

彼らはWikimedia Commons APIを使って、より堅固なアップロードスクリプトを開発しており、今年中には完成する予定だ。

なお。彼らがアップロードするデータ量のために、Wikipedia Commonsサーバーに負荷がかかる心配はなく、NARAでもWikimediaの負荷に関する議論は行っていないと、彼は言っていた。

アップロードされるファイルは、ありふれた政府機関の記録から、第2次世界大戦の写真や、大統領の肖像まで多岐にわたる。

WikimediaワシントンDC支部は、いくつかのプロジェクトを進めており、その多くはNARAおよび議会図書館との作業だ。各支部は、Wikimedia Foundationとは独立の組織で、直接の系列関係はない。
Wikimedia DC支部長、James Hareによると、何人かのWikipediaボランティアがNARAに協力して、所蔵書類のデジタル化を進めている。

「Wikimediaコミュニティーへの働きかけは、NARAにとって常に重要課題である。2011年に新たな関係が始まってからは特にそうだ」とHareは言った。

NARAは、Wikimediaにファイルをアップロードする世界の数多い機関の一つにすぎないため、Hareによると、Wikimedia Foundationはテラバイト単位のストレージを保有していることから、問題なくアップロードを処理できる。資金調達が進む限り、スペースは常にある。

「連邦政府には、市民がデータを利用できるようにして、政府が何をやっているかという情報を公開する義務があり、WikipediaやWikimedia DCと協調することは、そのために最適な方法だ。情報は埋もれたポータルにしまっておくのではなく、人々が実際にそこで読むことができる場所に置くべきだ」と彼は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook