Netflix、複数の米国ケーブルテレビ会社と交渉中との報道

Netflixは、自社のオンライン・ストリーミングビデオサービスを、セットトップボックスのアプリを通じて利用できるようにするために、複数米国ケーブルテレビ会社と交渉の初期段階にあると、Wall Street Journalは伝えている。もし契約がまとまれば、ここれは同社が視聴者の習慣を変えたためにケーブルテレビ会社にとって無視できない存在になったことを示すとい意味でNetflixにとって大きな勝利だ。本誌はNetflixにメールでコメントを求めている。

ニュースの1ヵ月前、Netflixは英国のケーブル会社、Virgin Mediaと同じような契約を交わしたことを発表した。Virgin Mediaの顧客380万人が、ケーブルテレビ番組用のオンラインガイドでNetflixの番組も検索できるようにするものだ。

Neflixは、オンデマンドテレビが欲しい視聴者のための、ケーブルテレビに代わる低価格な選択肢として自社を位置付けてきた。この契約はケーブル会社にとってこれ以上Netflixに顧客をとられないための手段の一つだ。しかし、ケーブル会社にとっては、Netflixユーザーがより高速なブロードバンド料金を払う意志が持っているという期待もある。さらには、Netflixの古い番組ライブラリーを、チャンネルに支払う手数料の交渉材料にすることもできる(この手数料に関わる論争は、主要チャンネルが一部地域で配信停止される事態を招いた)。

この契約によって、視聴者はケーブル会社が提供する新しいセットトップボックスアプリを通じてNetflixを利用できるようになる。つまり、テレビをインターネットにつなぐ必要はなくなる。これは、 ChromecastXboxのコンソールやApple TVなどのデバイスを設置しなくてよいことを意味する。

この交渉の潜在的障壁は、Netflixがケーブル会社に自社のOpen Connectテクノロジーを使わせようとしていることだ。ストリーミングビデオの配信を改善するための技術だ。これはNetflixfが専用のサーバーをブロードバンドプロパイダーのネットワークに直接つなぐことを意味している。WSJによると、Comcast、Time Warner Cable、AT&T、およびVerizon Communicationsは、Netflixの技術を使うことを拒否したという。これは他のオンラインサービスも特別待遇を要求してくることにつながるからだ。これらのケーブル会社は、自社のブロードバンドネットワークが、既にNetflixのトラフィックを扱う能力を持っていると主張している(もしNetflixが顧客に高速接続のための特別料金を払わるつもりなら、ここは重要なポイントだ)。

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(翻訳:Nob Takahashi)


どのISPが高速か?–ストリーミングビデオのNetflixが8か国のデータを各月公表

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過去数か月、Netflixは定期的に、ストリーミングビデオを最速で届けてくれるISPのリストを公開していた。そして今日同社は、このデータ専用のサイトNetflix ISP Speed Index立ち上げた。このサイトでISPのスピードデータを見られる国はNetflixが展開している国、すなわち合衆国、メキシコ、アイルランド、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、そしてフィンランドだ。驚くに当たらないが、Netflixのストリーミングに対する平均ビットレートのトップはGoogle Fiberの3.35Mbps、そして次位はスウェーデンのOwniteの2.99Mbpsだ。

Netflixによると、これらのデータの源泉は3300万あまりのNetflix会員で、彼らの月間視聴量は合計で10億時間を超える。下図のように、今回発表されている数字は昨年11月から今年2月までの4か月で、顕著なのはトップのGoogle Fiberの成長だ。データは今後も各月に更新される。

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Netflixの注記によると、平均速度はISPたちのピーク速度よりも低い傾向がある。Netflixが行うビデオのエンコードや、視聴者の使用機器/ネットワークの条件などにより、結果的に速度が低下する。しかしそれらの条件がISPによって異なることはないから、比較は依然として有意である。そして、データに示された速度は、だいたい各ISPの全ユーザが経験している平均速度と考えてよい、ということだ。

これらのデータを見ると、ISPによってサービスの質に大きな差があるようだが、しかしNetflix自身は、ISPたちと協力して帯域の拡大とユーザのストリーミング体験の改善に努力している。たとえばISPは、同社のCDN Open Connectを直接利用してトランジット費用を下げることができる。Netflixはまた、ISPにストレージハードウェアを提供し、ISPのデータセンターにおけるローカルキャッシュの増強を支援している(もちろんNetflixの人気コンテンツをキャッシュしていただくのだ)。これらのストレージを導入したISPでは実際に、1080p HDや3Dのコンテンツをより高速に提供できている。上の図の上位に位置するISPも、その一部は、そういう意味でのNetflixパートナーISPだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

閲覧320万回:Facebookのシェリル・サンドバーグが「最高のシリコンバレー文化」と絶賛したNetflixの企業カルチャー・ガイドとは?

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Facebookのナンバー2、COOのシェリル・サンドバーグが最近、Netflixの企業カルチャーを説明する文書を「シリコンバレーから生まれた最高の文書の一つ」と絶賛した。この文書はブレットがふんだんに振りまかれたパワーポイント・ファイルだが、Slideshare.netですでに320万回も閲覧されている。たしかにシリコンバレーのカルチャーに大きな影響を与えているようだ。

この文書は単に1企業の経営手法の説明にとどまらない。ここに見られる個人の創造性を信頼することで不確実性の時代に対処していこうとする哲学は上位下達の20世紀型組織原理と驚くべき対照をなしている。インターネットに代表される絶えざるイノベーションの波が企業を洗い続けるかぎり、Netflix文書は進路を占う水晶玉として役立つことだろう。

いくつかの重要な点を要約して紹介してみたい。

創造性こそもっとも重要

伝統的なビジネスでは最良のものは他より2倍優れています。しかし創造性が支配的であるようなビジネスでは最良のものは他より10倍優れているのです。

テクノロジー産業では時代遅れになることが何より恐ろしい。インターネットの接続速度が日一日と高速化していく中、NetflixはDVDの郵送レンタルサービスから即座にコンテンツを再生できるストリーミング・サービスにビジネス・モデルを敢然として飛躍させた。

ビデオのストリーミング・モデルの次に起きる変化は今はまだ分からない。しかし現在のさまざまな問題に対して創造的な解決方法を案出することの価値はこの上なく高い。

イノベーションの影響が今日ほど大きい時代はない。Microsoftのフラグシップ・プロダクト、OfficeはGoogleの無料のオンライン生産性ツール、Googleドキュメントによって大打撃をうけつつある。これはMicrosftがユーザーが大部分の時間をどこで過ごしているか(もちろんインターネットだ)認識するのが遅れたためだ。

職の安定より新たな発見を優先

多くの社員がわれわれの企業文化を好み、長期間働いています。彼らは親切であり、変化を好むことによって高い成果を挙げている人々です。しかし成果を挙げることより職の安定を好む人々もいます。彼らはわれわれの企業文化を嫌います。

政治的観点からはこの原則がもっとも興味あるものだろう。主要なインターネット企業には組合が一つもない。にもかかわらず、満足を与える職場として常にトップにランクされている。

創造的な大企業は、従業員が求めるものは高い給与と職の安定だという伝統的な考えを打破した。挑戦しがいのある楽しい職場環境こそ従業員を引き止める最強の要素なのだ。リスクを恐れないことはテクノロジー企業のファウンダーたちの著しい特徴だが、そのファウンダーたちは従業員に同様の「〔不思議の国のアリスのように〕ウサギ穴に飛び降りる」勇気を求める。テクノロジー・ビジネスでは何事も不確実であり、失敗は即座に厳しい結果として返ってくる。ある種の人々にとっては決して天国のような環境とはいえない。

従業員の間違った行動は何らかの理解不足に基づく

管理職の皆さん。皆さんの部下が何かバカげたことをした場合、いきなり彼らを責めてはいけません。逆に彼らが正しい行動ができるような環境を作れていないのではないかとチェックしなければなりません。自分の働くコンテキストをよく理解した社員は高い成果を挙げます。

ヒエラルキーに基づく20世紀型経営スタイルは、個人的な意見の相違は命令によって圧服させねばならないとする権威的哲学の産物だった。王様以下、公爵、將軍から軍曹に至るまで上位下達のシステムが構築され、誰もが直属の上司の命令に従わねばならない。そこには意見の相違を会話によって解決するという考えはない。

たとえばヒエラルキー経営のゴッドファーザーともいうべきフレデリック・テイラーはこう書いてる。「もし2人の職長が意見の相違を解決できない場合は、問題をその上司に報告して決定を仰ぐべきである。もし上司である職場監督が解決できない場合、副工場長に問題の解決を委ねるべきである」。

Netflixの企業文化は「社員は予め示された基準にしたがって定型的な作業を繰り返す」という哲学の正反対だ。社員がバカげた対応をするのはほとんどの場合、コミュニケーションの不足、自分がやっていることの背景に対する理解の不足が原因だ。Netflixの人間性に対する考え方は権威主義的な20世紀の経営学とはまったく異なる。

休暇は無制限

Netflixの休暇および勤怠に関する規則:そういうものはありません。

Netflixの経営哲学のうちでももっともラジカルなのが「休暇は無制限」だろう。Netflixの社員は自分が適当と判断する時期と期間、カリブ海にサーフィンに行くことができる。また出張旅費の請求や精算に関しても、官僚的な規則を並べ立てるかわりにわずか5語ですませている。「Netflixの利益になるように行動してください」。

インターネット企業は人間性に対して伝統的経営学とはまったく異った見方をする。シェリル・サンドバーグはNetflixの短いパワーポイント・ファイルの中にイノベーティブな経営に必須な哲学を見出したのだろう。

文書の全文を以下にエンベッドしておく。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+