NGINXが今日(米国時間6/22)、アプリケーションをモニタするツールAmplifyの非公開ベータを終えて、NGINXの全ユーザーが利用できる公開ベータでローンチした。有料のNGINX Plusのユーザーだけでなく、無料のオープンソースバージョンのユーザーも利用できる。
NGINXのCEO Gus RobertsonとCMOのPeter Guagentiによると、同社のユーザーはかねてからチームに、自分たちのアプリケーションについてもっとよく知りたい、という要望を寄せていた。それらのアプリケーションを動かすサーバーであるNGINXは、アプリケーションとそれがその上で動くインフラストラクチャに目配りのできる特権的な立場にいるので、一般的なアプリケーションパフォーマンスモニタリング(APM)ツールには提供できないような、興味深い観測測定数値もユーザーに提供できる。
Guagentiは、NGINXはそのほかのAPMをリプレースするつもりはない、と強調する。彼は曰く、“インフラストラクチャを自前で動かしているユーザーなら、誰もがすでにそんなツールを使っている。彼らはうちに対して、それらと同じサービスなら要らない、と言っている”。そこでNGINXは、各種の生(なま)データ、原始データの提供に力を入れている。ただしもちろん、このようなツールの定石として、アラートの設定はできる。
Robertsonによれば、全体的なビジョンはもっと大きくて、ユーザーの構成ファイルに基づいて各種のパフォーマンス数値を提供するだけではなく、そのアプリケーションのどこにボトルネックがあるか、といったアドバイスも今後は提供していきたい。今でも一般的なベストプラクティスに基づく推奨は行っているが、長期的には、類似アプリケーションのセットアップ情報や構成を見比べながら、より立ち入ったアドバイスもしていきたい、という。
ユーザーは自分が得たい情報を細かくコントロールできるが、仮に“全部”を指定した場合には、多様な測定データと、そのほかに、ユーザーのログファイルから得た気になるデータも報告できる。そのほかのツールと同様、Amplifyは小さなエージェントをNGINXやNGINX Plusが動くマシンにインストールして、情報を集める。
NGINXは数百万のユーザーがいるオープンソースの企業なので、個々のユーザーの詳しい情報は持っていない。しかしこのツールをより良い形で提供していくためには、ユーザーについてもっとよく知り、ユーザー情報のデータベースを持つべきかもしれない。その副産物として、一部のユーザーと商用の関係も築けるだろう。