糖尿病管理から肥満解消へ、OurPathがSecond Natureにリブランドし11.2億円を調達

OurPath(アワーパス)は2018年に、英国で糖尿病の問題に取り組むスタートアップとして注目されるようになった。300万ドル(約33600万円)を調達し、スマートフォンのアプリを利用した専門家のアドバイスとトラッキング技術を組み合わせて、顧客が健康的な生活習慣を身につけ体重を落とせるように支援してきた。

同社は「Second Nature」とリブランドし、新たにシリーズAで1000万ドル(約11億2000万円)を調達した。

新たに投資したのは、ヨーロッパの保険グループであるUNIQAのベンチャーキャピタルファンドのUNIQA Venturesと、デジタル糖尿病管理プラットフォームで健康産業超大手のRocheに買収されたmySugrの創業者。

以前に投資していたヨーロッパのシードファンドのConnectとSpeedinvest、アーリーステージのインパクト投資家のBethnal Green Ventures、TransferWise創業者のTaavet Hinrikus(ターヴェット・ヒンリクス)氏などのエンジェル投資家も、このラウンドを支援した。

今回のラウンドの結果、同社のこれまでの調達額は1300万ドル(約14億6000万円)になった。

Second Natureの競合にはWeight WatchersやNoomなどがある。Noomは同様のプログラムを提供しており、これまでに1億1470万ドル(約128億円)を調達している。

Second Natureは、顧客の生活習慣を変えるために他社とは異なる、より厳しい、一人ひとりに合わせたアプローチを提供しているという。同社の顧客のうち1万人が12週間で平均5.9kg減量したことを明らかにしている。同社が公表した査読済みのデータによれば、6カ月後、12カ月後にも減った体重はほとんどリバウンドしていないという。

OurPath時代に同社は糖尿病管理に関し、英国NHS(国民保健サービス)の最初の「生活スタイル改善プログラム」になった。

Second Natureは2015年にChris Edson(クリス・エドソン)氏とMike Gibbs(マイク・ギブズ)氏がOurPathとして創業した。両氏は健康管理のコンサルタントで、生活スタイルを変えるために一人ひとりに合ったサポートを提供するプログラムを設計した。

プログラムの参加者は、アプリとリンクしたスマート体重計とアクティビティトラッカーを受け取る。これにより参加者は減量の進捗と毎日の歩数を管理できる。同時に開始した仲間、15人でサポートしあうグループが組まれる。グループには認定を受けた食事療法士や栄養士がコーチとして付き、アプリを通じて1対1で日々アドバイスやサポートを送りモチベーションを維持させる。12週間のプログラムを通じて参加者は、健康に良いレシピのほか、食事の計画、質の良い睡眠、やけ食いの克服などに関する記事を見ることができる。

ギブズ氏は「Second Natureの目標は、肥満の解消だ。我々は健康に関する誤った情報による混乱を解消し、ほんとうに大切なこと、すなわち生活習慣の改善に関する情報を明確に示したい。新しいブランドと調達した資金で、これを実現していく」と述べている。

Beringeaの投資マネージャーで、Second Natureへの投資をリードし取締役会のメンバーとなったPhilip Edmondson-Jones(フィリップ・エドモンソン・ジョーンズ)氏は「医療制度は、増え続ける肥満やこれに関連する病気への対応に苦慮している。2025年にはこの問題に全世界で年間1兆2000億ドル(約134兆円)の費用がかかると予測されている。生活習慣を変えようというSecond Natureの先進的なアプローチは、こうした状態を解消しようとする人々への支援となる」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

NY発ダイエット支援アプリ「Noom」、リクルートなどから700万ドル調達、日本展開強化

世界で累計2000万ダウンロードを誇るダイエット支援アプリを手がける米Noom(ヌーム)は4日、ニューヨークに拠点を置くRRE Venturesをリードインベスターとして第三者割当増資を実施し、総額700万ドルを調達した。割当先はリクルートホールディングス投資子会社のRecruit Strategic Partnersも入っていて、日本を含むアジア展開を加速するという。

Android版Noomダイエットコーチのイメージ画像

Noomはニューヨークに本社、東京と韓国、ドイツに拠点を構える企業。ダイエットに有効なスマホ向けアプリを開発している。Google Playの健康&フィットネスカテゴリーで「Best Apps of 2013」に選ばれた「Noomダイエットコーチ」と歩数計アプリ「Noomウォーク」を主力アプリとして提供していて、どちらも日本語版がリリースされている。

Noomダイエットコーチは現在の体重と目標体重、減量ペースを設定すると、その日に摂取可能なカロリー数を表示してくれる。食事の記録を付けると摂取できるカロリーが減り、歩いたり走った時間や距離を入力すると摂取できるカロリーが増える仕組み。食事の内容は吉野家やデニーズなど一部店舗名を入力すると、メニューとカロリーが自動で表示されるなど、日本向けのカスタマイズも進んでいるようだ。

iOS版Noomダイエットコーチのイメージ画像

Noomは今回の資金調達を通じて、Noomダイエットコーチの開発・運営・マーケティングを強化する。リクルートはマーケットの拡大が見込まれるモバイルヘルスケア領域での知見獲得を目指す。割当先にはこのほか、アジア市場を強みとするTranslink CapitalやScrum Venturesも入っている。