弱視は多くの人を苦しめている視覚障がいだが、早期に発見できれば完全に治すことができる。ただし、治療のために何か月も眼帯を着けなければならない。しかしNovaSightは「弊社製のディスプレイの前で1日に1時間過ごすだけで治る」と主張する。
弱視は、2つの目の動きがそろわないことによって起きる。通常は両目の網膜にある物の細部を見分ける凹部分が、今見ている対象に焦点を合わせる。しかし弱視の場合は、片方の目の凹部が対象に正しく焦点を合わせられず、その結果、両目が正しく収束しないので視覚障がいになる。治療を怠ると、次第に視力を失うこともある。
この障がいは子供のとき早期に見つけることができ、正しく機能している目をほぼ終日眼帯で覆うという簡単な方法で治すことができる。そうすると悪いほうの目が正しく見ることを強制され、次第に治るのだ。ただし言うまでもなく、子供にとって眼帯は不快だし面倒だ。しかも片目だと、校庭で十分に遊べないなど不自由なことも多い。
NovaSightのCureSightを使うと、眼帯なしでこの治療を進められる。その代わり、子供が見ているコンテンツの一部をぼかすことによって正しい方の目を休ませ、その間に問題がある方の目に頑張らせる。
このような二重視像方式は、昔の遊園地などによくあった立体映画でも使われていた。そのときは、片方の像は青のフィルター、もう片方の像を赤のフィルターを通して、右の目と左の目が本物の立体物を見た場合のように、互いにわずかに視差のある像を見ていた。今回の二重視像は、正常な像とぼかした像の2つを使う。
CureSightの場合はまず、円の画像を用いて二重の視像を作る。そのスクリーンはTobiiのアイトラッキング用センサーを使って、ユーザーの目線から円があるべき位置を知る。私自身も試してみたが、円の像は目が見ている方向にいつも正しくある。そうすると、ぼけてない正しい方の画像を悪い方の目がみて円の正しい位置を知ろうとする。
この方法がいいのは、特別の処置や検査がいらないことだ。NovaSightによると、円の像だけでなく、子供はYouTubeでもムービーでも、何でもこのスクリーンで見ているうちに、悪い方の目が矯正されてくる。しかも自宅で好きな時間にできる。
同社が実施した小規模な治験によると、12週間で十分な改善効果が得られた。「今後は完治の結果を得ることと確立しているほかの処置方法との違いの検証に力を入れたい」と同社は語る。
でも3Dディスプレイの技術がお粗末な映画でなくて視覚障がいの治療に使われるのは素敵なことだ。NovaSightは、弱視の治療だけでなく目の検査や診断のための製品も、同じく3Dディスプレイの技術を使って開発している。詳しくは同社のウェブサイトを参照してほしい。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)