「AnTuTu」60万超え、約6万1000円から購入できるゲーミングスマホ「RedMagic 5S」

Nubia Technologyは5G対応ゲーミングスマホ「RedMagic 5S」を9月2日に発売した。RedMagic 5Sは「RedMagic 5」の後継モデル。プロセッサーやディスプレイなどの基本スペックに変更はないが、拡張冷却アタッチメント「Ice Dock」(44.9ドル。約4700円)が用意されたことが大きな進化点だ。今回は残念ながらIce Dockを借用できなかったが、RedMagic 5Sのゲーミングスマホとしての実力をチェックしていこう。

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

Nubia Technology「RedMagic 5S」は価格579ドル(約6万600円)から。日本でもメーカー直販サイトから購入可能。技適も取得されている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

これはIce Dockのイメージ画像。実際には本体はブラックで、ロゴはレッド。給電用USB Type-Cとヘッドフォンを挿すための3.5mmヘッドフォン端子が用意されている。なおNubiaは、「PUBG」をプレイした際に47.8度から40.5度へとマイナス7.3度の冷却効果があったとうたっている

5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで

まずスペックを解説する前に最初に注意事項をお伝えする。RedMagic 5Sは5G対応スマホだが日本国内で利用できるのは4Gまで。技適は「デバイス情報→Certification Mark」で確認できるが、5Gの周波数帯は未取得のため「電波法により5.3GHz帯は屋内使用に限ります」と記載されている。

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

RedMagic 5も同様の仕様だったが、日本国内で本格的に普及を目指すのなら、5Gの周波数帯についても技適を取得してほしい

それではスペック解説に話を戻そう。本製品はOSにAndroid 10をベースにした「Red Magic OS V3.5」、プロセッサーに「Qualcomm Snapdragon 865 5G」を採用。モデルは2機種で、メモリー8GB/ストレージ128GBを搭載した「Sonic Silver」(579ドル。約6万600円)、メモリー12GB/ストレージ256GBを搭載した「Pulse」(649ドル。約6万8000円)が用意されている。

左がSonic Silver、右がPulse

左がSonic Silver、右がPulse

ディスプレイは、6.65インチFHD+ 有機EL(1080×2340ドット、387.5ppi、輝度600cd/平方m、色域DCI-P3カバー率100%、コントラスト比100,000:1、リフレッシュレート144Hz、タッチサンプリングレート240Hz、ディスプレイ内指紋認証センサー)を搭載。コーニングの強化ガラス「2.5D Corning Gorilla Glass」を採用している。

背面カメラは広角(6400万画素、f/1.8、0.8μm、78.3度)、超広角(800万画素、f/2.2、1.12μm、120度)、マクロ(200万画素、f/2.4、1.75μm、78度)を搭載。望遠カメラは搭載されていないが、最大10倍のデジタルズームに対応している。また前面カメラは800万画素、f/2.0、1.12μm。

通信機能は5G/4G/3G/2G、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1、NFCに対応。また、USB Type-C端子からのHDMI映像出力をサポートしている。

本体サイズは168.56×78×9.75mm、重量は218g。ボディー材質は、フレームは金属製で、バックカバーがガラス製だ。バッテリーは4500mAhを搭載。同梱されているACアダプターは18W仕様だが、55W仕様のUSB Power Delivery対応充電器を使えば40分でフル充電可能とうたわれている。

  1. ディスプレイ上部、本体下部にステレオスピーカーを内蔵。背面の「REDMAGIC(Ag)」と書かれたパーツは、Ice Dock装着時に本体内を効率的に冷却するためのプレート「ICE Ag silver plate」だ
上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

上部にはノイズ除去マイク、3.5mmヘッドフォンジャック、下部にはステレオスピーカー、USB Type-C端子、マイク、SIMカードトレイを配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

右側面にはショルダーボタン(左)、排気口、ボリュームボタン、電源ボタン、ショルダーボタン(右)、左側面にはドックピン、ゲームマイク、吸気口、ゲームブーストモードスイッチが配置

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

SIMカードはnanoSIMカードを2枚装着できる

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

パッケージには、本体、ACアダプター、USB Type-Cケーブル、ソフトケース、クイックスタートガイド、ワランティーカードが同梱されている

「AnTuTu Benchmark」で「618633」という高スコアを記録

RedMagic 5Sは、ゲーミングスマホとしての性能はトップクラスだ。ゲームブーストモードをオンにした後、「Game Enhancement」を「Super performance」に設定して総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」を実行してみたところ、軽く大台を超えて「618633」という高スコアを記録した。

ただし記事執筆時点のランキングでは1位となったものの、ASUSの最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 3」は冷却ファン「AeroActive Cooler 3」を装着した状態で「657870」を記録している。やはりRedMagic 5SでもIce Dockを装着して、再計測したいところだ。

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

拡張冷却アタッチメントのIce Dockなしで「618633」という高スコアを記録した

ゲームは「PUBG」をプレイしてみたが、クオリティを「スムーズ」に設定すれば、90fpsでプレイできた。144Hzのディスプレイの真価を発揮できないが、90fpsでも十分ヌルヌルとした描画で快適にプレイ可能だ。

なお、「Real Racing 3」「DEAD TRIGGER 2」「Bullet Force」「Vainglory」などは144Hz表示に対応しているが、今回プレイした「PUBG」だけでなく、「FORTNITE」「Call of Duty : Mobile」などのS級タイトルは非対応。ゲームメーカーは発熱や消費電力に配慮しているのかもしれないが、ゲーミングスマホの性能が大きく向上しているので、ぜひそれに合わせてフレームレートの上限を上げてほしいと思う。

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

PUBGでクオリティを「スムーズ」に設定すると、FPS設定に「90fps」の項目が現われる

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

左右ショルダーボタンは画面上の任意の位置に割り当てられる。感度設定やバイブレーションフィードバックも選択可能

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

ショルダーボタンは操作できる画面上のボタンが固定されるが、ゲームコントローラー感覚で簡単に4本指操作が可能だ

日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質

カメラは超広角、広角、マクロ、フロントという構成。画質は基本的に良好だと思う。特にナイトモードは明るく、ノイズも少なめで、白飛びも抑えられていた。10倍デジタルズームは大画面で見るとアラが目立つが、個人的には11インチ前後の画面で見るなら許容範囲だ。日常使いのスマホとして十分活用できるカメラ画質に達していると思う。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

10倍デジタルズームで撮影

10倍デジタルズームで撮影

マクロカメラで撮影

マクロカメラで撮影

ナイトモードで撮影

ナイトモードで撮影

5Gの技適未取得、不十分な日本語化が残念だが、ゲーム性能は申し分なし!

579ドル(6万1000円前後)からAuTuTu Benchmarkで60万超えのマシンが手に入るのだから、コスパは圧倒的だ。日本国内で5Gを屋外で利用できない点、そして日本語化が不十分な点さえ納得できるのなら、比較的安価に購入可能な最新ゲーミングスマホとして魅力的な選択肢と言えよう。

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

RedMagic 5Sを試用中に、中国語のメッセージが表示されることもあった。せめて英語でメッセージが表示されるようにソフトウェアアップデートを実施してほしい

 

関連記事
5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」
カメラの性能が素晴らしい4万円台のGoogle Pixel 4a、5G対応Pixelを待つ必要なし
Galaxy Note 20 Ultraファーストインプレッション、現時点で入手できる最も優れた5G対応モバイルハードウェア
TCLのラストモデル「BlackBerry KEY2 Last Edition」の実力は?そして物理QWERTYキースマホの系譜はこれからも続く
シャオミのコスパモンスターなミドルレンジスマホ「Redmi Note 9S」を試す
スライド式キーボード搭載スマホ「F(x)tec Pro1」は実用性より心地よさに価値がある
iPhone SEはトリプルカメラを捨てて機種変更したいと思わせる魅力がある
サーマルイメージングカメラ搭載のキャタピラーのCAT S61、熱を可視化して撮影可能

カテゴリー:ハードウェア
タグ:Nubia Technologyガジェットスマートフォンレビュー