企業のエース人材と転職希望者を10分間限定ビデオチャットでつなぐOnepairが資金調達

企業で働くエース人材と転職希望者が10分間のビデオチャットを通じて面接できるアプリ「Onepair」を運営するOnepairは2月19日、NOWおよび複数の個人投資家から1000万円を調達したと発表した。また、これまでベータ版だった同サービスの正式版を本日よりリリースする。

Onepairの特徴は、転職希望者がマッチングする相手は企業の採用担当者ではなく、事業責任者などの現場で活躍するエース人材だということ。企業のエースは、Onepairのアプリに毎日表示される5人の候補者のなかから気になる人をピックアップする。すると、ピックアップされた候補者のアプリには彼らを選んだエースの情報が表示される。候補者がそのアプローチにOKと答えれば、まずはマッチングが成立する。ビデオチャットの日程調整などもアプリ上で完結できるため、エース人材は気軽に多くの候補者とビデオチャットすることが可能だ。

2018年9月のベータ版リリース時は上述のエースから転職希望者へのアプローチ機能しかなかったが、同社はその後アプリをリニューアルし、転職希望者からエースへのアプローチも可能になった。アプリ内にはエース人材の働きぶりが分かる記事コンテンツが用意されており、それを見た転職希望者がエース人材とのビデオチャットに応募できる。

10分間のビデオチャットは、時間が来たら強制的に修了する。通常の面接は30分から1時間ほどの時間が設定されていることが多いが、10分間話してみただけでもその人の印象は大体固まってしまうもの。つまり、Onepairは10分間あれば『この人とは一緒に働けない』などのネガティブなスクリーニングすることができるという仮説の上で作られたアプリなのだ。また、ビデオチャットなので移動も必要なく、効率的に採用候補者を探せる(転職者は働きたい企業を探せる)というわけだ。

今回、同社にとって初の資金調達を実施したOnepairは、10分間という限られた時間をより“濃いもの”にする施策を打っていく。具体的には、マッチングした時に表示されるプロフィールを充実させることでビデオチャットでよくある「自己紹介」を省くなどが考えられる。現在、Onepairを導入する企業は約20社。これをまずは100社にまで拡大することが当面の目標だという。

転職を考える人材と“企業のエース”を10分間ビデオチャットでつなぐ「OnePair」

「転職はうっすら考えてはいるが、具体的な行動に移せていない」。「欲しい人材はいるが、現場が求めている人材がなかなか見つからない」。このような人材採用の課題を解決しようとするサービスがあるので紹介したい。本日ベータ版をリリースしたばかりの、転職を考える若者とビジネスの現場で働くキーパーソンとを10分間のビデオチャットでつなげる「Onepair(ワンペア)」だ。

僕を含め、20代も中頃になると「転職」というワードをよく耳にするようになる。周りで転職する人たちが増え始め、自分もなんとなく考えてはいるけれど、日頃の忙しさにかまけて具体的な行動には移していないという人も多いだろう。Onepairはそんな人たちにピッタリなサービスかもしれない。

Onepairを利用するにはまず、アプリをダウンロードして自分の経歴やスキルなど簡単なプロフィールを入力する。すると、採用を行っている企業の方から直接アプローチが来るという仕組みだ。ここまではよくあるダイレクトリクルーティング系のサービスと変わらないのだけれど、Onepairが新しいのはここからだ。

10分間ビデオチャットでお互いを知る

まず、Onepairを通してマッチングする相手は企業の採用担当者(人事)ではなく、事業責任者などの現場で活躍する“エース”たちだ。企業のエースは、Onepairのアプリに毎日表示される5人の候補者のなかから気になる人をピックアップする。すると、ピックアップされた候補者のアプリには彼らを選んだエースの情報が表示される。候補者がそのアプローチにOKと答えれば、まずはマッチングが成立する。

マッチングが成立すると、候補者は企業のエースたちとアプリ上で10分間のビデオチャットを行うことができる。これはいわゆる”面接”ではなく、「まずは一旦話してみよう」というノリのものだと考えてほしい。このビデオチャットは10分間限定だ。時間が経てば強制的にシャットダウンされる。

現場で実際に働く企業のエースたちは、現場に必要な人材がどんな人物なのかを一番よく分かっている人たち。でも、人材採用は彼らの本業ではないので、なかなかそこに時間を割けないのも事実だ。だからこそOnepairは、スマホアプリで完結し、かつ短い時間で効率的に会話できるビデオチャットという仕組みを取り入れたというわけだ。ビデオチャットのスケジュール調整も数タップで完了するから、ビデオチャット以前のコミュニケーションにも時間がかからない。

候補者にとっても、企業のエースたちと直接話せることで、入社後の自分の“ロールモデル”となる人物を見つけることにもつながるだろう。また、ビデオチャットを行った候補者には1回につき3万円の“入社時ボーナス”が付与され、実際にOnepairを通して転職が決まったときにそのボーナスが支払われる(上限は30万円まで)。

この10分間ビデオチャットという仕組みは、「10分間あれば『この人とは一緒に働けない』などのネガティブなスクリーニングすることができる」という仮説のうえで成り立っている。実際のところ、採用面接が始まってからものの数分で「不採用」という結論にいたることは往々にしてあることだと思う。でも、だからといってすぐに面接を打ち切るわけにはいかず、結局ダラダラと予定の時間まで話してしまうという経験をした人もいるはずだ。

Onepair代表取締役の秋原諒氏は、「実際に候補者と会うことで時間が無駄になってしまうリスクを考えて、結局動かないという人も多いように思う。Onepairによって、『動いた方が得』という世界観が作れれば」と話す。

Onepairは企業側からマネタイズする。料金プランは未定だが、数万円程度の月額課金に加えて成果報酬を受け取るというかたちを予定している。Onepairは本日よりベータ版をリリースするが、現在までに10社への導入が決定した。

「ベータ版をリリースすることで、成果報酬の金額をいくらに設定するのかベストなのか、そして、はたして企業のエース側にもインセンティブを用意する必要があるのかなど、仮説検証をしていきたい」(秋原氏)

Onepair代表取締役の秋原諒氏