Databricksの無料Spark学習コースにオンラインのマイクロインスタンスCommunity Editionが補助教材として加わる…受講者10万超をねらう

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Apache Sparkオープンソースプロジェクトの商用実装をビジネスとするDatabricksが今日(米国時間2/17)、Sparkの使い方を人びとに教えるための、無料のCommunity Editionをリリースした。それは、同社が昨年作った無料のオンラインコースMOOCs〔複数形〕)の教材として利用される。

この無料バージョンは有料のエンタープライズバージョンにある高度な機能はなくて、Sparkによるビッグデータ処理の初歩を、小さな単一のSparkインスタンス(“マイクロインスタンス”)で学んでいく。

同社のMOOCsは驚くほど好評で、これまで50000名が受講、演習やテストを含め全課程を終了した者は20000名に達する。DatabricksのCEOで協同ファウンダーのAli Ghodsiが、そう説明した。

Sparkを学びたいという関心がこれほどまでに大きいことを見た同社は、コースの補助教材としてCommunity Editionを作ることにした。Community EditionとMOOCsを結びつけることによってDatabricksは、地球上のへき地に住む低所得の人たちにも、データサイエンスの初歩とSparkを教えることができる。つまり、コンピュータとインターネット接続と、コースを完了する意志さえあれば、誰でもコースを受講できる。

学習者はDatabricksの基礎的な機能にアクセスして、マイクロクラスタの作り方とか、クラスタ管理ツールの使い方、ノートブックやダッシュボードの作り方を学ぶ。もっと大きなクラスタの作り方や高度な機能を会得したければ、クレジットカードをスワイプして本格的なビジネスコースへ進めばよい。

Databricksに投資しているAndreessen Horowitzの協同ファウンダーでパートナーのBen Horowitzによると、Community Editionによってビッグデータとその分析の敷居が、きわめて低くなり、誰もが気軽に学べるものになった。

“それまでは自分でクラスタを作るか、あるいは大学のコースなどに毎月何千ドルも払って、データサイエンスや高度なデータ分析、機械学習などを本格的に勉強する必要があった”、とHorowitzは声明文の中で言っている。

安上がりをねらった同社は、まず、学習者がクラスタの構築や保存のために使うコンピューティングリソースとして、Amazon Web Servicesを利用している。その高度な共有環境を同社が細心の注意をもって管理することにより、低コスト化に成功している。

“仮想マシンを共有することにより、コストを大幅に下げることができた。同じリソースを複数の学習者が再利用していくから、無駄が生じない。その方法をMOOCの一つで試してみて、意外なほどうまくいったんだ”、とGhodsiは語る。

もちろんこれは、慈善事業ではない。たくさんの人間にSparkと関連ツールの使い方を無料で教えれば、その後、その中の何人かが必ず有料の顧客になる、と同社は確信している。同社はすでに、MOOCsでそんな経験をしている。Community Editionが加われば、それがもっと増えるだろう。

“これはとても優れた見込み客生成プロジェクトだ。うちの企業経営に大きく貢献するだろう”、と彼は語る。

DatabricksのMOOCは、今年もっと増える。そして来年には、受講者数を10万人以上にもっていきたい、という。無料のCommunity Editionが好評なら、それも夢ではないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

需給ギャップが大きいデータサイエンス技術者をオンラインコースで育てるDataCampがシード資金$1Mを調達

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データサイエンスとその技能の持ち主をもっと多くしたい、と願う教育サービスDataCampが、Accompliceがリードするシードラウンドで100万ドルを獲得した。すでに30万ドルを獲得している同社にとってこれは、二分割二度目のシード資金になる。

DataCampはGeneral AssemblyCodeacademyのように一般的なプログラミングを教えるのではなく、もっぱらデータサイエンスのスキルを教える。

ファウンダのJonathan Cornelissen曰く、今データサイエンススキルに関しては需給ギャップがとても大きい。“うちはこの、データを扱える者が今はものすごく少ない、という問題を解決したい”。

AccompliceのChris Lynchも、こう語る: “うちがDataCampに投資したのも、データサイエンスが1000億ドルの市場で、年率30%で成長しているからだ。今、データサイエンティストは10万人ぐらいしかいない”。データサイエンスの人材は今圧倒的に売り手市場だから、DataCampのような企業は投資家にとっても魅力が大きい。

データサイエンスのためのプログラミング言語といえばRだが、DataCampは6部13モジュールから成るRのコースを立ち上げた。生徒たちはデータ分析の基本を学びながら、Rによるデータの操作、モデリング、視覚化などの技法を身につけていく。

ただしこれは、あくまでも入門編だ。

来年は実践編として、実際にSparkやHadoopなどのソフトウェアツールを使うデータサイエンススキルのコースを立ち上げる。コースのこのような拡張や多様化は、最初から計画されている。

学費は月額25ドルで、DataCampのすべてのリソースに無制限でアクセスできる。一部のコースは、試行用として無料だ。個人がそうやって‘入学する’形のほかに、Microsoftなどの企業が社員教育のために同社とパートナーするケースもある。

2年近く前にベルギーで起業した同社は、昨年ニューヨークにやってきてTechStarsの育成事業に参加し、同時に合衆国への進出を果たした。これまでもトラフィックのほとんどが合衆国から、そしてパートナー企業も合衆国企業が大半だったから、アメリカ進出は同社の既定路線だったとも言える。

提供するコースには、同社が作るものと、パートナー企業が提供するものがある。たとえば金融分野専門のデータサイエンスコースが必要になれば、その道のエキスパート企業を起用することになるだろう。

Accompliceがマサチューセッツ州ケンブリッジの、起業初期専門のVCなので、そのご縁でDataCampは州都ボストンにオフィスを構えた。ウェストコーストに比べると故国のベルギーに近いことも、ここを選んだ理由の一つだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a.
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オンライン学習プラットフォームのUdemyが日本に来る―3200万ドルを調達して国際展開へ

オンライン学習プラットフォームのパイオニアの一つ、UdemyがシリーズCラウンドで3200万ドルの資金を調達した。このラウンドをリードしたのはNorwest Venture Partnersで、既存の投資家、Insight Venture PartnersMHS Capitalも参加している。これで調達した資金の総額は4800万ドルとなる。

EdXCourseraなどが提供する大学の講義をオンライン化したようなEliademyに似ている。

Udemyのコースの内容はアカデミックな知識の伝達というより、職を得やすくする技能、技術の講習に集中している。またUdemyは企業内研修のプラットフォームとしての利用にも力を入れている。

CEO Dennis Yangによれば、今回の大型資金調達は、コンテンツの強化と同時にアメリカ以外の地域への国際展開にあてられるという。

「われわれはオンラインではすでに世界のあらゆる地域にユーザーがいるし、英語以外の10カ国語に対応している。今回の資金調達は実際に現地で活動を開始するためのものだ。われわれは現在アメリカで行っているのと同様のビジネスを世界各地に拡張していきたい」とYangは語った。

われわれのインタビューに対してYangは現在すでに受講者の60%はアメリカ以外から来ていると明かした。この1年でUdemyの売上は300%以上成長したが、これにも国際的な需要の高まりが貢献しているという。

2010年のスタート以来、Udemyの受講者は延べ300万人、講師は8000以上になるという。現在までに作成されたコースの数は1万6000に上る。

Udemyのユーザーの多くは無料コースを受講しているが、Yangによれば無料ユーザーの15%がやがて有料コースを受講するようになるという。有料コースの場合、講師が受講者を独自に集めた場合、Udemyは料金の3%を手数料として得る。ただしUdemyの既存のユーザーが受講した場合、料金は講師とUdemyが50:50で折半する。

Yangによれば、今回の資金調達で実施する国際展開のターゲットとなる地域は、イギリス、ドイツ、スペイン、ブラジル、日本だという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+