アプリケーション用検索エンジンのElasticがOpbeatを買収してアプリケーションパフォーマンス管理に進出

今日(米国時間6/22)、ロンドンで行われたElasticのカスタマーイベントで同社が、アプリケーションのパフォーマンス管理(application performance management, APM)をSaaSで提供しているOpbeatを買収したことを発表した。買収の額等は公表されていない。Opbeatの15名の社員は全員すでに、Elasticのチームに合流している。

OpbeatはJavascriptで書かれているアプリケーションをモニタするが、それだけでなく本番アプリケーションの問題点を直接、その原因であるソースコードに対応付ける。そのためコードの森をハントして問題領域を見つける努力をしなくても、容易に問題をフィックスできる。

Elasticがいちばんよく知られているのは、同社の検索プロダクトElasticsearchだろう。このオープンソースの検索ツールは、Wikipedia, Yelp, eBayといった大物サイトが利用している。最近同社は単なる検索から一歩進んで、アナリティクスにも手を染めた。主にログデータが対象だから、Splunkなどの既存サービスともろに競合する。昨年Elasticは、同社のすべてのプロダクトを揃えたプラットホーム、Elastic Stackを立ち上げた

ElasticのCEO Shay Banonは今日の買収を戦略的な視点で見ている。すなわちそれは同社に、単なるログデータのサーチを超えて、データを生成しているアプリケーションの内部へのインサイトを与え、パフォーマンスの劣化の原因を示唆する。それによりElasticの競争力が強化される、とBanonは述べる。

OpbeatのCEOだったRasmus Makwurthによると、Elasticに加わったことによってプロダクトのロードマップを加速でき、Elasticプラットホームの幅広いリソースを利用できる。“うちはかなり前からSaaSのプラットホームとして、アプリケーションのインサイトをデベロッパーに提供してきたが、顧客にアプリケーション全体のインサイトを与えることができなかった”、と彼は説明する。Elasticへの参加で彼の企業は、検索ツールや、アナリティクス、ログデータの視覚化などをElasticのプラットホームで利用でき、同社のビジョンを大きく拡大できる、という。

Opbeatの社員はすでにElasticに加わり、Elasticのチームと共に、既存のSaaSアプリケーションのオンプレミス化に取り組んでいる。Banonによると、Opbeatのクラウド体験がElasticのクラウド提供物の拡大に寄与するだろう、という。

クラウドネイティブなアプリケーションとその技術をオンプレミス化する仕事は簡単ではないが、両社の展望では数か月後のリリースを目指している。なお、Opbeatのプロダクトも前からElasticsearchを使っているが、Banonによると、これまでのようにプロダクトを使っていることと、それがスタックの一部になることは、全然別の話だ。そしてクラウドとオンプレミスの両方で新しい会社を仲間に加えていくためには、相当な技術的努力を要する、と。

今年初めにCiscoが、IPO直前のAPMベンダーAppDynamicsを37億ドルで買収した。Banonは今日の買収価額を公表しないが、あれよりずっと少ないね、とジョークを言った。

Opbeatは2013年にデンマークのコペンハーゲンで創業され、これまで約280万ドルを調達している。良い買い物と言えるだろう。同社はデンマークで仕事を続ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))