Cortanaはユーザーの個人秘書になってメールも読んでくれる

ほんの数年前、Microsoft(マイクロソフト)はCortana(コルタナ)が、Googleアシスタント、Alexa、Siriの有力な競争相手になることを望んでいた。それからだいぶ時間も経ったが、Cortanaは市場に食い込むことができなかった。

CortanaがWindows 10搭載PCに組み込まれていることを意識している人はどれくらいいるだろう。同社の野望は出鼻をくじかれた。マイクロソフトでは、これからはCortanaを、個人の生産性を向上させるアシスタントにしたいと考えている。同社のエコシステム全般を考えれば、天気予報をしゃべらせるより、Cortanaにはそのほうが適しているのは確かだろう。

画像クレジット:Justin Sullivan/Getty Images/Getty Images

米国時間11月4日に同社はIgniteコンファレンスで、Cortanaが日々の業務で役立つようなる多くの新機能を発表した。これらはいずれもAIを人間の知性を手助けし、増強することのできるツールと位置付ける同社の大きなビジョンに沿ったもの。

こうした機能のうち最初のものは、iOS用Outlookで、マイクロソフト独自のテキスト読み上げ機能を使ってメールを読んでくれるもの。男声と女声が用意されている。Cortanaは、会議のスケジュールを設定したり、参加者を調整するのにも役立つ。マイクロソフトは、以前のコンファレンスで、すでにこの機能をデモしていた。

来月以降Cortanaは、ユーザーの関わるすべての会議について要約し、関連するドキュメントを添付し、ユーザーが電子メールで送信したコメントについてのフォローに対するリマインダーを記した電子メールを、毎日送ってくれるようになる。特にこの最後の部分は、かなり興味深い。というのも、GoogleのGmailに表示される単純でうっとうしい返信文面の候補よりも、1歩進んだものと考えられるからだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

 

マイクロソフト、リサーチの補助ツールやプレゼンをダイナミックにする新機能をOfficeプロダクトに追加

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Microsoft は、本日(米国時間7月26日)、主要なOfficeプロダクトであるWord、PowerPoint、Outlookに機械学習スマート機能の導入を始め、いくつかのアップデートを発表した。

Wordには、ユーザーがより上手い文章を自信を持って書くことに焦点を当てたアップデートを行った。Microsoftのチームは「Researcher for Word」をWordに組み込み、これを用いることでユーザーは自分が書いているトピックに関する情報を探すことができるようになる。それらの情報源はオンラインジャーナルや百科事典、歴史のデータベース、国立科学センターや保健センター、およびその他の信頼できるサイトであり、ユーザーはフォーマット化された参考文献をWordに直接インポートすることができる。

このツールの目的は言うまでもなく、ユーザーがコンテンツを切り替えることなくリサーチできるようにすることである。このツールはおそらく高校生、もしかしたら大学生にとっても素晴らしいツールではあるが、地元の大学の図書館がアクセスを持っているようなサブスクリプションベースのリサーチデータベースに取って代わることはできないだろう。だが、Microsoftは特段、この機能をそういったものの代わりとして販売しようとはしていない。ユーザーがリサーチを始めるのを助ける機能として考えているのだ。

この機能はBing Knowledge Graphを活用しているとMicrosoftは言う。

Office 365 Insidersの登録者は、今月からこのアップデートを利用でき、他の利用者はその後にアクセスできるようになる。

また、Wordには新機能「Editor for Word」が追加された。EditorはMicrosoftの機械学習の専門技術を用いて、現在ある大抵のワードプロセッサで利用可能な基本的なツールよりも、優れたスペルや文法のチェックを提供する。「間違いをただハイライトするかわりに、Editorがどんなレベルのユーザーにも簡潔な表現や単語の選択などを説明しながら、ライティングをより良くする方法を提示する」とMicrosoftは述べている。つまり、今後「影響(affect)」の代わりに「効果(effect)」を使った時には、Wordは間違いを伝えるだけでなく、なぜ間違っているかの説明をしてくれる(英語の初級クラスを教えてくれた、保険にも入っていない貧しい非常勤講師がおそらくこれまでに100万回もやってきたような内容だ)。

スペリングに問題がある箇所には赤色の波線が、文法に問題がある箇所には青色の二重下線で示される。Wordがライティングに表現方法のミスを見つけたときには、金色の破線でハイライトされる。

他の何百万人と同じように、デスクトップでOutlookを使用しているのなら、モバイル版Outlookでおそらく最も便利な機能にアクセスできるようになる。Focused Inboxのことだ。GmailのPriority Inboxのように、Focus Inboxは最も重要そうなメールをハイライトをする。使ってみたところ、時々Priority Inboxとモバイル版Focused Inboxでハイライトされるメールは違ったが、これらのツールなくして受信ボックスを読み進めるなんて私には想像しがたいことだ。これらのツールがデスクトップでも同様に利用できるのは良いことだ。

また、Outlookの新機能は「@メンション」に対応したことだ(そう、 Twitterのように)。メール上で誰かを「@メンション」すると、その人は自動的にTO: (宛先)に追加され、受信者は別途通知を受けとり、それが非常に重要(おそらく)なメールであることが分かる。この機能は現在、WindowsとMacでOutlook 2016をOffice Insidersとして利用しているユーザーは利用可能だ。

最後の新機能はPowerPointのZoomである。これはPreziのような他のプレゼンテーションツールからヒントを得たもので、スライドからスライドへ移動する基本スタイルを超え、プレゼンテーションをもっとダイナミックにしたり、オーディエンスが居眠りしそうな時には、プレゼンテーションをその場で整理し直すことを可能にする狙いがある。実際にどのようなものかは下記の動画をチェックしてほしい。

[原文へ]

Microsoft、Outlook.comの正式運用を開始。アナウンス後12時間で150万件のアカウントが誕生

6087.SUMMARY_Outlook_300x166_for outlook.com.jpg-550x0Microsoftが、これまでベータ版で提供してきたOutlook.com正式公開を行った。膨大な数にのぼるHotmail利用者も、Outlook.comに順次移行させる。Microsoftによる移行作業は夏までに完了する見込みだとのこと(システム側による移行ではなく、自分で移行することも可能)。全体の移行が完了した時点でHotmailのインタフェースを終了させることになる。Microsoftのプロダクトマネジメント部門シニアディレクターであるDharmesh Mehtaによると、Outlook.comが公開されて最初の12時間で、150万件のアカウントが作成されたとのこと。

「正式版を公開した最初の12時間で、150万のアカウントが作成されました。Hotmail利用者の方々に正式オープンした旨の通知を行う前に、多くの人びとがOutlook.comを使い始めてくれたのです。Outlook.comをご覧になって、気に入って頂いたのだと思います。多くの方にOutlook.comの利用を開始してもらい、大変嬉しく思っています」とのことだ。

上の発言でもわかるように、言及されている150万というのは新規利用者と、あるいはGmailなどの他サービスからの乗り換え組、そしてHotmailからのアップグレード組を含む数字だ。正式公開のニュースが流れて直ちに多数の利用者がアカウントを開設するという動きを見せたそうだ。すなわち、Hotmailの利用者が本当に新しいインタフェースを好んで移行するのかどうかは、まだ今後の動きをみなければなんとも言えないことになる。ただ、多くの人が新しいメールサービスの登場に注目していることは間違いないと言えそうだ。

HotmailからOutlook.comへの移行についてはこちらの記事(英文)もご参照頂きたい。

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(翻訳:Maeda, H)