バーチャル空間oViceとZoomが提携、oVice上からシームレスにビデオ会議を行えるように

バーチャル空間oViceとZoomが提携、oVice上からシームレスにビデオ会議を行えるように

自由に動いて自由に話しかけられるバーチャル空間「oVice」(オヴィス)を開発・提供するoViceは11月29日、ビデオコミュニケーションプラットフォーム「Zoom」を提供するZoom Video Communicationsとの業務提携契約を発表した。

この提携により、ツール間を移動することなく、oVice上からシームレスにZoomビデオ会議を行えるようになった。またoVice上でZoomミーティングを複数立ち上げることで、誰がどこで誰と話しているのかが可視化され、各ミーティングを行き来しやすくなり、よりインタラクティブな交流ができるようになる。

oViceは、ウェブ上で自分のアバターを自由に動かし、相手のアバターに近づけることで話しかけられる2次元のバーチャル空間。テレワーク環境におけるバーチャルオフィスやバーチャルキャンパスとして企業・自治体・教育現場が導入しており、これまでのべ1万件以上利用されているという。

oViceはこれまでもビデオミーティング機能を搭載していたが、ユーザーへのアンケート(回答者数112件)を行ったところ、8割以上が「社外の方とのオンラインミーティングはユーザー数の多いZoomで行うことが多く、Zoomと連携をしてほしい」と回答したという。これを受けて、今回の提携を決定したそうだ。

oViceは、ZoomのISVパートナープログラムに参加し、ハイブリッドな働き方を支援するZoomを活用したサービス・ソリューションの開発・提供に取り組むとしている。

 

テレワーク・イベントなど対応のバーチャル空間を提供するoViceが18億円調達、海外進出やハイブリッドワーク対応加速

テレワーク・イベントなど対応のバーチャル空間を提供するoViceが18億円調達、海外進出やハイブリッドワーク対応強化

ちょっとした会話・雑談も行え、自由に動いて自由に話しかけられるバーチャル空間「oVice」(オヴィス)を手がけるoViceは9月15日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による18億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のEight Roads Ventures Japan、既存株主のOne Capital、MIRAISE、DGベンチャーズおよびDGインキュベーション、新規投資家のJAFCO。ファーストクローズとなる今回は14億円を調達し、セカンドクロージングも合わせると総額18億円になる予定。調達した資金により、海外への展開を加速させるとともに、アフターコロナのハイブリッドワークでも快適にoViceを使用できるよう開発を進める。

調達の目的と今後の展開

  • 海外市場への積極的な展開:海外でのテレワークやオンラインイベントの需要の高まりから、日本以外での販売も徐々に増加していることを受け、今後はさらに積極的に海外市場に展開。特に韓国など新たな市場に参入、定着を図る
  • ハイブリッドワーク対応に向けた技術開発:アフターコロナで増加するであろうハイブリッドワークに対応するべく、技術開発や他社との提携を引き続き行う。例えば他社の開発している360度カメラとoViceを連携させ、リモートワーク・テレワークでオンラインで勤務する人と実オフィスに出社している人がシームレスにコミュニケーションができるような環境構築などを行う
  • 他ツールとの連携強化:ビデオ会議システムやチャットツールなど、様々なテレワーク関連ツールと連携することで、ユーザーがより快適にoViceを利用できる環境を構築する

2020年2月設立のoViceは、「人々の生活から物理的制約をなくす」ことをミッションに掲げ、バーチャル空間「oVice」を開発・提供。oViceは、ウェブサイト上で自分のアバターを自由に動かし、相手のアバターに近づけることで話しかけられる2次元のバーチャル空間となっており、自分のアバターに近い声は大きく、遠い声は小さく聞こえ、現実の空間で話しているような感覚を体験できる。また偶然聞こえてきた雑談・会話にも参加でき、会話する中で生まれた新たなアイデアを形にしやすい環境を整えている。テレワーク・イベントなど対応のバーチャル空間を提供するoViceが18億円調達、海外進出やハイブリッドワーク対応強化

2020年8月のサービス開始から9000件以上利用されており、テレワークにおけるバーチャルオフィスとして、また展示からネットワーキングまで自由にできるオンライン展示会、自由に席替えができるオンライン飲み会など、さまざまな場面での活用が進んでいるそうだ。

 

新型コロナで見送られた成人式の懇親会を東京・中央区がoViceでバーチャル開催

人生でたった一度しかない成人式。2021年1月に発令された4都県への緊急事態宣言を受け、都内では少なくとも16の区が対面集合形式の成人式の中止を発表した。東京23区では、通常どおり1月10日に新成人をホールなどに集めて開催したのは杉並区のみ。2021年は各区ともに開催方法を模索し、渋谷区、千代田区、中野区などは時期を3月にずらして対面集合形式で実施、その他の区では式典コンテンツのオンライン配信を行い、対面型懇親会は中止という形式で行われた。

東京都中央区も式典をYouTubeでオンライン実施し懇親会を見送った区の1つだが、かつての同級生や恩師とも会えるその機会を少しでも取り戻そうと、同区職員と懇親会の実行委員会により2021年3月14日、oVice上でバーチャル交流会が行われた。中央区では毎年、成人式後に任意で参加可能な「新成人のつどい」という、ゲームや懇親を深める交流会を開催している。オンライン開催にあたって「あつまれ どうぶつの森」のようなアバター形式を利用するのがいいのではないかと探していたところ、oViceに辿り着いたという。

日本のスタートアップoViceが提供する同サービスは、バーチャルコミュニケーションツールの1つ。オフィスやパーティ会場などを模した画面上で、参加者が自分のアバターとなるアイコンを動かし交流を行う。参加者は自分のアイコンを自由に動かすことが可能で、他のアイコンに近づくとその人の声が聞こえてくるという対面コミュニケーションに近い感覚を得やすいところが特徴だ。また、ツール上で動画を共有し、一緒に閲覧することも可能。今回の懇親会では、交流、ゲームなどの催し、動画の共有などがすべて行えるツールということで採用された。oVice側も社会的意義を感じ、全面協力している。

oViceのUI / UXを活かしたマルバツクイズ(画像クレジット:oVice)

オンライン懇親会は、3月14日の14時から16時の2時間で開催された。まず実行委員によるoViceの使い方に関する丁寧なチュートリアルが行われた。14時半からは中央区にゆかりのある芸人コンビが、中央区エリアにちなんだオリジナルコントを披露。15時からは対面型で開催されていたクイズ大会が行われた。そして最後に、地元中学生からお祝いの吹奏楽の演奏が動画で流された。

oVice上で一緒に動画を閲覧(画像クレジット:oVice)

初めての試みということもあり、準備やリハーサルにはさまざまな部署の職員が20〜30名ほど協力している。今回、中央区は、1月に成人式ができなかった代わりに新成人へ記念品(タンブラー)を送っているが、そこに今回の案内を同封。さらに中央区や「新成人のつどい」の公式TwitterやLINEでも今回のイベントに関する告知を行い、YouTubeでもoViceの使い方解説動画を用意するなど、例年以上に事前準備に力を入れていた。

インタビューに答える新成人(画像クレジット:実行委員会)

2021年の「新成人のつどい」には新成人だけでなく教員や実行委員、オンラインの利点を活かして海外在住者も参加している。中学卒業以来、久しぶりに再会をした人たちもおり、開催してもらえてよかったという声も多かった。

中央区民部文化・生涯学習課長の岩田純治氏によると、終了後、練馬区や越谷市から問い合わせがあったという。中央区では、公式SNSの活用、YouTubeでの広報番組や講演の配信といったオンラインツールの活用を進めており、イベントについても引き続きオンライン対応を進める方針だ。

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タグ:東京oVice日本