子どもを軸にした家族の交流を実現するクローズドSNS「Famm」–「Pairy」のTimersが提供

カップル向けのクローズドSNS「Pairy」を提供するTimers。同社は5月14日、子どもがいる家族向けのクローズドSNS「Famm」を公開した。まずはiOSアプリのみ提供し、6月にもAndroidアプリを提供する予定だという。App Storeにて無料でダウンロードできる。日本語のほか、英語や中国語、韓国語、スペイン語の5カ国語に対応しており、全世界でサービスを提供する。

Fammは夫婦間でのメッセージ、子どもの写真の共有を中心とした家族向けのクローズドSNSだ。あらかじめ夫婦と子どもの情報を登録しておけば、写真をアップロードしておけば、日付や月ごとに自動で整理してアルバムで閲覧できる。また、毎月の写真を自動的に編集して「コラージュ」と呼ぶ成長記録が作成される。メッセージ機能には無料のスタンプなども用意する。また、メールアドレスを登録した親戚などへの写真共有機能なども備えるほか、誕生日や記念日などのリマインド機能も備える。写真のアップロードは50枚まで同時に可能だ。ほかに家族向けのクローズドなSNSと言えば、国内では「wellnote」、海外では「23Snaps」がある。

Pairyのリリース時より、家族向けサービスの提供を予定していると公言してきたTimers。代表取締役社長の高橋才将氏は、サービスの開発にあたって子どもを持つ家庭にヒアリングを続け、家族間コミュニケーションの実情を知ったのだという。「どこの家庭も、子どもが生まれると子ども中心のコミュニケーションになる。またどれだけ忙しくても写真撮影は欠かさない。しかし一方で、撮影した写真は整理することも加工することもほとんどなくただ保存するだけ。そうであれば、僕らは子どもの写真を撮影してアップロードするだけで、自動でアルバムになったり、整理される機能を提供すればいいのではないか」(高橋氏)

アプリは、Pairyの開発経験を生かしながらも、自動化、シンプル化にこだわった。「例えば写真にタグをつけるということも考えたが、そういった機能も最終的にすべて外している」(高橋氏)

今後はスタンプの追加や動画投稿への対応、ストレージの追加、フォトブックの提供といったプレミアム機能でのマネタイズを検討しているが、時期については年末から2015年をめどにしている。「マネタイズ面では、投資家などからもカップル向けより家族向けのほうがいいのではないかと言われていた。ただPairyを開発し始めた2年前では、まだスマートフォンの普及を考えても家族向けは早かった。このタイミングだからこそ」(高橋氏)

今回のリリースは、ピボットではないと高橋氏は語る。「将来的には(ピボットの)可能性がないわけではないが、PairyのユーザーとFammのユーザーはコミュニケーションの形が違うので、同時に使うサービスではない。より広い層を狙っている」(高橋氏)とのこと。同社は2013年1月にインキュベイトファンドや伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、East Venturesから総額約1億円の資金調達を実施しているが、その資本をもとに人材を確保し、Pairyについても開発を続けているという。

Pairyのダウンロード数は現在数十万件。国内で100万ダウンロード間近のBetweenを追う形となっているが、「リリース期間の10カ月の差、そしてグローバル展開で競合にアドバンテージがあるが、これからひっくり返していきたい。我々が目指すのは、ユーザーが課金しても使いたくなるサービス」(高橋氏)と語ってくれた。最近ではグロースハックにも注力しており、直近数カ月のダウンロード数も好調にのびているという。


カップル専用SNS「Pairy」が1億円増資、来年早々に夫婦版と海外展開

カップル専用アプリ「Pairy」を運営するTIMERは18日、ベンチャーキャピタル4社を引受先とする総額約1億円の第三者割当増資を実施した。増資をもとに開発人員を拡大し、今年度中に夫婦に特化したアプリをリリースするほか、世界展開も予定している。割当先はインキュベイトファンド、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、East Ventures、NTTドコモ・ベンチャーズ。

Pairyは、想い出の写真を2人で共有するアルバム機能、2人だけのチャット機能、行きたいデートスポットを共有できるデート機能、予定調整に使えるカレンダー機能、2人のまとめをつくるペアプロフ機能などがある。デート機能については、これまで15万件以上のスポットのリンクが投稿されていて、うち25%が実際にデートに訪れられているのだとか(デート機能ではリンクを「気になる」へ登録し、行った後は「行った」へと切り替える機能がある)。

当然のことながら、ユーザーは1人の相手としかペアリングできない。別れてしまった場合は「ペア解除」機能があり、解除するとこれまでやりとりしたデータはお互いに見られなくなる。ただし、復縁して再度同じ相手とペアリングすると、今までのデータがすべて復旧するシステムも搭載されている。

アプリは2012年6月に公開し、2013年9月時点で登録会員数13万人を突破。現時点の会員数は非公開。まずはユーザー獲得に注力し、来年度以降に有料会員モデルや広告、ユーザーのアルバムデータを活用したフォトブック販売などを検討する。詳細は未定だが、来年度以降はフジテレビとの連動番組も予定しているという。

カップル向けSNSとしては、Y Combinator出身者による「Pair」や韓国発の「Between」、国内でもリクルートによる「Sweetie」などがあり、これから普及期を迎えようとしているのかもしれない。TIMERの田和晃一郎COOによれば、カップルと夫婦は国内だけでも2000万人以上がターゲット。今回の増資をもとに、夫婦に特化したアプリや海外向けサービスをリリースし、より多くのカップル・夫婦間で使われるサービスを提供したいと話している。