ビデオを扱うことのできるソーシャルネットワークも数多く存在している。しかし「ソーシャル」の面に力点をおき、「コンテンツ」側への意識が薄いものもあるように感じる。
そんな中で勝負しようと出てきたのがPanamaだ。Ochoの共同ファウンダーであるJonathan Swerdlinが、「コンテンツ」を第一に考えるサービスを作ろうと考えて産みだしたものだ。
Panamaでは「地域」に根ざした短いビデオがコンテンツとなる。各「地域」にいる利用者が投稿するものだが、投稿に際しては個人情報を一切必要としないというのが特徴となる。
「Panamaは自分のいる地域のできごとを映し出す鏡のようなものなのです。もちろん他の地域(外国など)にジャンプすることもできます。世界中の人々の心の距離を短くすることができるかもしれません」とSwerdlinは言っている。「皆が、自分のいる場所についての歴史を紡いでいくためのサービスなのです」。
投稿できるビデオは30秒までとなっていて、アプリケーション画面をタッチし続けることで録画・投稿を行うことができる。投稿したビデオは位置ごとに分類され、時系列で表示されるようになる。閲覧者はビデオを見て評価(肯定的および否定的の双方)することができる。
たくさんの肯定的評価を得たビデオは「トレンディング」セクションにまとめられることになる。これは地域に関係なく、まとめて表示されるようになっている。
この「トレンディング」セクションを除けば、基本的には「近所」(Nearby)のビデオが表示されることになる(場所を検索することはできる)。Panamaは現在、公開アプリケーションではあるが、公開前にニューヨークのコンテンツをテスト的に集めている。したがって現在のところはマンハッタンおよびウィリアムズバーグのコンテンツが多くなっている。
利用者はメイン画面から自分の投稿や、あるいは肯定的評価をしたビデオをまとめて閲覧することもできる。
自分でビデオを撮影して投稿する際、実際の音ではなくてBGMを流したいという人もいるだろう。そのような人はストリーミングアプリケーション(SpotifyやPandoraなど)を使うことができる。ビデオ撮影中に音楽を流し続けることで、スマートフォンのマイクがその音楽を拾うようになるのだ。
ビデオ投稿サービスは数多く存在するが、地域に特化して、また投稿者情報を完全に無視するところに新しさがある。
「ログインは無用で、ビデオコンテンツと個人情報が結び付けられることは一切ありません。個人のアイデンティティと結びつけてビデオを投稿する際のプレッシャーから開放されて、ストレートなリアルタイムビデオを投稿できるようになると考えているのです」とSwerdlinは言う。「フォロワーの多寡なども一切関係なく、まったく平等にコンテンツ勝負ができるという魅力もあります」。
もちろん匿名で投稿できるということには悪い面もあるだろう。しかしPanamaはさまざまな仕組みで「不適切」なコンテンツが広まることを防いでいるのだそうだ。
PanamaにはAndroid版とiOS版があり、こちらからダウンロードすることができる。
(訳注:訳者のGalaxy S3ではアプリケーションが異常終了してしまいました。訳者の環境によるものだとは思いますが念の為。iPad版は問題なく動作しています)
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(翻訳:Maeda, H)