このところAmazonは、近く出る3Dインタフェイスのスマートフォンや、ハードウェアのR&DをやっているLab126が主な話題になっているが、実はもっともっといろんなことをやってるらしい。Businessweek誌の最近の記事が、同社のスマートフォン開発裏話とともに、その“いろんなこと”についても触れている。たとえば音声でコントロールするBluetoothスピーカー、Squareキラーを目指すクレジットカードリーダー、どこでも使えるプロジェクターなど。でもそれらの中でいちばんおもしろいのは、一見平凡に思える超薄型のKindleかもしれない。
Bloombergの記事はLab126の組織構成を詳しく述べているが、その人数はLinkedInの情報によればおよそ1600名だ。彼らは今年すでに、二つのデバイスをローンチしている。テレビ用ストリーミングセットトップボックスFire TVと、食料品をスキャンするAmazon Dashだ。
Fire TVは一応好評だが、アメリカのPrimeユーザにしか使えない。そしてDashはAmazonFreshの供用地域でしか用がない…まだまだとても限られた地域だ。明日発表されるAmazonのスマートフォンも、懐疑的な見方がとても多い。実物に触ったことのある某情報筋は、彼の同類たちほぼ全員が、3Dというギミックに感動していなかった、と言っている。9to5MacのMark Gurmanの情報筋など、ほかにも実物を見たことのある複数の人たちが、同じ感想を述べている。
実のところ、Businessweekが報じているほかの製品も、ぼくはデザインやコンセプトがおかしい、と感じた。“コンピュータの画面をどこにでも投射できるプロジェクター”は、要するにピコプロジェクターである。音声で制御できるスピーカーは、Siriとラジカセを合体させたような、無用の長物だ。Squareと競合するクレジットカードリーダーは、Amazonにとって、オンラインと地域小売店とのギャップを橋渡しするかもしれないが、でも一人の消費者として見れば、計画中の製品の中でいちばん魅力を感じるのはKindle Paperwhiteの新型機種だ。
AmazonのKindleは、今でも同社のもっともおもしろい消費者向けハードウェア製品だし、もっとも成功した製品かもしれない(Amazonは売上台数を公表しない)。中でもPaperwhiteは、元々よくできてるKindle製品でありながらその後も改良を加え、ついに今度はニューモデルが出るらしい。Lab内でWineというコードネームで呼ばれているその製品は、相当良いみたい。本誌の先走り記事は、軽いことと、300ppiのハイレゾディスプレイ、そして物理ボタンの復帰について触れていた。Businessweekの記事は、“すごく薄い”としか言ってないが、それだけでも市場は歓迎するだろう。
Amazonがインタフェイスや対話性に工夫を凝らした新しいハードウェアの開発に各種取り組んでいるのはすごいことだし、今後も次々と斬新な製品が世に出てくるのだろう。明日のスマートフォンの発表も楽しみだが、ぼくが本当に期待したいのは、今年後半に出るらしいeインクベースのeリーダー(Kindle Paperwhite)の仕上がり具合だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))