今日(米国時間6/9)、Amazonは新しい課金サービスを開始した。Reutersの報道によれば、これは繰り返し課金を代行するサービスで、Amazonはスタートアップや一般企業が広く採用することを狙っているという。Amazonもこの報道を確認した。
現在Amazonは2億4000万人の消費者のクレジットカード情報を持っており、同社はこれらのユーザーの多くが音楽ストリーミングや電話料金などの支払いに新しいサービスを利用することを期待している。
記事によると、新サービスはすでに数ヶ月前からかなりの数のスタートアップがテスト利用しているという。これにはTucowsの子会社の電話会社TingやPeachDish.comなどが含まれる。TechCrunchの取材に対してAmazonは「モバイル、ウェブを問わず、今後は定期課金を行うあらゆるビジネスがこのサービスを利用できるようになる」と答えた。
eBayのPayPalやBraintree、Google Wallet、Stripeといった課金サービスにとって新たな手強いライバルの登場だ。他のサービスと同様、Amazonは取り扱い額に応じた手数料を徴収する。
Amazonは2013年10月にAmazon IDでサードパーティのサイトで支払ができるLogin and Pay with Amazonというサービスを開始している。このサービスを利用するとサードパーティーはサイトの支払手続にPay with Amazonというボタンを設置でき、Amazonにアカウントを持つユーザーはこのボタンをクリックするだけで支払いが完了する。
Amazonによれば、今日の繰り返し課金はスタンドアローンのサービスではなく、Login and Pay with Amazonの一環として提供されるという。Amazonが繰り返し課金の分野にこのタイミングで本格参入するのは、6月18日に発表が予想されているAmazon独自のスマートフォンのローンチを見据えてのことだろう。
Amazonのスマートフォンでビデオや音楽ストリーミングなどのサービスを定額制で提供しようとするデベロッパーにとってAmazon自身が課金を代行してくれるというのは大いに便利だ。
Amazonによれば、消費者なら数回のタップでサブスクリプションの支払い手続きが完了するという。また通常のAmazonでのショッピングと同様、Amazonのアカウント・ページから支払履歴の確認したりユーザー情報を更新したりするなど各種の管理ができる。
Reutersの取材に対してAmazonの販売サービス担当副社長のTom Taylorはこうした内容を確認し、「次のSpotifyになろうという野心を抱いているスタートアップは課金サービスとしてAmazonを選ぶと期待している」と語った。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)