ツイッター、モバイル向け新ショッピング機能「Twitter Shops」を導入

Twitter(ツイッター)は米国時間3月9日、新しいショッピング機能「Twitter Shops(ツイッターショップ)」を導入した。この機能では、販売者は最大50の商品のコレクションをキュレートし、Twitterのプロフィール上で紹介することができる。このモバイルファーストの機能は無料で利用でき、Twitterのプラットフォーム上で商品について話すだけでなく、実際にクリックして販売者の商品を閲覧し、精算するようユーザーを促すことが目的だ。

しかし、Instagram(インスタグラム)のネイティブのShops(ショップ)とは異なり、これらの取引はTwitter自体で行われるわけではない。ユーザーはまず、販売者のショップにアクセスするのに、販売者のツイートの上にある「ショップを見る」ボタンをクリックする。そして購入の準備が整ったら、その商品をクリックし、販売者のウェブサイトに移動して取引を完了させる。この体験はアプリ内のブラウザで行われ、TikTok(ティクトック)の新しいショッピング機能の仕組みと似ている。

Twitter Shopsは無料で使用でき、Twitterは現在のところ、テスト中の新製品で収益化していないとのことだ。

画像クレジット:Twitter

Twitter Shopsは、ここ数カ月の間に同社が行ったeコマースに関する他の取り組みの上に構築されている。

Twitterは昨夏、米国でeコマースの試験運用を開始し、ユーザーは販売者のプロフィールの上部にある「Shop Module」から商品を閲覧できるようになった。しかし、このモジュールでは、ユーザーがスクロールできる商品は最大5つだ。新しいTwitter Shopsでは、販売者はより豊富なカタログを掲載することができ、CSVファイル経由でアップロードすることができる。

このファイルには、商品名、説明、価格、その他の詳細を含む最大1万点の商品を含めることができ、販売者は、プロフィールに表示する商品50点の選択を簡単に変更することができる。

Shop Modulesに加え、Twitterは2021年11月、新しいライブストリームショッピングプラットフォームのテストを開始し、Walmart(ウォルマート)が最初のベータテスターに選ばれた。Twitterによると、Walmartはライブストリームで行われたイベントで200万回以上の視聴を記録した。しかしそれがどの程度のコンバージョンにつながったかは明らかにしなかった。Live Shoppingはその後、フードデリバリーブランドGopuff (ゴーパフ)やSamsung(サムスン)など、他のマネージドパートナーにも展開された。

新しいTwitter Shops、そしてShop ModuleとLive Shoppingの機能は、TwitterのShopping Manager内に設置されていて、販売者が利用可能なショッピング機能を設定・管理する入口になっている。このShopping Managerは現在、Twitterのマネージドパートナーに提供されているとTwitterは話す。

画像クレジット:Twitter

導入にあたり、Twitter Shopsは米国で@Verizon@ArdenCove@LatinxInPower@GayPrideApp@AllIDoIsCookUSなど数百のブランドと英語でベータテストされる。Twitterは今後、他の販売者やマネージドパートナーからベータ参加者を募って加わってもらう予定だ。

今回のeコマースの拡張は、Twitterがとんでもない速さで新機能を展開してきた一連の動きに続くものだ。この1年ほどの間に同社は、クリエイターツール(スーパーフォロー)、パワーユーザー向け購読商品(Twitter Blue)、ニュースレター(Revue)、NFTアバター、アプリ内投げ銭、ライブオーディオ(Twitterスペース)などを発表している。しかし、プラットフォームの収益を上げる新しい方法を見つけることに焦点を当てたこれらの取り組みが、誤報やプロパガンダの拡散に関連する分野(ロシアとウクライナの戦争が続く中でこれまで以上に重要だ)で取り組むべき、より重要な仕事から注意を逸らさせているという批判もある。

Twitterのeコマースへの取り組みに関するもう1つの課題は、ソーシャルネットワークがエンドユーザーにどのように受け止められているかということに関連している。テキストが多いという性質を考えると、TwitterのユーザーがTwitterを商品を発見する場としてとらえているとは言い難い(Twitterは、同社のライブビデオプラットフォームのPeriscope(ペリスコープ)や、TikTokよりも先に展開されてきた短編ビデオプラットフォームVine(バイン)などのサイトにもっと動画を追加するような取り組みを長年にわたって停止してきた)。

一方、今日のオンラインユーザーは、Instagramの写真や動画、そして最近ではTikTokの動画を通じて、ソーシャルメディア上で買い物をする傾向がある。特にTikTokのトレンドのバイラル性は、より自発的な購買を促す。TikTokは2月のイベントで、48%のユーザーが自社プラットフォームで商品を見てすぐに購入したことがあり、67%が買い物を考えていないときにも購入したとクリエイターに語った。

Twitterも明らかにそうした動きの一部を取り込もうとしているが、TikTokのようなライバルはオンラインショッピングを単なる追加機能としてではなく、没入型ビデオやパーソナライズされたホームフィードを通じてすでに提供している、予期しない発見の自然な延長線上にある機能として位置づけている。

Twitter Shopsは当面の間、iPhoneのTwitterユーザーのみが利用できる。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

動画ライブ配信アプリ「Periscope」の2021年3月末終了をTwitterが発表

先日の報道を受け、Periscope(ペリスコープ)は2021年3月に単体アプリとしての運営を終了することが、米国時間12月15日に発表された。Twitter(ツイッター)に属する同社は、同日投稿された公開書簡(Periscopeリリース)の中で、現在の運営を「持続不可能」と言及。近年の利用率の低下をその要因として挙げている。

「現在の状態のままにしておくことは、現および旧Periscopeコミュニティやツイッターにとって、正しいことではない」 と、同社では指摘している。

2015年にこのライブストリーミングアプリを買収したツイッターは、ここ数カ月の間に独自の動画配信機能を構築してきた。これによって単体アプリとしてのPeriscopeの機能は不必要なものになっていた。先週、ツイッターアプリのコードから見つかったある行は、最終的にPeriscopeが閉鎖されることを示唆しているように思われた。しかし当時、ツイッターはこれに関するコメントを拒否していた。

Periscopeはまだ創業間もない頃、ツイッターが競合他社であるMeerkat(ミーアキャト)の急速な成長に対処の必要性を感じて買収した。もちろん、ライブ動画の分野は近年飛躍的に進化しており、最終的にそのような機能を直接ツイッターのネイティブなアプリに組み込むことは最も理にかなっている。しかし、ライブストリーミングが成長しても、Periscopeのスタンドアロンアプリとしての地位は数年前から低下していたと同社は指摘している。

このようなことはもっと早くに起こっていたかもしれなかったと、同社では付け加えているが、最悪の年は彼らの計画を狂わせた。「2020年の出来事のためにプロジェクトの優先順位の変更を余儀なくされていなかったら、おそらくもっと早くこの決断をしていたでしょう」とツイッターは説明している。

モバイルアプリ関連調査会社のSensor Towerによれば、PeriscopeはApp StoreとGoogle Playを含め、これまでに約1億100万件のインストール数を記録しているという。また「2019年1月から12月14日までの1年間で、Periscopeは世界的に約680万件のインストールを記録しており、前年同期の約730万件から7%減となっている」ことも、同調査会社はTechCrunchに語った。

Periscopeは2021年3月に各アプリストアから削除され、次のソフトウェアアップデートで新しいアカウントを作成する機能が無効になる。ツイッターでシェアされた既存のブロードキャストは、リプレイとしてそのアプリ上に残る。また、同社は3月にすべてがなくなる前に、ユーザーにコンテンツのアーカイブをダウンロードする機能を提供している。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:PeriscopeTwitterライブ配信

画像クレジット:20th Century Fox

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(翻訳:TechCrunch Japan)