PhoneGapで作ったアプリにネイティブのUIやアニメコードを呼び出させて高速化するSteroids.js

Adobeのモバイルアプリ開発フレームワークPhoneGapは、HTML5とJavaScriptだけでモバイルアプリが作れるので、とても人気がある。しかし、一度書いたコードを再利用できてクロスプラットホームなのは結構でも、ネイティブアプリに比べると遅い。そこで、AppGyverが今日ローンチしたSteroids.jsは、PhoneGapのアプリがネイティブのUIコンポーネントや、ナビゲーション、アニメーション機能などにアクセスできるようにして、そのギャップ(!)を填められるようにする。

そうすると、PhoneGapで書いたアプリなのにアニメーションなどのパフォーマンスはネイティブアプリと区別できないほどの速さ、なめらかさになるという。

AppGyverのファウンダでCEOのMarko Lehtimakiが言うには、このシステムはPhoneGapと完全互換であり、PhoneGapのプラグインもサポートしている。開発を始めてからほぼ18か月になり、最近の1年近くは非公開ベータをやっていた。そして今日あたりがいよいよ、一般公開してもよい頃合いだ、という。Lehtimakiによると、彼のチームはPhoneGapのパフォーマンスが抱える問題への対応修復にほとんど8人年を費やした。

Steroid.jsを使ってもアプリの核はあくまでもPhoneGapだから、カメラやマイクなどハードウェアへのアクセスはPhoneGapのコードのままだ。またSteroidsはCoffeeScriptとSassのサポートを内蔵し、さらにRuby On Rails的なScaffoldを自分のアプリのために手早くセットアップできる。そのための便利なコードジェネレータも、いくつか用意されている。だからLehtimakiの見積りによると、Steroidsを使えば開発時間は最大で30%ぐらい短縮される。

デベロッパにとってSteroidsがとくに便利なのは、デバイスに実際に接続して今書いたコードの動作をすぐに確認できることだ。コードのアップデートをデバイスにプッシュしてデバッグを開始するのは、わずかワンクリックだ。Safari Development Toolsを統合しているので、コードの変更もそうやって実機デバッグをやりながらできる。

新作のアプリを簡単に配布できるために、SteroidsではQRコードを使える。それをスキャンするだけで、アプリを自分のデバイスに素早くロードできるのだ。

Steroidsは、試用やオープンソース開発のためなら無料だが、企業利用のためには月額60ドルからの商用ライセンスがある。ちゃんとしたブランド名でアプリをリリースしたい企業や、そこの仕事をしているフリーのデベロッパは、有料ユーザとなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))