PornhubがAIで4Kカラー化した1890〜1940年代のアダルト映像ライブラリー「Remastured」公開

PornhubがAIで4Kカラー化した1890〜1940年代のアダルト映像ライブラリー「Remastured」公開大手アダルト動画サイトのPornhubが1890年代のものを含むビンテージポルノ映像を、AIを使って4Kカラー映像にリマスターしたライブラリー「The Remastured」を公開しました。AIを使って古い映像を高解像度化したりカラー化する技術はいまや珍しくはありません。大戦時に従軍カメラマンが撮影した兵士たちの映像から、ろくにガードレールもないモナコの市街地コースを疾走するシートベルトもない葉巻型F1マシンのレース映像までさまざまなビンテージフィルムが、あたかもつい最近の映像のように再現されています。

ところが、ことポルノに関してはこのようなAIリマスターは行われていませんでした。その理由は、映像を高解像度化およびカラー化する人工知能はポルノ映像で鍛えられることがないから。Pornhubはサイトにアップロードされたアダルト動画から約10万本を使い、裸で組んず解れつする男女の上や下の凹や凸やアスタリスク、その周辺に繁茂するススワタリなどの微妙な色合いのバリエーションをAIに叩き込みました 。さらに4Kへの高解像度化とフレーム補間を適用し、不鮮明さとちぎこちなさを補っています。

VHSとベータの戦いで例えられる話のように、人々は新しい映像メディアが現れれば、それを用いてポルノを製作してきました。Pornhubは、これらの映像を保存するだけでなく現代化することが重要だと考え、1896年から1940年代にわたる20本のビンテージ素材を修復。過ぎ去りし時代の古風な営みを楽しめるようにすることに「非常に興奮」しているとのこと。

修復された映像の1本、1896年の「The Kiss」は、初めて男女が接吻する様子を収めた映像とされます。かのトーマス・エジソンも関わりがある会社が配給したものの、Pornhubによると当時の人々は「衝撃的かつわいせつ」だと非難したのだそう。これらの映像は歴史的な面でも貴重なものです。当時は今ほどオープンな時代ではなかったものの、人類が種を保存しようとする本能はいつの時代も変わりません。

ただPornhubが公開したライブラリーを進めていくと、1920年代にはもう三つ巴で喜々として互いの核心をズビズバする紳士淑女を捉えた、思わず手で目を覆いつつ指の隙間から凝視してしまいそうになる映像も登場します。

なお、いくらAIを鍛えたからと言って修復された映像のカラー化が現実そのままだという保証はありません。それは10万本のいかがわしい映像で頭が一杯になったAIが「きっとこんなかんじ」と想像して「色」を着けたものだと言うのが正しいでしょう。

ちなみにPornhubが公開したこのライブラリーの映像はいずれもAIによる「修復」済みですが、日本の法に合わせた「修正」はされていませんのでご注意を。

(Source:Pornhub(Twitter)Engadget日本版より転載)

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タグ:AI / 人工知能(用語)Pornhub(企業・サービス)

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Ethan Miller via Getty Images

2020年12月に、児童に対する性的虐待動画を公開し収益の一部を得ているとNew York Timesの記事で告発され、その後承認済みユーザーとコンテンツパートナー以外がアップロードした、ガイドラインに適合しない動画をすべて削除するという大胆な対応を行ったアダルト動画サイトPornhubが、初の透明性レポートを発表しました。この報告書では2020年にPornhubが受けた指摘と、実施してきたモデレーションの実績を明らかにしています。

報告書によると、Pornhubはガイドライン違反、たとえば未成年者が含まれるコンテンツから合意に基づかないコンテンツ、悪意ある表現、動物虐待、近親相姦、血液他の体液を含むもの、暴力的なもの、そして明らかに著作権を侵害しているコンテンツ65万3465件を特定し削除したとのこと。

また、2020年の1年間にサイトは政府、法執行機関、および民間団体から1081件の法的な要請を受けたと述べています。これには合意に基づかないコンテンツや児童労働搾取が含まれているとのこと。

NYTによる問題の告発を受け、Pornhubはアップロードされたコンテンツを公開する前にその違法性を検証するため導入した技術についても報告書には記されています。そのなかにはPornhub独自の映像認識技術であるSafeguardをはじめ、YouTubeが採用する児童性的虐待画像検出テクノロジーのCSAI Match、以前にアップロードされた侵害コンテンツと一致する可能性のあるコンテンツを検出するマイクロソフトのPhotoDNA、コンテンツ認識技術開発企業VobileのMediaWiseなどが列記されています。

さらに、機械的にコンテンツを検証するだけでなく、24時間体制のモデレーターによる人力でのレビューも併用してガイドライン違反のコンテンツ除去に取り組んでおり、利用規約やガイドラインに違反するコンテンツは公開されず、またアップロードしたアカウントの削除などの措置を必要に応じて実施するとのこと。

2月、Pornhubはコンテンツをアップロードするアカウントの身元確認にサードパーティの技術を採用していることも明らかにしていました。また問題が表面化して以降、提携していたVisaおよびMaster Cardは、Pornhubのみならず親会社MindGeekのサービス全体で有料コンテンツの決済処理を停止していましたが、Visaは2020年末頃にMindGeekの一部アダルトサイトで決済処理を再開したとのことです。とはいえPornhubに関してはまだ再開はしていない模様です。

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(Source:Pornhub、via:MotherboardEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:児童ポルノ対策Pornhub(企業・サービス)Visa(企業・サービス)Mastercard(企業・サービス)

アダルト動画配信のPornhubが数百万の投稿を全面凍結、違法動画掲載の非難を受けて

アダルト動画大手のカナダのサイトであるPornhubがユーザー投稿の動画数百万の公開を停止するという前例のない措置を取ったことを発表した。同社は「ユーザー生成プラットフォームの歴史の中で、最も包括的なセーフガード措置」と呼んでいる。これは「サイトにはレイプ動画がはびこっている」と非難したThe New York Timesの意見記事を受けたものだ。

Pornhubは先週、アップロードを認証済みユーザーのみに制限すると発表した。Motherboardが確認した(VICE記事)とおり、同サービスは、既存の提携サイトまたはモデルプログラムのメンバーによってアップロードされた動画のみを公開し、それ以外のコンテンツを動画を凍結している。一時停止されたコンテンツは2021年初めから開始されるPornhubによる審査の対象となる。

Pornubは声明で「新しい約款はユーザー生成コンテンツプラットフォーム中で間違いなく最も厳しいものだ」と述べている。「これは、Pornhubコンテンツはすべてが認証済みユーザーからのアップロードであることを要求する。Facebook(フェイスブック)、Instagram、TikTok、YouTube、Snapchat、Twitter(ツイッター)などのプラットフォームもこういう要求はしていない」と同社は述べている。

New York Timesは悪質な動画が存在する(一部は直接確認したという)というNicholas Kristof(ニコラス・クリストフ)氏の記事の中で「検索エンジン、銀行、クレジットカード会社が子どもや意識不明の女性への性的暴行を収益化する会社を援助する必要はない。PayPalがPornhubとの協力を停止できるのなら、American Express、Mastercard、Visaもそうできるはずだ」と書いている。

主要なクレジットカード会社も結局この主張を受け入れた。MastercardとVisaが続き、DiscoverもPornhubのサポートを停止すると発表した(Bloomberg記事)。これはPornhubにすでに発表した以上の強い行動を取る圧力となった。

Pornhubは声明を発表し、インターネット監視団体であるInternet Watch Foundationがサイトで118件の児童虐待を発見したと述べたことについて「118件というのは根拠のない数字だ」と反発した。同社はアダルトコンテンツに重点を置いているために攻撃の的に選ばれたとしてこう述べている。

Pornhubが攻撃されたのは約款や他のサービスとの比較によるものではない。我々がアダルトコンテンツのプラットフォームであるためにターゲットにされたことは明白だ。攻撃者はこの50年、プレイボーイ、国立芸術基金、性教育、LGBTQの権利、女性の権利、さらには米国図書館協会さえ悪魔のように非難してきた。今回はそれがPornhubの番になった。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Pornhub

画像クレジット:Pornhub

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(翻訳:滑川海彦@Facebook