放牧と一頭買い精肉への集中するPorter Roadが10.9億円を調達して全米展開へ

イースト・ナッシュビルの店頭から一頭買い精肉店として出発してから約10年が過ぎた時、Porter Road(ポーター・ロード)のファウンダーたちは米国精肉業界に新風を吹き込もうと考えた。

そしてこのほど同社は1000万ドル(約10億9000万円)の資金をL34 Ventures、River Park Ventures、Middleland、FJ Labs、Kelvin Beachumらと、既存出資者のMAX Ventures、Tribeca Venture PartnersおよびSlow Venturesから調達し、そのミッションを米国全土へと広げようとしている。

2015年に専用の食肉処理場を購入し、2018年にeコマースへと拡大して以来、Porter Roadは羊肉、牛肉、豚肉、鶏肉およびソーセージ製品を地元農家から全米の食卓へと届けてきた。

新たな資金は、同社の持続可能な農業と消費者直販ビジネスのための放牧肉、ナッシュビルの店舗、および全米のレストランへの卸売販売の拡大に使われる。

まず、ケンタッキー州プリンストンの事業を拡大し、新たな需要に答えるために4.5倍規模のUSDA認定処理施設を建設する。この事業によって小さな町に80人分の新しい職が生まれ、それはケンタッキーにおける農業ルネサンスの一環である。

「生産ラインにいるのが役員室にいるの同じくらい心地よく、人と違う方法で世界を見て、そのビジョンを実行するための深い専門知識を持っている、そんなファウンダーたちを支援するのは簡単なことです」とL37のパートナーであるRandall Ussery(ランドール・ウセリー)氏が声明で語った。「彼らは何年もかけてPorter Roadを完璧にしてきました。これはどのスタートアップもどの古参企業も一夜にしてマネできるものではありません。この会社は食肉業界のカテゴリーキラーであり自身のブランドの周りに濠を作ったのです」。

Poter Roadのステーキ、ソーセージ、ベーコン積み合わせデリバリー・ボックス(画像クレジット:Porter Road)

Porter Roadが大型ライバルたちとの違い明確にした1つの例が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下での施設の対応だ。

生産スケジュールの制約と不規則な休憩時間、マスク着用義務やソーシャルディスタンスなどの対策の中、同社は施設内感染を一度も起こしていないと共同ファウンダーでCEOのChris Carter(クリス・カーター)氏はいう。「感染した人は数人いましたが、プリンストンで新型コロナは蔓延していません」とカーター氏は述べた。

植物由来食品への要求が高まっているものの、同社の放牧と一頭買い精肉への集中は、持続可能な生産を気にかける人々にアピールするはずだ。「私たちは、私たちの農家を気にかけています。私たちの動物がどのように育てられているのかを気にかけています」とカーター氏は語る。「それが、私たちが行っていることの本質です【略】Porter Roadにとって最も重要なのは動物の活用です。それは動物の命を尊重し、あらゆる部位を残さず届ける販売経路を作ることです」。

Porter Roadは生産ラインを拡大して、牛脂や豚脂を調理し、骨髄料理のために骨を切断する、とカーター氏は述べた。

「食品制度は崩壊寸前で大がかりな変革が必要です。今の消費者は自分の食べるものとの深いレベルの結びつきを求めており、誤解を招くラベルや流行語を見抜く目を持っています」とカーター氏は声明で語った。私たちは信用と透明性と味を届けているので、誰もが妥協する必要がなく、かつ私たちの農家を支援しています」。

カテゴリー:フードテック
タグ:Porter Road資金調達

画像クレジット:Porter Road

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nob Takahashi / facebook