ソーシャル広告の自動運用サービス「Roboma AI」がリリース、AIの力で広告業界の“働き方改革”を目指す

AIによりネット広告のマーケティング業務を支援するクラウドサービス「Roboma(ロボマ)」を提供するRoboMarketerは5月29日、自動運用に対応した新サービス「Roboma AI」をリリースした。

Robomaは、Facebook、Instagram、Google、Twitterといったプラットフォームの広告アカウントとAPI連携しており、広告アカウントのレポートを自動作成し、費用やCPA(Cost Per Acquisition:ユーザー獲得コスト)などの指標をグラフ化できる。広告費用やコンバージョン単価などが一定の基準を越えた場合に、Slackやメールにアラートを飛ばすことも可能だ。そして管理画面の閲覧権限を広告代理店や社内チームに付与することでスムーズに情報の共有ができる。2018年10月にはマーケターがリアルタイムなROI(Return On Investment:費用対効果)運用を実現できる「ROIレポート機能」が追加された。

RobomaとRoboma AIは別サービスとなるが、組み合わせて利用することでより効果的な広告運用が可能なため、当然ながらRoboMarketerは2サービス合わせての利用を推奨している。

本日リリースされたRoboma AIは、広告効果の改善やコスト削減を自動化するサービスだ。「最高のパフォーマンスを生むための組み合わせ」を設計し、「自動的にコストを抑えた効果的な運用」を可能にする。

FacebookとInstagramの自動運用機能では、広範囲に配信した後、広告と親和性の高いユーザーをピンポイントで狙ったり、効果の良いクリエイティブを残し、悪化したクリエイティブを停止したりできる。自動で効果の良い時間帯に予算をブーストすることも可能だ。

Twitterの自動運用機能では、「リアルタイムに変わるオーディエンスに合わせて、ターゲット情報を常に最新に保つことで、 高い成果をあげることができる」。トレンドワードや関連ワード、フォロワーが似ているハンドルをターゲットに自動追加するなどが可能だ。

RoboMarketer代表取締役の岡崎哲朗氏にRoboma AI開発に至った経緯を聞くと、「進んでいると言われるデジタルマーケティングの業界でさえ、いまだに多くの人が夜遅くまでレポート作成や運用で疲弊している現状がある。ネット広告の中でも大部分を占める運用型広告の国内市場規模は初めて1兆円の大台を突破し、年率20%成長している。一方でデジタルマーケティング経験のある人材の採用はますます困難になり、過酷な労働環境の中で離れていく人も増えている」と話し、広告業界が抱える問題を提起した。

運用型広告の国内市場規模の「1兆円の大台の突破」は電通が「2018年 日本の広告費」と題されたレポートで発表している。

「そんな広告業界にAIの力で風穴を空けたいと考える。人とAIが融合することで、多くの予算を割いている広告費を効率よく運用し、工数も削減することができる。デジタルマーケティングはもっとオープンであるべきで、誰でも簡単に効果的なマーケティングを行える世の中、『マーケティングの民主化』を目指している」(岡崎氏)

Roboma AI導入の実績として、RoboMarketerは、EC通販事業者ではROASが(Return On Advertising Spend:投資した広告コストの回収率)を120から190%にアップした事例、ゲームアプリ運営会社ではアプリのCPI(Cost Per Install:1インストールあたりの広告コスト)を20%以上改善した事例を挙げている。

RoboMarketerは2019年中にRoboma AIの1000社への導入を目指している。岡崎氏は今後の展開に関して、「外部ツールやメディアとのパートナー連携によりサービスの利便性を高めていく。そして、広告運用においてクリエイティブ改善にはまだまだ苦労が多いため、より効率よく行えるようにしていきたい。ユーザーのフィードバックを受けて改善しながら、ユーザーのペインを取り除いていく」と話していた。

ネット広告のレポート作成を自動化する「Roboma」にROI運用支援の新機能

広告効果を最大化するためのAIマーケティング・広告運用自動化サービス「Roboma(ロボマ)」を提供するRoboMarketerは10月19日、マーケターがリアルタイムなROI(費用対効果)運用を実現できる「ROIレポート機能」を新たにリリースした。

また、併せてモバイルアプリにおけるユーザーの行動分析、広告の効果測定、および不正インストールの防止機能を有する総合的なモバイルアプリ計測プラットフォーム「Adjust」との連携を発表している。

以前にもTechCrunch Japanで紹介しているRobomaはグリーやミクシィ出身のマーケターによって作られたマーケティング自動化サービスだ。独自開発のAI技術により、誰でも簡単に本質的なマーケティング業務を行うことを可能にする。メルカリを含め業界問わず100社以上が導入しているという。

ネット広告のレポート作成を自動化するRobomaでは、Facebook、Instagram、Google Adwords、Twitterといったプラットフォームの広告アカウントを連携することが可能だ。連携した広告アカウントのレポートを自動し、費用やCPA(Cost Per Acquisition:ユーザー獲得コスト)などの指標をグラフ化できる。また、社内のメンバーや広告代理店の担当者ごとに閲覧権限を設定でき、同じ情報を共有することでスムーズな意思疎通をはかることが可能だ。

そして本日発表されたROIレポート機能を使うことで、ROIの低い媒体やキャンペーンに広告費用を大量投下しているケースを改善できたり、メディア・キャンペーン・広告単位で最適な予算配分ができるようになる。要するに、無駄な広告費用を削減でき、売り上げアップが期待できるということだ。

ROIレポート機能でできることは以下のとおりだ。

  • Adjustデータの自動取り込み
  • Facebook、Google、Twitter などの主要メディアのコストと売上データを自動マッチング
  • 経過日数別のROI、継続率を集計(コホート分析)
  • メディア、キャンペーン、広告単位でのROI横断比較
  • 課金コンバージョンの複数選択

新機能開発の背景について同社は「広告運用で本質的に大切なことはメディアやキャンペーンごとにROIを検証し、自社のサービス・商品に合ったターゲットユーザーに最適配信することで売上を最大化すること。だが個別のコストデータと計測された売上データをマッチングして集計する際に膨大なデータ処理が発生するため、非常に手間がかかりリスクも高かった」からだと説明している。

ネット広告のレポート作成を自動化、AIが運用を支援する「Roboma」ベータ版リリース——運営会社が4000万円を資金調達

GoogleやFacebook、Twitterといったインターネット広告の出現で、小さな企業や事業部門、スタートアップなどでも比較的低価格で“それなりに”効果的な広告出稿が可能になった今。一方で、マーケティング担当者は広告レポートの作成や、GoogleやFacebook広告の運用の最適化などに追われ、特に小規模な組織では兼務でこうした作業に時間を費やさなければならないことから、本来やるべき分析やマーケティング戦略立案に手が回らない、といったケースも増えている。

こうしたネットマーケティング業務の負荷を、AIの活用によって自動化しようというサービスが始まった。RoboMarketerが1月16日、提供を開始した「Roboma(ロボマ)」ベータ版は、AIによりネット広告のマーケティング業務を支援するクラウドサービスだ。

Robomaは、Facebook、Instagram、Google Adwords、Twitterといったプラットフォームの広告アカウントを連携。連携した広告アカウントのレポートを自動し、費用やCPA(Cost Per Acquisition:ユーザー獲得コスト)などの指標をグラフ化できる。管理画面の閲覧権限を広告代理店やチームに付与することで、レポートの共有も容易に行える。これまでクローズドベータ版として一部企業に限定してサービスを提供してきた。

「Roboma」のスクリーンショット

現状はいわゆるダッシュボードとしての機能が中心だが、今後はデータに基づいてAIアシスタントが運用型広告の最適化をアドバイス。経験やノウハウがない担当者でも最適な運用ができるようになることを目指す。一部のテストユーザーに関してはすでに広告の運用の自動化を行っており、CPAベースで20%の改善が実現した事例もあるという。

「マーケティングの部署は慢性的にリソース不足で、コストセンターとみられることが多い。企業の成長に連れてやることは増える一方だが、その割には人材が全然増えないということもあり、効率化や自動化は絶対に求められる。だが(自社製品と比較すると、マーケティング向けの自社ツールの)開発は後回しになってしまうし、(運用を担当する)代理店も深くは関わらない。(Robomaにより)本来的なブランディング、マーケティング戦略といった『頭を使う』というところに集中できれば」(RoboMarketer 代表取締役の岡崎哲朗氏)

利用料金は、広告アカウント数が1アカウント・広告数100までは月額無料で利用可。3アカウント・広告数500までのベーシックプランが月額9800円、10アカウント・広告数2000までのプロプランが月額2万9800円だ。

またRoboMarketerはRobomaベータ版リリースと同時に、総額約4000万円の第三者割当増資の実施も発表している。引受先はエウレカ創業者の赤坂優氏など、個人投資家だという。

RoboMarketerは、2017年6月の設立。岡崎氏はグリーでマーケティングプロモーションを担当し、海外プロモーションの責任者を務めたのち、スタートアップでのマーケティング責任者を経て起業した人物だ。同社には元ミクシィのマーケターなども参画し、サービスを開発。インターネットマーケティングの最新のトレンドを取り入れ、専門知識がなくても使えるサービスを目指すとしている。

RoboMarketerは今回の調達資金をもとに開発体制の強化を進める。また、将来的には海外でのサービス展開についても検討している。