Evernoteの元CEOのフィル・リビンがGeneral Catalystのパートナーとなって最初のベンチャー投資を行った。現在はEngadgetの一部であるGDGTの共同ファウンダーで昨年9月にAOLを去ったRyan Blockが創立したチャット・ボット・サービスのBeginというスタートアップが投資先だ。
リビンとしては最初のボット企業への投資となるが、これが最後ではないはずだ。TechCrunchのインタビューに対して、リビンは「向こう数年、ボット企業に集中していく」と語った。メッセージ・プラットフォーム中で会話を効率化するボット・テクノロジーは波に乗っているが、Beginもそういうスタートアップの一つだ。Slackのケースでよく分かるように、リアルタイム・チャットの成長は目を見張るものがある。Facebook自身が今年のF8デベロッパー・カンファレンスでチャット・ボットのためのAPIを発表するものと見られている。
Beginはまだ小さいスタートアップで、われわれの主要な情報源はリビンだが、この会社について、「個人やチームが仕事を効率化するのを助けるチャット・ボットを開発している」という。Begin自身は投資情報も含め、会社の詳細についてまだ何も発表していない。
CEOのBlockは「むやみに仕事を増やすのがいいチームではない。いい仕事をするのがいいチームだ。Beginは今やっていることを何事によらずやりやすくする」とだけ述べた。
「Beginは規模の差はあれ、Slack、Facebook Messengerと同様にチャット・ボット・テクノロジーのパイオニアだ。会話のインターフェースの分野はまもなくビッグウェーブになる」とリビンは言う。Blockは「ボットのような会話的テクノロジーは伝統的なUIを置き換えることにはならないだろう。両者は相互補完的なものだ」と述べている。そうであっても「ユーザーがネットに接する時間の大半はボット・インターフェースを通じることになるだろう」とリビンはみている。「私の考えでは、ソフトウェア、特にボットはわれわれの代理としてコンピュータを動かし、われわれのストレスを大きく軽減してくれるはずだ」とBlockは述べた。
「ボットがアプリの新しい波だとよく言われるが、だからといって今までのアプリがなくなるわけではない。多くのボットがSlackやMessengerのような既存のチャット・プラットフォーム内で活躍するようになる。その一方でボット・テクノロジーをベースにした単独アプリも登場するだろう」とBlockは言う。
インタビューでリビンは今回の投資の背景とボット・テクノロジーに対する考えを詳しく述べた。【リビンのインタビューは原文参照】
画像:: Kiyoshi Ota/Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)