この検索エンジンは、自分の顔を検索結果と交換する

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ウェーブのかかった長い髪の自分を想像したことはあるだろうか。きっと素適だろう。しかし、大枚をはたいてサロンに行ったり、Photoshopに何時間も費やすことなくいろんな髪型を試すにはどうすればいいだろうか。必要なのは自撮り写真とDreambitだけ。顔を交換できる検索エンジンだ。

システムはあなたの顔写真を分析して顔だけをうまく切り取る方法を見つける。次に、検索ワード ― 例えばカーリーヘア ― と一致する画像を検索し、あなたにあった位置に顔のある写真を探す。

ターゲットの画像に対しても同様のプロセスで顔マスクし、あなたの顔で置き換えれば出来あがり! カーリーヘアのあなたを何度でも何度でも試せる。ちょっと「マルコビッチの穴」のシーンを思い出させる。ただし相手の顔や状況によってはいくらでも薄気味悪くなる。その点ケリー・ラッセルはどんなヘアスタイルでも美しく見えることが下の図からわかる。

Diagram showing the process by which faces are detected, masked, and replaced.

The process by which faces are detected, masked, and replaced.

交換するのはヘアスタイルに限らない。映画でも場所でも絵画でも、交換できる位置に顔があれば置き換えてくれる。顎ひげのある人等、縁を見つけくい顔はうまくいかないことがあるので、ラスプーチンやガンダルフと入れ替わることはできないかもしれない。

Dreambitを作ったのは、ワシントン大学でコンピュータビジョンを研究するIra Kemelmacher-Shlizermanだ(彼女は顔認識拡張現実でも興味ある研究をしている)。そしてこのシステムは楽しく遊ぶためだけではなく、もっと本格的な応用の可能性も持っている。

Kemelmacher-Shlizermanは自動エイジ・プログレッションという過去の写真から現在の顔を合成するシステムも作っている。これは行方不明者の捜索に役だつ。

「行方不明の子供たちは、髪を染めたりスタイルを変えることが多く、顔だけのエイジ・プログレッションでは十分ではない」と大学のニュースリリースで彼女は語った。「これは行方不明者の容姿が時間と共にどう変わるかを想像する第一ステップだ」。

Kemelmacher-ShlizermanはTechCrunch宛のメールで、ソフトウェアはまだまだベータ段階でFBIが使うようなものではないと言っている。

Dreambitとその背後で動くプロセスについては来週SIGGRAPHで発表されるが、彼女の論文、“Transfiguring Portraits”は今すぐ読むことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

セキュリティ研究家がこれまで集めた1000万件の(本物の)パスワードを一般公開

セキュリティ研究家のMark Burnettが、ユーザ名とパスワードのセット1000万件を収めたtorrentファイルを公開した。それは彼がWeb全域のオープンなWebサイトから集めた、比較的匿名化されているデータの集まりだ。それらのパスワードとユーザ名は古くて、その多くは使われていないと思われるが、いちばん重要なのは、Burnettがそれらを、“誰でも検索エンジンで見つけることができて、誰もがプレーンテキストで入手できる(ハッシュされていないし暗号化もされていない)ので、これまでも、コンピュータシステムに不法アクセスしようと思う者が盗もうと思えば盗めたものである”、ことだ。

彼がそれを集めたのは、彼のパスワード研究の一環としてだ。パスワードの振る舞いは不透明である。なぜそんなパスワードが選ばれたのかよくわからないし、またWeb上におけるパスワードの強度を客観的に評価する方法もない。企業はいつも、うちのパスワードデータベースは安全だと言うが、その言葉には根拠がない。しかも、いちばん多く使われているパスワードが”password”だから、そんなものが安全であるはずがない。

Burnettは次のように書いている:

学生たちやセキュリティの研究者たちから、私のパスワード研究データのコピーを求められる機会が多い。パスワードを共有することはお断りしているが、しかしそれでも、問題のない、きれいなデータ集合なら公開したいと思っていた。よく注意して選んだデータ集合は、パスワードにまつわるユーザの行為を知る手がかりになるし、パスワードのセキュリティをより強化するためにも役に立つ。そこで、1000万件のユーザ名とパスワードを集めたデータ集合を作り、パブリックドメインに公開することにした。

そのデータ集合は、ここでダウンロードできる。

Burnettはこれらのパスワードを公開するにあたり、相当悩んだらしい。まず、これは技術的かつ学術的な行為だが、それに対する法律がどうなっているのか、よく分からない。議員などに聞いても、明快な答は得られない。しかも自分の研究の一部を一般公開することには、リスクが伴うかもしれない。ジャーナリストのBarrett Brownが投獄されたことを見ても、セキュリティを扱う場合は自分の言動によほど用心しなければならない。今回の件は、違法にあたるとはまったく思えないにしても。

というわけで、1000万件のパスワードを見ながら、自分を反省しよう。今使ってるパスワードの、どこがまずいのか? ところでぼくは、超安全なパスワード“ILovePizzaAndBeerLakers2015!”を、捨てる気はないけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今Yahooのどのページにも”ブラウザをFirefoxに変えよう”がある

今日(米国時間12/12)Yahooのサイトのどれか訪れた人は気づいただろう。どのページも右上に”Upgrade to the new Firefox”(新しいFirefoxにアップグレードしよう)のリンクがある。Chromeだけでなく、Internet Explorerでも、最新のYandexブラウザでも。Safariには出ないが、Appleもデフォルトの検索エンジンをYahooにする、という噂があるので、そのせいか、と思ってしまう。

今のFirefoxはデフォルトの検索エンジンがYahooだから、Yahooのこの態度は意外ではない。Yahooとしてはできるだけ多くの人にFirefoxとその検索エンジンを使ってほしい(本体はMicrosoftのBingだけど)。

Firefoxもこのところシェアが下降気味だから、できるだけ多くのYahooユーザにFirefoxを勧めてもらいたい。Firefoxのデフォルトの検索エンジンを変えるのは簡単だし、最近もっと簡単になったが、ほとんどの人が変えないからYahooのままだ。またFirefoxユーザのためのYahoo検索エンジンは、デザインがGoogleに似てきたから、Yahooに変わったことに気づかない人が多いだろう。

YahooとMozillaの新しい関係が、両社のシェアなどにどう影響するか、それはまだわからないけど、1月になったらYahooはやや伸びていそうだ。

Yahooのページの変化を見つけたのは、本誌のすばらしいコピーエディタCatherine Pickavetのおかげだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))