インドネシアのエンド・ツー・エンド物流スタートアップSiCepatがシリーズBで約185億円を調達

インドネシアのエンド・ツー・エンドの物流スタートアップ、SiCepatは1億7000万ドル(約185億円)のシリーズB資金調達を行ったと、現地時間3月5日に発表した。同社は2014年に小規模な小売店向けにラストマイル配送を提供するために設立されたが、後に大規模な電子商取引プラットフォームにもサービスを拡大してきた。現在では、倉庫保管やフルフィルメント業務、ミドルマイル物流、オンライン発送などのサービスも提供している。

SiCepatのシリーズBラウンドには、Falcon House Partners(ファルコン・ハウス・パートナーズ)、Kejora Capital(ケジョラ・キャピタル)、DEG(ドイツ開発金融機関)、Telkom Indonesia(テルコム・インドネシア)の投資部門であるMDI Ventures(MDIベンチャーズ)、Indies Capital(インディーズ・キャピタル)、Temasek Holdings(テマセク・ホールディングス)の子会社であるPavilion Capital(パビリオン・キャピタル)、Trihill Capital(トライヒル・キャピタル)、大和証券などの投資家が参加した。同社が前回資金調達を発表したのは、2019年4月、5000万ドル(約5440億円)のシリーズAだった

記者発表の中で、SiCepatの親会社であるOnstar Express(オンスター・エクスプレス)の創業者で最高経営責任者であるKim Hai(キム・ハイ)氏は、今回の資金調達が「SiCepatのインドネシア市場におけるエンド・ツー・エンド物流サービスの主導的プロバイダーとしての地位をさらに強化し、東南アジアの他の市場へ事業を拡大する可能性を模索するために使用される」と述べている。SiCepatはすでに利益を上げており、2020年には1日140万個以上の荷物を処理することができたという。

インドネシアの物流業界は非常に細分化されており、それは企業にとってコストが高くなることを意味する。同時に、新型コロナウイルス感染流行の影響もあり電子商取引が成長したことで、配送需要は増加している。

インドネシアにはSiCepatの他にも、サプライチェーンと物流インフラの効率を高めるために資金調達を行っているスタートアップ企業がいくつかある。例えば2021年3月初めには、サプライチェーンSaaSプロバイダーのAdvoticsが275万ドル(約3億円)の資金調達ラウンドを発表した。この分野で注目すべきスタートアップとしては、他にも元Uber Asia(ウーバー・アジア)の幹部が設立したKargoや、Waresixなどがある。

SiCepatは、特にeコマースやソーシャルコマース、つまりソーシャルメディアのネットワークを通じて商品を販売する人々に焦点を当てている。Kejora CapitalのマネージングパートナーであるSebastian Togelang(セバスチャン・トゲラン)氏は声明の中で、インドネシアの電子商取引市場は過去5年間に年平均21%成長し、2025年までに820億ドル(約8兆9100億円)に達する見込みだと語っている。

「電子商取引の巨大企業から、デジタル商取引経済全体において推定25%を占めている新進気鋭のソーシャルコマースプレイヤーまで、SiCepatはあらゆる顧客にサービスを提供するのに理想的な位置にあると、私たちは信じています」とトゲラン氏は付け加えた。

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画像クレジット:Fadil Aziz / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)