SnapchatのSnapは来春にも上場へ―時価総額250億ドル(2.6兆円)以上に

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Wall Street Journalの報道によれば、Snapchatの運営会社で最近改名したSnapは上場の準備を進めているという。早ければ来年3月にも実現するかもしれない。上場時の時価総額は250億ドル(2.6兆円)以上になる見込みだ。

Snapの最近の資金調達は去る5月の18億ドルのラウンドだった。同社の1日あたりアクティブ・ユーザーは1億5000万人でリークされた文書によれば2017年には10億ドルの売上が可能だという。この文書によれば、Snapの2016年の売上は2億5000万ドルから3億5000万ドルの間と見積もられている。

Snapはこれまでにも大量の資金を調達しているが、それでもまだ十分ではないようだ。同社は新しいプロダクトをスタートさせるためにさらに資金を必要としている。Spectaclesと呼ばれるカメラ付拡張現実メガネなどのハードウェアの開発にも多額の金がかかる。Spactaclesの価格は比較的抑えられているが、ティーン層以外にもユーザーを広げようとすれば大赤字の元になる可能性がある。Snapはまた買収のための資金も必要としている。BitmojiのBitstripsの買収では「おおまかにいって1億ドル」を必要としている。

上場時の時価総額の250億ドル「以上」というのはなるほど漠然としているようだが、こうした場合の正確な数字は幹事会社が上場時の売り出し価格を決定するまで正確にはわからないのが普通だ。ただしSnapchatにはユーザー数、売上、エンゲージメントその他すべての面で急成長中のイメージがあり、その上場は市場の垂涎の的と見られている。

広告ビジネスの面からは最大のライバルは依然としてFacebookだろう。同社は当初Snapを買収しようとして失敗し、その後膨大なりソースを注いでSnapchatを打ち負かすために機能をコピーしてきた。現在でもInstagramはStoriesが1日あたりアクティブ・ユーザー1億人を獲得したことを自慢している。しかしCEOのKevin Systrom自身、StoriesはSnapchatの機能のクローンだと認めている。

Facebookと競り合っているという現状は、Snapchatが200億ドルという最近の資金調達後の会社評価額を上回る額に向けて成長中であることを投資家に納得させるに十分だろう。今年に入って成功した株式上場は大半が、もともと成功を収めている大企業の株式公開だった。Snapの上場がウォールストリートの関心を引くにはいいタイミングだ。いずれにせよ、Snapが上場すれば、ここ数年で最大の上場イベントになることは間違いない。

Snapでは「財務に関する噂や推測にはコメントしないことにしている」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

かつてSnapchatとして知られていた会社のカメラ組込サングラスに大問題―🎶 暗いところで使えない 🎶

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Snapはビデオカメラ組み込み拡張現実サングラスを発表した。ただし、問題がある。あちこちにぶつかるのが平気でないかぎり、夜は使えない。暗いコンサート会場やパーティーの撮影も無理だ。

Snapは「かつてSnapchatとして知られていた会社」だ。Princeの例に従ったかして今後はSnapと名乗るという(絵文字もPrinceスタイルに変えてはどうだろう ) ともあれ、Snapは私の取材に対して、「現在のバージョンは夜間の装着や使用を前提としていない」と確認した。カメラのレンズ自身がサングラス程度の透過性なので照度が低い環境では先が見通せないのだ。

これはSnapの拡張現実カメラが「おもちゃだ」という考え方を裏付ける。たしかにSnapのCEO、Evan Spiegelは Wall Street Journalのインタビューでガジェットを「おもちゃ」と呼んでいた。しかし「昼間の使用に限る」とは述べていないかった。

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このサングラスは130ドルでこの秋中にリリースされ、装着者の視点で1回につき10秒の円形の動画を撮影できるという。しかし撮影は昼の屋外で催されるバーベキュー・パーティーとか野外コンサートに限るのが安全らしい。

将来のバージョンはクリアレンズないし光によって色が透過度が変わるレンズを装着し、夜間や屋内の撮影も可能になるかもしれない。このデバイスはSnapchatの熱狂的なファンのティーンエージャーの人気を呼ぶかもしれない。またサングラスを使ってくれるセレブを見つければプロモーションにいっそう有利だろう。

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しかしSpecsデバイスは一部で期待されたほど画期的なテクノロジーを含んでいなかった。それでもSnapchatのユーザーが日々の生活の画像やビデオをコントロールし、共有する力を強化するる。エンジニアリングとプロダクトデザインの進化にともなって、将来のSpecsはGoogle Glassが実現に失敗したような役割、つまり、われわれが日常どこへ行くにも装着するようなデバイスになるかもしれない。

あまりにギーク的で嫌われたGoogle Glassや出来が悪かったFlipcamsとは違って、Specsを一般ユーザーに受け入れられるようなデバイスに進化させるためには、Spiegelは20億ドル以上といわれるSnapのベンチャー資金の相当部分を個人的な「おもちゃ」の改良のためにつぎ込む必要がありそうだ。

Snapサングラスカメラに関するTechCrunchの詳しい紹介記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+