データ特化クラウドのSnowflakeがIPOで約2.5兆円の評価、セールスフォースとバークシャーハサウェイも出資

Sumo LogicとJFrogによる新規申請(未訳記事)の直後に、データに特化したクラウドサービスの強みをベースに公開を目指すSnowflake(スノーフレーク)がIPOの仮条件の範囲を設定した(米証券取引委員会資料)。ユニコーンの同社にはベンチャーキャピタルが投資している。

IPOでの株価の目標は1株当たり75~85ドル(約8000~9000円)だ。同社のバリュエーションは209~237億ドル(約2兆2600億~2兆5100億円)ということになる。未公開企業としては巨額だ。同社はIPOで27億ドル(約2900億円)以上を調達する可能性がある。

Snowflakeが今年初めのシリーズGで4億7900万ドル(約510億円)相当を調達したときのバリュエーションは約125億ドル(約1兆3200億円)だった。

同社のバリュエーションには2件の私募増資が織り込まれている。よく知られたCRMプレーヤーであるSalesforce(セールスフォース)と、80~90年代の投資リターン、Cherry Coke(チェリーコーク)氏、Charlie Munger(チャーリー・マンガー)氏のユーモアで有名なBerkshire Hathaway(バークシャーハサウェイ)の両方からそれぞれ2億5000万ドル(約270億円)の出資だ。

冗談はさておき、セールスフォースがIPOに関与していることは注目に値するが衝撃的とは言えない。一方、暴力的とも言える歴史的損失を計上したBerkshireがSnowflakeの公開市場デビューに参加するのは衝撃的だ。

S-1/Aに記載された今回の建て付けは以下のとおりだ。

株式公開のクロージング直後に「同時私募増資」のセクションに記載のクロージング条件に従い、Salesforce VenturesおよびBerkshire Hathawayが私募増資により発行されるクラスA普通株式を2億5000万ドル、株式公開における公募価格と同じ1株当たり価格で引き受ける。Salesforce VenturesおよびBerkshire Hathawayは、本目論見書の表紙に記載の価格帯の中間値である1株当たり80.00ドルの想定公募価格に基づき、クラスA普通株式312万5000株を引き受ける。

さらにBerkshire Hathawayは、セカンダリートランザクションにおいてクラスA普通株式の404万2043株を株式公開のクロージング直後の公募価格と同じ1株当たりの価格で引き受けることに同意した。

2つ目の段落は、Berkshireが実際にさらに多くの株を求めた結果、合計購入価格が5億ドル(約530億円)を超える可能性があることを明らかにしている。

Snowflakeの魅力は何か。TechCrunchでは同社が申請したときに少し書いた(未訳記事)が、要は同社が著しい成長を遂げ、粗利益率が向上し、損失を劇的に削減したためだ。それらが価値あるIPOにつながり、Buffett(バフェット)氏を魅了するに至った。

いずれにせよ、ここ米国で今年最大のIPOになる可能性があり(Airbnbの状況による)非常にエキサイティングだ。

画像クレジット:dolgachov / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

データダッシュボードのスタートアップCountが約2.6億円を調達

アーリーステージの企業は、組織全体で扱うデータ量に悩まされることが多い。データが増えてくると、特にそうだ。データソフトウェア、データの混乱、データパイプラインの扱いに多額の費用がかかる。これらはすべてデータウェアハウス、クリーニングツール、視覚化プラットフォームに関わる。

Countは、オールインワンのデータプラットフォームを作ってこの問題を解決しようとしているスタートアップで、アーリーステージのチームに安価なデータパイプライン構築のためのツールを提供している。

Countはこれまでのステルスモードを終了し、240万ドル(約2億5800万円)の資金調達を発表した。この資金調達はLocalGlobeが主導し、Global Founders Capitalが参加した。同社のエンジェル投資家には、Micrrosoft(マイクロソフト)の企業戦略責任者だったCharlie Songhurst(チャーリー・ソンハースト)氏がいる。

Countは2016年に、経営コンサルタントだったOliver Hughes(オリバー・ヒューズ)氏とインペリアルカレッジの物理学者のOliver Pike(オリバー・パイク)氏が創業した。2人は、標準的なデータソフトウェアの複雑さと、業界で容認されている技術や設計上の制限のため、企業はデータドリブンの決定を下すことができないと分析していた。

発表の中でヒューズ氏は、同社が解決しようとしている問題について次のように述べている。「大きく成長しているチームは、データを管理するために複数の別々のソリューションに対して多額の投資が必要だった。そのようなソリューションを購入して実装するには1年から1年半かかる。そのため多くのスタートアップは、ツールが自分たちに合わなくなっても長期の契約に縛られる。Countはシンプルな従量課金制モデルなので、プラットフォームを無料で使い始め、チームの成長とデータの増加に伴ってその分だけ支払えばよい」。

LocalGlobeのパートナー、Remus Brett(レマス・ブレット)氏は次のように述べている。「データが極めて重要であることは多くの人が認識しているが、データを扱い、ストーリーを語るのはいまだに難しい。現在では、重要な決定をするためにデータを迅速に処理し分析することの価値は、かつてないほど大きい。Countを利用すれば、ごく初期の企業であってもデータ分析に基づいた意思決定を始められる」。

Countを利用しているTiney.coのCTO、Edd Read(エド・リード)氏は「Countによって我々はデータをすべてまとめてチーム全体の報告書を作れるようになった。同社の製品であるNotebooksを使えば、状況に応じた考察を共有し、SQLを学ばなくてもデータのクエリを利用できる」と述べている。

Countには、データウェアハウスではSnowflake、データクリーニングツールではDBT、分析プラットフォームではLookerなど、多くの競合がある。

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(翻訳:Kaori Koyama)