ERP/HCMの大手Workdayが一部のワークロードを7年契約でAWSからIBM Softlayerへ移す

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人事管理サービスの大手Workdayが、今後7年間という長期契約で、IBMのクラウドインフラプラットホームIBM Softlayerの上で同社の開発および試験サービスを提供していく、と発表した。IBMにとって、それは大きな勝利だ。

Wall Street Journalが最初にこのことを報道した

それはいろんな点で大きな契約だ。まず何よりも、7年は長い。第二に、SaaSの大手ベンダがそのワークロードの大きな部分をIBMのクラウドに移し、GoogleやMicrosoftを無視しただけでなく、AWS一辺倒をやめたことだ。

Workdayは事業のさまざまな部分をAWSで動かしているが、この部分に関してはIBMを選んだ。Constellation ResearchのアナリストR Ray Wangは、そのほかの事業も移すのではないか、と推理している。

“今回のはプロダクションワークロード(メインのワークロード)ではないが、今後もAmazonからIBMへのシフトが起きるのか、それを注目する必要がある。試験と開発を移して結果が良ければ、プロダクションも移すかもしれない”、と彼は語る。

主に人事管理中心のERPをクラウドから提供しているWorkdayは、最初HPを検討したが、しかしHPがクラウド事業から下りたため、別を探した、とWangは語る。彼によると、GoogleとMicrosoftは、最初から対象外だった。なぜならMicrosoftにはすでにクラウドとオンプレミスの両方でERPサービスDynamics ERPがあり、GoogleもいずれERPの提供を始めるかもしれない。Workdayは、将来の競合相手になりそうなところを、最初から避けたのだ、とWangは言う。

彼によると、“Workdayは競合他社の傘の下に入ることを、望まなかったのだ。しかしIBMなら、将来的にもその不安がない”。

IBMにとっては、大手のクラウドクライアントを顧客として捕まえたことは、AWSやGoogle、Microsoftなどとの競合に勝ったことを意味する。Synergy Researchの調査によると、クラウドインフラストラクチャ市場においてIBMは、Googleをわずかに凌ぎ、業界第三位である(下図…第五位は“これらに次ぐ20社計”)。

しかしGartnerの最近の調査報告によると、IBMはこんな良い位置にはつけていない。が、いずれにしても、今回の契約がIBMにとって良いニュースであることは、確かだ。

Workdayはプレスリリースで今回の契約を発表しただけで、それ以上のコメントはない。IBMも、本誌からのコメントのリクエストに応えていない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))