1か月前にDockerとLinux Foundationが、Dockerのデベロッパカンファレンスで、 Open Container Projectを発表した(日本語)。今それはOpen Container Initiative(OCI)と呼ばれ、Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinが今朝(米国時間7/22)のOSCONで、このプロジェクトが急速に成長している、と述べた。新たに14の企業が参加しただけでなく、今ではOCIという組織の定款も作ろうとしている。
このイニシアチブを支える新たなパートナーはAT&TとClusterHQ、Datera、Kismatic、Kyup、Midokura、Nutanix、Oracle、Polyverse、Resin.io、Sysdig、SUSE、Twitter、そして本誌TechCrunchの新しいオーナーであるVerizonらで、彼らと創立時のメンバーAmazon、Microsoft、CoreOS、Docker、Intel、Mesosphere、Red Hatらが協働して、Dockerコンテナの今後の仕様等をガイドし、コンテナの共通スタンダードの確立を目指していく。
Dockerの企業マーケティング担当VP David Messinaによれば、今のOCIのメンバーは大と小がバランスよく入り混じっていて理想的な形だ。とくにOracleが参加したことにより、今後はSolarisの上のコンテナに関する活発なフィードバックが得られるようになるだろう。もちろん、Sun Microsystemなきあとは、OracleがSolarisの最大の経験者だ。またこれまでよりも多くのディストリビューションやモニタリング企業、そして大企業が加わったことによって、最終的に良質なプロダクトが作られるものと期待される。それは、各社それぞれの専門知識や技能の、寄与貢献が期待されるからだ。
“Open Container Initiativeには熱い関心が寄せられており、そのことは、コンテナがアプリケーション開発に提供する機会と、他方では規格や実装の多様化と分裂という危機の可能性、その両方を表している”、とLinux FoundationのJim Zemlinが今日の声明文の中で述べている。“強力なコミュニティサポートとコラボレーションにより、この取り組みが機会の方の比重を高めていくことを、確信している”。
DockerのエンジニアPatrick Chanezonによると、定款はなるべく軽量なものにしたい、という。今後問題が起きれば技術監視委員会で解決できるし、また今後の(規格準拠)証明交付事業では商標委員会が活躍するだろう、と。
今はコンテナのエコシステムがこれほどまでに急成長しているから、コンテナそのものと一部の関連ツールに関して標準化の声が高まるのも当然だ。またそれがなければ、コンテナの今後のポータビリティもおぼつかない。昨日(米国時間7/21)発表された(日本語)Cloud Native Computing Foundation(CNCF)によりLinux Foundationには、もうひとつのメジャーなコンテナ関連のオープンソースプロジェクトが加わったことになる。こちらはGoogleのコンテナ管理とスケジューリングのツールKubernetesに関連する組織だ。
しかしなぜ、Open Container ProjectがOpen Container Initiativeになったのか? ZemlinはOSCONのキーノートで、Open Compute Projectと紛らわしいから名前をすこし変えた、と述べた。