Sony Corporationが今日(米国時間1/26)、Altair Semiconductorを2億1200万ドルで買収する、と発表した。元Texas Instrumentの役員三人がイスラエルで創業したAltairは、デバイスをLTEに接続するためのチップを作っていて、その技術はSonyの物のインターネット(IoT)ビジネスの開発を助ける。
LTEはスマートフォンだけでなく、フィットネストラッカーや家電など家庭用品、センサーなど、IoTのオブジェクトを接続するのにも使われる。今は電脳製品の多くがBluetoothやWi-Fiでネットに接続する場合が多く、それはどちらも、大量の電力を要しないからだ。LTEも低電力消費である点は同じだが、多くのデバイスを一度に接続できるので、企業で使うのに向いている。またLTEによるIoTデバイスの接続はキャリアのネットワークなどがすでに持っているインフラを使えるので、展開の費用対効果も大きい。
IoTにセルラーの技術を使おうとしている企業はほかにもあり、Altair買収によりSonyはそれらの企業と競合することになる。たとえばIntel, EricssonおよびNokiaはNarrow Band-LTE(NB-LTE)と呼ばれる技術で協働しているが、一方それによってHuaweiやVodafoneのNarrow-Band Cellular IoT(NB-CIoT)と競合している。
声明文の中でSonyは、Altairの現行の事業は継続し、そのほかにSonyのGlobal Navigation Satellite System(GNSS)や画像センサーとAltairの現代的なチップを組み合わせて、“セルラ接続のセンサー応用デバイスの新種を開発”していきたい、と言っている。
買収の完了は来月初頭と期待され、Sonyによると、それは2016年の同社の財務的結果に大きな影響を及ぼすことはない、という。