9番目の惑星の存在を示す証拠が発見された

nine-planet-3

カリフォルニア工科大学(Caltech)の天文学者2人が、太陽系に9番目の惑星が存在する証拠を発見した。確認されれば、われわれの知る太陽系のモデルを変えるものになるかもしれない。

提唱された惑星はまだ直接画像化されていないが、他の既体物体に対する重力の影響から、天文学者はその存在を検知し、性質を特定することができる。

Illustration of Planet Nine which is thought to be gaseous, like Uranus and Neptune. / Image courtesy of Caltech/R. Hurt (IPAC)

プラネットナインのイラスト。ガス状で天王星や海王星に似ていると考えられる。/画像提供:Caltech/R. Hurt (IPAC)

天文学者らがプラネットナイン[Planet Nine]と呼ぶこの天体は、質量が地球の約10倍で、直径は地球の2~4倍である。その大きさは、太陽系で5番目に大きい惑星に相当する。

この惑星が独特なのは、その大きく引き延ばされた軌道が、太陽系の他の惑星とは異なる方向に「面して」いることだ。軌道は非常に長く、プラネットナインが太陽を一周するには1万年から2万年かかるだろう。

発見者の一人である天文学者のMike Brownは、冥王星を惑星から格下げする証拠を提供した「冥王星キラー」として知られている人物であるのが興味深い。

Brownによると、新惑星の質量は冥王星の約5000倍だという。冥王星とは異なり、プラネットナインの重力影響は極めて強く、惑星として分類することに疑問の余地はない。

//platform.twitter.com/widgets.js

この謎の惑星の発見までには何年もの時を要した。Caltechの天文学者、BrownとKonstantin Batyginは、他の学者らによる以前の業績に基づいて研究を進めた。

2014年、2人の天文学者、Chad TrujilloとScott Shepherdは、10以上の「カイパー・ベルト」天体がいずれも奇妙な特徴のある軌道を持つことを指摘する論文を発表した。極めて大きい重力を持つ何かが、これらの天体の軌道をわずかに「ずらして」ように見えた。カイパー・ベルトは氷状物質からなる円盤状の領域であり、冥王星等の準惑星を擁し、主要な太陽系惑星の領域外まで伸びている。

Kuiper Belt location / Image courtesy of NASA

カイパー・ベルトの位置/画像提供:NASA

これらの軌道を説明するために、TrujilloとShepherdは、惑星の存在を示唆していた。

BrownとBatyginはこの説明に懐疑的だった。天文学者が説明できない何かを見つけた時、「エイリアン」がありえない可能性であるのと同じように、軌道の不規則性が発見された時、新惑星はありえない可能性である。

これを踏まえ、BrownとBatyginはその惑星理論の反証に取りかかった。2人の天文学者は1年半をかけてカイパー・ベルト天体の軌道異常を調査し、別の説明の提唱、検証を試みた。彼らは大量の未発見カイパー・ベルト天体の存在までもほのめかしたが、それは現在のカイパー・ベルトの総質量の証拠と一致しなかった。

他に理にかなう説明が見つからない中、ふたりは「非整列」軌道を持つ大惑星というアイデアを試みた。太陽に最接近する位置が、他の8惑星と正反対に位置する軌道だ。当初、この種の軌道はありえないと思われていた。

Orbits of the 6 most distant known solar system objects compared to Planet Nine orbit / Image courtesy of Caltech/ R. Hurt (IPAC)

太陽系天体で最も遠い6つの軌道とプラネットナイン軌道の比較/画像提供:Caltech/ R. Hurt (IPAC)

「この理論への自然な反応は『この軌道幾何学はあり得ない。長時間安定することはできない、なぜならこれによって惑星とこれらの物体は接近し最終的には衝突するからだ』」と、Batyginは言った

しかしBrownとBatyginは、すべての軌道が正しく整列して衝突を防いでいることを発見した。時間と共に、ふたりの学者はプラネットナイン理論への確信を深めていった。

「優れた理論とは、説明しようとした物事を説明するだけで十分ではない。説明するつもりのなかった物事を説明し、検証可能な予想を立てられるべきだ」とBatyginは言った。

実際、不規則軌道を持つ既知の天体は、プラネットナインのシミュレーションと完璧に一致した。

プラネットナインの存在を確認する次のステップは直接画像を撮ることだ。難しいのは、ふたりは惑星の軌道は予言したが、惑星が軌道の〈どこ〉にあるかは知らないことだ。その位置によっては、これまでの天空探査では隠れていた可能性がある。見つからなければ、これは世界最大の望遠鏡の仕事になるだろう。

「是非自分で見つけたい」とBrownは言った。「しかし、他の誰かが見つけてもこの上なく嬉しい。それがこの論文を発表した理由だ。多くの人々がこれに刺激を受け、探し始めることを願っている」

今日の大きな発表を終え、次の競争は太陽系で最も新しい惑星の画像を誰が最初に撮るかになった。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SolarCityがモジュールのレベルで効率22%のソーラーパネルを開発、低収入世帯へのソーラー導入を事業化

3718981746_cfee0a0fb3_b

ソーラーパネルは魅力的だ。クリーンで安価な再生エネルギー、原料は大量に降り注ぐ太陽光だ。しかし太陽エネルギーを取り出す技術はいまだに単位が平方フィートで語られ、パネルに依存する。

Elon MuskのいとこのLyndonとPeter Rive兄弟が創業したSolarCityは今日(米国時間10/2)、世界でもっとも効率の良いソーラーパネルを作った、と発表した。モジュールのレベルで、22%という効率だ。ライバル社SunPowerのX-Seriesパネルが、やはりモジュールレベルで21.5%だ。

Y Combinator出身のソーラー設営企業Brightも、SolarCityのパネルの効率が22%であることを認め、パネルになってからも最高効率だろう、と言う。少なくとも見かけ的には。

しかしBrightのファウンダJonah Greenbergerはこう語る: “でもGaAsなどの高価な素材を使えば、効率は40%を超える”。

SolarCityはその新しいパネルを同社独自の工程で作り、同社によるとそれは、パネルの性能をアップするだけでなく、他の高効率技術に比べて製造コストが大幅に低いので、既存のパネルに比べると発電量は30〜40%多いという。

また廃棄物の量も少ないので、結果的にメーカーと消費者の双方にとって低コストとなり、トータルでのコストパフォーマンスが優れている、と同社は主張する。費用効率では、SolarCityが現状ではダントツだそうだ。

SolarCityがテストをしてもらったのは、独立機関Renewable Energy Test Centerだ。ここは、ソーラーパネル製品の性能を認定している試験機関だ。

このパネルは最初、ビルの屋上やカーポートに設置し、その後、一般的な商用展開を考えている。

SolarCityの計画では、今月、カリフォルニア州Fremontにある100MWのパイロット工場で新しいモジュールを小ロットで作る。その後、パネルの製造をニューヨーク州Buffaloの1GWの工場で行う。そこではフル生産で、一日のパネル製造量が9000〜10000枚程度になるだろう、という。

同社は最近、太陽エネルギーを低収入世帯へ、というキャンペーンを立ち上げた。パネル設置企業Everyday EnergyとパートナーしたSolarCityは、庶民向けの宅地住宅企業の協力を得て、カリフォルニア州に同社のソーラーシステムを設置していきたい意向だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa