日々増加し分散して存在するマーケティングデータを集約するSupermetricsが50億円を調達

マーケティング担当者向けのデータ管理および分析ツールを提供するフィンランドのSupermetrics(スーパーメトリクス)が、4000万ユーロ(約50億円)の新規資金を調達した。

ラウンドを主導したのはHighland Europeで、IVPもラウンドに参加した。調達された資金は高い利益率を誇る同社によって、マーケティング業界へのデータウェアハウジングの導入といったさらなる拡大のために使用される。

Supermetricsは、2013年にMikael Thuneberg(ミカエル・チューネバーグ)氏によって設立されたSaaSで、マーケティング担当者たちがさまざまなデータを、自分の選択したデータ処理およびレポートツールと互換性のある「すぐに使用できる形式」に編集する手助けをしてくれるサービスだ。ここでのアイデアは、さまざまな種類の異なるマーケティングデータに対して統一されたビューを提供することで、何が実行されて何が実行されていないかを、マーケティングチームや他の利害関係者が確認できるようにすることだ。それによって担当者たちは軌道修正をしたり戦略強化を行ったりすることができる。

Supermetricsはエンジニアではないユーザーでも使用できるよう設計されており、会社のIT資産に別のコードベースを追加する必要はない。

「問題はマーケティングチームが扱わなければならないデータ量が増加していることと、データがますます多くのプラットフォーム、チャネルおよびツールに分散しているということです」とチューネバーグ氏は語る。「マーケティング活動全体を包括的に把握することは困難になり、すべてのデータを管理することは大変な作業になっています。多くのマーケティング担当者は、コピー&ペーストなどの手作業に頼ってデータを収集しレポートを更新しています。それは時間がかかり、間違いも起こりやすく、退屈です」。

こうした作業を改善するために、Supermetricsは70以上のマーケティングデータソースからGoogleスプレッドシート、Googleデータスタジオ、Excel、データウェアハウスそしてさまざまなビジネスインテリジェンスツールなどへのデータ転送を自動化する。

「私たちが開発しているツールは、自動化されたデータ転送でその苦痛を取り除き、マーケティング担当者が統合されたデータから貴重な洞察を引き出すことを助けるのです」とチューネバーグ氏はいう。「Supermetricsの利用は非常に簡単ですし、数回クリックするだけで使い始めることができます。面倒なセットアップ作業は必要ありません。私たちは、誰もが関連データを手に入れて、それを使用して仕事をよりよく行うことができるようになるべきだと考えています」。

さらに、約1年前にSupermetricsは「Supermetrics for BigQuery」プロダクトを発表することによって、データウェアハウスの提供へと踏み出した。「多くのお客様は、管理する必要のあるデータの量に苦労していますが、データウェアハウスをセットアップすれば、多くの問題を解決することができます。私たちはそれをすべてのマーケティングチームから、よりアクセスしやすく、使いやすいものにしたいと考えました。Supermetricsを使用してマーケティングデータウェアハウスをセットアップするには、少しだけ技術的なノウハウが必要ですが、私たちは自分たちの哲学を忠実に守り、それを可能な限りシンプルで簡単なものにしています」。

現在Supermetricsは、Fortune 500企業からマーケティング代理店まで、1万4000を超えるクライアントを抱えていることを明らかにしている。同社は「非常に収益性が高い」ことを主張し、一貫して30%以上の利益率を達成していると公表している。顧客には、Nestle(ネスレ)、Warner Brothers(ワーナー・ブラザース)、L’Oreal(ロレアル)、Hubspot(ハブスポット)、iProspect(アイプロスペクト)といった企業が名前を連ねている。

チューネバーグ氏は、Supermetricsの主な競合相手としてFunnel.io(ファネルio)、Adverity(アドバリティ)、Fivetran(ファイブトラン)、Stitch(スティッチ)、Talend(テレンド)の一部などを挙げている。「マーケティングデータの断片化という同様の一般的な問題に取り組んでいる、たくさんの小規模な企業もあります」と彼は付け加えた。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Supermetrics 資金調達

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(翻訳:sako)