FBIが刺青追跡システムを開発中。プライバシー擁護団体が反発

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

2014年に米国標準技術局(NIST)の画像部門はFBIの協力を得て、刺青認識技術を開発した。その初期作業の一環として、認識アルゴリズム開発のために、1万5000件の刺青画像のデータベースを構築した。

これは、共通性に基づいて個人を追跡しようという概念であり、それは、NISTによると、刺青が「ギャング、サブカルチャー、宗教、儀式的信仰、あるいは政治的イデオロギーとの関連を示唆すると共に、知性、メッセージ、意味、および動機を含んでいる」ためである。

why_tattoos_slide

これは、EFFが強く懸念している理由の一つであり、「表現の自由、宗教の自由、および結社の自由」に関わる影響を恐れているためだ。同団体のもう一つの主要な関心事は、どのように情報が収集されるかだ。現在集まっている画像は、「その多く、あるいは殆どが囚人から集められたものだ」とEFFは言っている。

NISTは画像10万件以上のデータベース構築を目指していることから、プログラムの対象範囲は急速に広がることが予想される。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ARを活用し、タトゥーの様子を事前に確認できるInkHunter

screen-shot-2016-04-06-at-1-35-47-pm

タトゥーを入れようかどうしようかと悩み続けているのなら、AR機能を備えたInkHunterを試してみると良いかもしれない。どこにどんなタトゥーを入れるかを、後で後悔する可能性をゼロに近づけつつ試してみるためのアプリケーションだ。勢いで唸り声をあげる狼の顔を掘ってしまい、冷静になって後悔するようなことが少なくなるかもしれない(記事末の写真参照)。

アプリケーションには、複数のタトゥーアーティストによる作品サンプルも登録されている。それらの作品を、アプリケーションで実現されたAR機能を使い、リアルタイムに自分の身体の上で試してみることができるのだ。

また自分で作成したタトゥーデザインをアプリケーションに読み込ませ、自分自身の身体の上に生涯にわたってほり込んでおくのにふさわしい作品ができたかどうかを確認してみることもできる。

InkHunter

アプリケーションを使うにあたっては、タトゥーを入れようと考えている場所に、ペンでマークを記す必要がある。マークは絵文字のスマイリーに似た感じだ。使いたいタトゥーを選んでマークした部分の写真を撮ると、マークの部分に選択したタトゥーが写し出されるわけだ。ARの活用事例として、なかなか面白いアイデアだといえそうだ(さらにまた、少なくとも実用性の面ではたいていのVRコンテンツよりも面白みを感じるものだと思う)。

撮影したARタトゥー写真は、あとで参考にしたり、友人とシェアして意見を求めることなどができる。簡単な編集機能を実現するためにフィルターも実装されている(たとえばタトゥーを馴染んだ感じにするブラーフィルターなど)。肌に馴染んできた数年後の見え方などを感じ取ることができそうだ(時が経てば輪郭線などもぼやけてくる。そのような状況をフィルターを使って確認することができるわけだ)。

開発したのはウクライナのエンジニアたちだ。2014年7月に行われた48時間ハッカソンで思いついたアイデアをもとにプロダクトを産みだしたのだそうだ。ハッカソンに参加したメンバーのうち2名が、アイデアをより発展させていこうと決意し、コードを再度練り直し、2週間ほど前にアプリケーションが完成したのだそうだ。そのような事情もあるので、まだ洗練されていない部分もある。ARで撮影されるタトゥーの位置がずれてしまうこともあるようだ。ただこのタトゥーはあくまでも本番のものではないわけで、少々のズレも大した問題にならないとも言える。

CTOのPavlo Razumovskyiが言うように、パフォーマンス改善のためのARアルゴリズムの改良も望まれるところだ。「最新版では、ARタトゥーの表示位置の調整を行ったつもりです。ただし明るさや影の具合、あるいは皮膚上の血管の様子などによってずれることがあるので、それを改善したいと考えています。より正確なポジションに、目的通りの形でタトゥーを表示できるように精度を上げているところです」とのこと。

自作スケッチを登録する仕組みもより高度にして、たとえば必要のない写真やスケッチの削除機能も備えようとしているところだとのこと(今のところは一度登録したものを削除したりすることもできないのだ。改善の余地がまだかなり多いことを示している)。登録画像の閲覧性をあげたり、検索したりする機能も実現したいとのこと。

アプリケーションは無料でダウンロードして使用することができる。ただし、アプリケーション内の作品を試用すると、その作品アーティストのものの購入をかなり強くすすめられることにはなる。作品販売の一部を得ることでマネタイズを行おうとしているわけだ。ただし、タトゥーを入れる人は自分独自のデザインを使いたいと考える傾向もあるので、将来的にはオリジナル作品のオーダープラットフォームとして提供したいという考えももっているようだ。

「タトゥーアーティストが利用者と出会う場を提供したいのです」とRazumovskyiは言っている。「タトゥーを入れてみようと考えた人が私たちのアプリケーションを使って、満足のいく作品を手に(身体に)入れて、作品を提供するアーティストともども満足する舞台を整えたいと考えているのです」。そうした仕組みを提供するための機能も開発中なのだそうだ。

IMG_1108

「ビジネスモデルについても、まだ考え始めたばかりです。まずはタトゥーデザインを依頼する際の5%ないし10%ほどをマージンとしてもらうことを考えています。また掲載作品に対するクリック単価を請求するという方法もあるかもしれません。いずれにせよ、詳細はこれから考えていきたいと考えているところなのです」。

タトゥーを入れることが一般的となっている昨今、InkHunterのようなアプリケーションには確かにニーズがあることだろう。ただし、サービスを広めるためにはより多くのタトゥーアーティストの協力を仰ぐことが必要だろう。これはRazumovskyiたちも理解しているところで、次の版のリリースまでには、提携するタトゥーアーティストを50名にしたいと考えているようだ。そうなるならば、同時にアートギャラリーの閲覧性の向上も必須となる。

なかなか素敵なタトゥーもあり、ARでいろいろと試してみるのも確かに面白い。ただし個人的には、実際のタトゥーをいれるかどうかについては、もう少し考えてからということにしたい。

InkHunter

原文へ

(翻訳:Maeda, H