Oculus RiftヘッドセットとThalmicのMyoアームバンド・コントローラーが接続されたらゲームはすごいことになる

完全没入型VRゲームが実現する日は意外に近いかもしれない。Oculus Riftはその方向への大きな一歩だが、ThalmicのMyoは理想的なパートナーとなるかもしれない。Myoはユーザーが手と腕でジェスチャーするとその筋電位を読み取って接続されたデバイスをコントロールするアームバンドだ。

Oculus Riftの仮想現実ヘッドセットは装着者の頭の位置を読み取ってディスプレイに表示される内容を動かす。最新モデルでは上下左右を見回せるだけでなく前後の動きによってズームイン、ズームアウトができるようになった。しかしミサイルの発射などの操作には依然として専用の物理的コントローラーを使う必要がある。これはやはり現実感を多少なりと損なう。たとえば目の前にハシゴがあっても手を伸ばしてつかむことはできないし、手で銃の狙いをつけることもできない。

そこでOculus RiftとMyoアームバンドが連携すれば理想的だということをまずベンチャーキャピタリストが気づいた。もっともSpark Capitalは双方の会社に投資しているのでこのアイディアを得たのは偶然ではない。事情に詳しい情報源の話によれば、Sparkが両社に投資を決めたのは両デバイスの連携の可能性を考えたからだという。Thalmic自身はこのアームバンドを一般的な入力デバイスとして広くマーケティングしていきたいと考えているが、投資家としてはまずゲーム分野に進出して利益を確保することを望んでいるという。

実際、Oculus/Myoの提携は単なる噂ではない。Myoのファウンダー、CEOのStephen Lakeはわれわれの取材に対してメールで「(Riftとの)接続システムを開発中だ」と確認した。

Oculus Riftの成功のカギの少なくとも一つは、ゲームのキャラクターと仮想現実の相互作用をいかに現実的にシミュレーションできるかにかかっている。一方、Myoが離陸するためにはこのデバイスが役立つことを十分な数の消費者が納得するような応用分野をまず発見する必要がある。つまりRiftとMyoはまさに似合いのカップルだ。この結婚から何が生まれるか大いに楽しみだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


汎用デバイスコントローラMYOアームバンド, 死活を握るデベロッパコミュニティの育成に乗り出す

Thalmic Labsが今日(米国時間7/3)、MYOアームバンド(腕輪)のデベロッパ対応事業を発表した。デベロッパ専用のポータルができたので、関心のあるデベロッパはそこでフォームに記入して登録する。フォームの内容は、Thalmicが今後のパートナー選びの参考のために利用する。APIのアクセスなどで初期的な制約はあるが、正規のパートナーとなったデベロッパにはこの夏に、MYOの試作品が進呈される。

また、これまで消費者向けの予約ページでMYOを予約していたデベロッパには今後、製品が優先的に配布される。また、優れたMYOアプリケーションのアイデアを提供したデベロッパには、優先的にデベロッパプラットホームを使わせ、ハードウェアの発売日までにそのアプリケーションが完成しているように努力する。それはもちろん、MYOの製品としての評価やイメージを、アプリケーションの充実によって発売初日から高めるためだ。

なにしろMYOの成功の鍵を握るのは、なんといってもデベロッパの関心と参加だ。あのセンサー満載の腕輪だけがあっても、用途が分からなくてアプリケーションもなければ、誰も買わない。多様な用途アイデアを求めるために同社は最近、#ifihadMYOと題するTwitter上のコンテストを開始した。要するにこの腕輪は、腕の筋肉の動きを電気的に感知して、その信号で何かをコントロールするのだが、何をどうコントロールするか、というかんじんのアプリケーション(application, 応用)が問題なのだ。

Thalmicは、この製品には無限に多様な用途があると信じて、いろんな業界に売り込みをかけている。消費者がこの腕輪を理解しただけではだめで、実際に欲しくなるためには、単一のデバイス(等)に結びついた単一の用途ではなく、“これを使っていろんなものをコントロールできる”という多用途性が実現しなければならない。それでなければ、標準価格149ドルに相当する価値は感じられない。しかも、大きな腕輪を腕のやや上の方にはめることを、消費者が不便・面倒と感じたら、そこで商品生命は生まれる前から終わりだ。よっぽど便利な、または重要なアプリケーションがないかぎり、たとえばコンピュータを使うときなどは、腕から外してしまうだろう。

Thalmicは大枚1450万ドルのシリーズAを終えたばかりだが、今重要なのはお金よりもデベロッパの関心と興味と参加だ。もちろん製品をめでたく発売にこぎ着けることも重要。今回ローンチしたデベロッパ対応事業により、MYOの価値を高めるデベロッパたちのエコシステムが育成されることを、祈りたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))