数週間前から流れていた噂どおり、ザ・ ビートルズの公式ウェブサイトはバンドの全楽曲がApple Music、Spotifyなどすべてのストリーミング・サービスに開放されたことをことを確認した。現地時間のクリスマスイブ(米国時間12/23)の開始と同時に配信が始まる〔日本版:日本でもすでに公開されている〕。
今回の決定は、タイミングからしても最高のクリスマスプレゼントとなった。また、これまでストリーミング配信に懐疑的だったアーティストの動きとしてもきわめて大きなものだ。
実はビートルズがiTunes Storeでデジタル版の楽曲を販売するようになるにも何年という年月を必要とした。ビートルズのアルバムがiTunes Storeに登場したのは、数限りない噂の果て、やっと2010年になってからのことだ。これはデジタル音楽のプラットフォームを提供するApple Inc.と高名なバンドの全楽曲を管理するApple Corpsとの粘り強い交渉の末だった。ユーザーが自由に個々の楽曲を聞けると同時にそこから得られる収入を双方のAppleにとって最高にする仕組みを作ることは容易な仕事ではなかったようだ。
ストリーミング配信についても同様の困難があり、著作権者側から見れば、Apple Musicの取り分が不当に大きいと考えられてきた。しかし最近Apple Corpsはビートルズのアルバムをそろそろストリーミングで公開する時期だと考え直したものと思われる。
リマスターされたスタジオ録音アルバム13種類、スペシャル・コレクションが4種類が現地時間のクリスマスイブの午前12時1分から世界各国で公開される。Apple Music、Spotify、Google Play、Amazon Music、Deezer、Tidal、Slacker、Groove、Rhapsodyはすべてビートルズの曲をフィーチャーする。
今年、一部のアーティストはストリーミング配信に参加しないことを強い言葉で述べた。中でもテイラー・スウィフトがApple Musicなどのビジネスモデルに反発して「ストリーミング・サービス提供者はレーベルやアーティストに十分な支払いをしていない」と批判したのは大いに目立つ行動となった。 スウィフトは当初、新アルバム『1989』をストリーミングに登録しなかったが、複雑な交渉の後、『1989』はApple Musicに復帰した。
さらにその後になるが、英国の歌手アデルは最新アルバム『25』をストリーミング配信することを拒絶している。トム・ヨークなど、何年も前からストリーミング配信では聞くことのできない他のアーティスもかなりの数存在する。
画像: AP Photo
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)