Tier Mobilityはスクーターとキックスクーターのサービスを運営している。さらに同社は、現在は運営を停止しているスクーター(モペッド、ペダル付き原動機付自転車)サービスを提供していたCoupから資産を入手した。Coupは昨年末にサービスを停止したが、Tier Mobilityはこれを引き継いで独自のシェアモペッドサービスを始める計画だ。
念のために言っておくと、Coupは運営を終えているがそのモペッドは引き継がれる。今回の契約の一環として、Tier Mobilityは現在約5千台の電動モペッドと充電インフラを保有する。同社は5月にベルリンで独自のモペッドサービスを開始する予定だ。モペッドとキックボードのサービスは、Tierアプリから利用できる。
Coupは台湾の電動スクーターのGogoroと提携していた。将来的には塗装が新しくなるだけで、同じモペッドにアクセスできることが期待できる。「電動スクーターでは貴重な経験を積んできたが、電動モペッドの分野でもそれを有効に活用できるようになった。多くの顧客は、4〜10kmの中程度の距離を移動する、もう少し高速な車両を求めている。今後は彼らに、高品質な車両を提供できる」と、Tier Mobilityの共同創設者でCEOのLawrence Leuschner(ローレンス・ロイシュナー)氏は声明で述べた。
Coupは閉鎖前には、ベルリンやパリ、マドリードで運営していた。Tier Mobilityがこれらの都市でも、電動モペッドのサービスを開始しようとしているかどうかは不明だ。Tier Mobilityは現在、11カ国の55都市で事業を展開しており、ヨーロッパに注力している。なお、同社はベルリンを拠点としている。
Tier Mobilityがどのようにして顧客に電動モペッドのサービス料金を請求するのかは興味深い。なぜなら、ユニットエコノミクスがCoupの大きな問題だったからだ。Coupは閉鎖の際に、「自社はこの市場ではよく知られたブランドであり、定期的にサービスを利用する顧客基盤を持っているにもかかわらず、長期的な運営は経済的に不可能になった」と述べている。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)