Driving Curveは、何ら新たなデバイスなどを追加することなく、ドライブパフォーマンスを測定することができるアプリケーションだ。現在はiOS版が提供されている。
Automaticや、Y Combinatorを卒業してTechstarsが支援しているDashなどでは、独自のハードウェアをスマートフォンと連携させてデータを取得する仕組みになっている。またBluetooth対応デバイスをハンドル下部に取り付けるタイプのものもある。
一方でDriving Curveの方は「シンプルさ」を強みに勝負に挑む。自分のドライブパフォーマンスに興味はあっても、複雑なデバイスを使うのはごめんだと感じている人は多い。
「必要なのはスマートフォンだけです。導入障壁を著しく下げることで、より多くの人に使ってもらうことを心がけました」と、Duoyuan Chenとともにアプリケーションを開発したTim Huangは言う。「細かなマシンデータを採取するのではなく、人の振る舞いを数値化することに注力したのです」。
使い方も簡単だ。運転を始める際にスタートボタンを押す。するとGPS衛星やiPhoneの加速度計を利用してスピードなどの測定を行う。
そして目的地に到着すればストップボタンを押す。するとドライブ中の加速やブレーキングの様子、燃費効率、移動距離などを教えてくれる。
Driving Curveは現在台北にて展開されているTMIのインキュベーションプログラムに参加している。このプログラムには、最近500 Startupsにも参加してインタラクティブなおもちゃを開発しているRoam and Wanderや、Techstars Seattleが支援するCodementorなども参加している。
Driving Curveは、今のところマネタイズモデルを構築できないではいる。しかし広く普及しているスマートフォンのみを利用することで多くのデータを集めることができ、そのデータをうまく活用していく方向でマネタイズの方向性を探っている。
他にも追加デバイスを必要としないものとして、Confused.comのMotorMateやAviva Driveなどがある。これらは双方ともに自動車保険と連携したディスカウントサービスを提供している。
Driving Curveは、自動車保険会社、タクシー会社、あるいはデリバリーサービスなどで利用して、運転手の状況を管理する用途にも利用できるだろう。但し、主要な用途と考えているのはやはり個人で、そのためにゲーム要素なども加えられている。
たとえば他のドライバーよりも安全な運転をしていればポイントやバッジをを手に入れることができる。一方でレベルの低い運転をしていると、改善ポイントのアドバイスの前に、「銀行強盗のような運転だ」などと批判されることになる。
筆者自身では運転しないため、台北およびソウルでタクシーに乗りながらDriving Curveを使ってみた。その結果、速度や距離は正しく測定されているようだった。しかし、さほどスピードを出していたわけではないのだが、「スピードニンジャ」のような運転だとする警告が出たことがある。このときはラッシュに巻き込まれていて、何度もブレーキを踏む必要があったことが理由だろう。
Driving Curveは、GPSを利用したチェックイン機能を使うので、利用中はインターネットに接続している必要がある。しかしスマートフォンだけで種々の測定ができるのはやはり手軽であり、そこに魅力を感じる人は多くいることだろう。またタクシーやライドシェア(相乗り)サービスを頻繁に使う人にも便利かもしれない。Driving Curveを使えば、運転の安全性だけでなく、ルート選択の適切さを確認することもできるからだ。
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(翻訳:Maeda, H)