ここ数年Adobeは、インターネット上の広告の効果測定や管理を改善する方法を模索していた。今日(米国時間3/20)同社は、ラスベガスで行われたAdobe Summitで、企業やアドバタイザーズがさまざまなチャネルに広告を掲載していく場合の費用を最適化するための、Advertising Cloudと名付けたプラットホームを立ち上げた。
AdobeはAdvertising Cloudの前段階として、Marketing Cloudをローンチしている。2009年のOmnitureの買収を契機として、同社は製品ラインに、数々のアナリティクスやメディア最適化、コンテンツ管理、などの機能を加えてきた。
さらに数か月前には、Adobeはビデオ広告のTubeMogulを買収した。この買い物で同社には、ビデオ広告や、あるいはリニアTV(の広告)すら、管理できるようになった。
Advertising Cloudの主な中身は、これらの機能をまとめたもので、アドバタイザーズや企業が単一のダッシュボードから、検索広告やディスプレイ広告、ソーシャルチャネルやビデオチャネル等への広告費支出を、管理し最適化できるようになる。
広告の世界はますます断片化しているから、広告キャンペーンの効果などを正しく評価できるためには統一的総合的な視野が必要だ。Adobeは、これまでなかった、そんな視野を提供しようとしている。いろんなマーケティングチャネルの多点観測ではなく、複数のチャネルにまたがるクロスチャネルなサポートを、Adobeは提供しようとしているのだ。
TubemogulのCEOで今ではAdobe Advertising Cloud担当VP兼ゼネラルマネージャーのBrett Wilsonによると、クロスチャネルなサポートによりアドバタイザーズは、Google, Facebook, Twitter, Snapのビデオ広告、リニアTVなどなどのスペースを総合的にまとめて一度に買えるようになる。
また、複数のチャネルにまたがる支出を最適化できるだけでなく、広告そのものの最適化もできる、とAdobeは考えている。具体的には、同社のCreative Cloudの動的なクリエイティブ最適化プロダクトにより、個人化された広告を作れる、と言うのだ。
すでにAllstate, Ford, Liberty Mutual, MGM, Southwest Airlinesなどの企業が、このプラットホームを利用して年間35億ドルの広告費支出を管理している。しかしテレビ広告が加わったことによって、さらに大きな機会が前方に見えてきた、と言える。