パーデュー大学とバージニア大学が開発した、“小さな薄膜状の電子回路は、物の表面に貼ったり剥がしたりできる”。それは、目立たない(unobtrusive)物のインターネット(IoT)を作るための第一歩だ。そのはがせるステッカーは物の表面の全面に貼ることができ、センサーやワイヤレス通信システムとして利用できる。
これらのステッカーと従来のソリューション〔薄膜トランジスタなど〕との最大の違いは、シリコンウェハーを使わずに製造できることだ。回路全体をステッカーに転写できるので、かさばるパッケージは要らないし、回路は必要に応じて剥がしたりまた貼ったりできる。
パーデューのChi Hwan Lee助教授は語る: “たとえばセンサーを作ってドローンに貼り、事故現場などの危険なガス漏れを検出させることができる”。プレスリリースは、こう言っている:
ニッケルのような延性のある金属を電子回路薄膜とシリコンウェハーの間に挿入すると、水中でも剥がすことができる。これらの薄膜状電子回路は、切って整形し、どんな表面にも貼れるので、物に電子的機能を持たせられる。
たとえばステッカーを植木鉢に貼れば、植物の生長を左右する温度変化をセンスできる。
回路の“プリント”は、回路をまずウエファ上にエッチングし、そしてその上に薄膜を置く。すると、少量の水を使って薄膜をはがすことができ、それをステッカーとして利用できる。彼らはこれらの知見を、Proceedings of the National Academy of Sciences(全米科学アカデミー会報)に発表した。