決済カードネットワークのVisa(ビザ)は、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン基盤のステーブルコインであるUSDC(USD Coin、USDコイン)による決済を認める方針を発表した。Crypto.comは、自社のVisaブランドのカードでこの新機能をテストした最初の企業となった。
USDCはCircle(サークル)とCoinbase(コインベース)が共同で設立したステーブルコインで、Centre Consortiumが管理している。その名が示すように、USDCは米ドルに連動する仮想通貨だ。1 USDCは常に1米ドルの価値があるため、ステーブルコインと呼ばれる。
USDCの価値が安定していることを確認するために、USDCのパートナーは新しいトークンを発行するたびに、銀行口座に米ドルを保管する。その口座は監査され、その口座にある米ドルと同じ数のUSDCが流通していることが確認される。
では、お金のほとんどがデジタル化されている今日、なぜステーブルコインが存在するのか。他の暗号資産と同様に、ステーブルコインは価値の送受信や保管に関して柔軟性がある。銀行口座も必要なく、すべてが簡単にプログラム可能だ。また、レガシーシステムをサポートしたり、銀行と統合したり、他の金融機関に取引手数料を支払う必要もない。
USDCはもともとEthereumブロックチェーン上のトークンとしてスタートしたが、他にもAlgorand(アルゴランド)とStellar(ステラ)ブロックチェーンにもサポートされている。Visaは今のところ、USDCのEthereumバリアントにフォーカスすることを選択している。
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Visaは、すでに世界の160通貨に対応している。海外旅行をしていてもVisaカードをシームレスに利用できるのはそのためだ。トランザクションはカードの利用明細には自国通貨で記載されるが、加盟店への支払いはその国の通貨で行われる。
今回Anchorageとの提携により、Visaは初のデジタル通貨への対応を開始する。Anchorageは最近、連邦銀行の認可を受けデジタル資産銀行としての地位を確立した。Visaはおそらく、このプログラムのために信頼できるパートナーを探していたのだろう。Anchorageが規制当局から承認されたことで、このパートナーシップは理にかなうものとなった。
Crypto.comにとっては、これはUSDCを直接Visaに送れることを意味する。例えば、ウォレットにUSDCを保有しているCrypto.comの顧客がカード取引を行う場合、Crypto.comはUSDCトークンをまず米ドルに変換する必要はない。
Crypto.comはAnchorageにあるVisaのEthereumウォレットアドレスにUSDCを送って、取引を決済することができる。その後、加盟店はVisaから自国の通貨で支払いを受ける。Visaによると、Crypto.com以外にもパートナーを増やしていく予定だという。
カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Visa、USDC、仮想通貨
画像クレジット:Håkan Dahlström Photography / Flickr under a CC BY 2.0 license.
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(文:Romain Dillet、翻訳:Aya Nakazato)