多くのスタートアップは創業者自身が直面した問題を解決するために始まる。アトランタを拠点とするVoxieもそうだ。
Voxieの創業者でCEOのBogdan Constantin(ボグダン・コンスタンティン)氏の場合は、以前に同氏が創業したタキシードレンタルスタートアップのMenguinがそのきっかけだった(Menguinは最終的にGeneration Tuxに買収された)。Menguinでは6〜9カ月のサイクルで商品を売り込まなくてはならなかった。顧客は通常、結婚式のためにタキシードを検討するからだ。
コンスタンティン氏は、メールマーケティングは時間が経つほど開封されなくなっていくという。そこである日、登録した人全員に「Menguinであなたを担当するパーソナルスタイリスト」と自己紹介するテキストメッセージを送ってみた。すると当然のことながら、多くの反応があった。
多くの顧客とこのようなテキストメッセージのやり取りをするのはもちろん難しい。これが、このプロセスを自動化し管理するツールをVoxieが提供する理由だ。同社はシリーズAで670万ドル(約7億円)を調達した。
コンスタンティン氏は、他のテキストマーケティングツールと比べるとVoxieから送信したメッセージはリアルで相手に合わせた会話のように感じられるという。Voxieのメッセージは80〜90%が自動化されたもので、残りを人間が書いているにもかかわらずだ。また、Voxieを使う企業は通常の10桁の電話番号からメッセージを送信できる(マーケティングに多く使われているのは5桁の番号だ)。
Voxieはもともと大企業向けに作られたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により低価格版を構築したとコンスタンティン氏は説明する。低価格版は「まさに今、苦境と闘っている小売業、レストランのフランチャイズブランド、メインストリートブランド」に利用されている。
同氏はさらに「全国に数百の店舗があり顧客にもっとエンゲージしたいブランドと連携し、顧客の名前や子供の数を尋ねてその情報を個人プロフィールとして保存できるようにしています」とも述べる。
現在、LG、Danone、Massage Heights、Buff City SoapなどがVoxieを利用している。
資金調達はNoro-Moseley Partnersが主導し、Circadian VenturesとEngage Venturesのほか、アトランタのアントレプレナーのWain Kellum(ウェイン・ケラム)氏、Andy Powell(アンディ・パウエル)氏、David Cummings(デビッド・カミングス)氏、Fred Castellucci(フレッド・カステルッチ)氏が参加した。
Noro-MoseleyのJohn Ale(ジョン・エール)氏は発表の中で「Voxieはブランドが顧客とパーソナライズされた会話を大規模に交わせる唯一のプラットフォームとしてマーケットをリードしています。このことはポストコロナの世界で同社の顧客企業が成功するためのキーになると我々は見ています。企業はVoxieを気に入っています。重要な収益を短期間で向上でき、コンテンツをパーソナライズすることでメッセージの有用性や自社のニーズとの高い関連性を見いだせるからです」と述べた。
コンスタンティン氏は、今後テキストメッセージの会話から直接注文できる「返信して購入」機能を提供すると述べた。また、同社は現在はSMSに的を絞っているが、さらに大きなビジョンがあるという。「我々は適切なメッセージを、適切なタイミングで、適切な手段で届けられるようにしたいと考えています」とコンスタンティン氏はいう。
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(翻訳:Kaori Koyama)