中国のeスポーツプロバイダーVSPNが海外展開に向け約62億円調達

eスポーツの「トータルソリューションプロバイダー」VSPN (Versus Programming Network)は6000万ドル(約62億円)のシリーズB+ラウンドをクローズした。本ラウンドにはProspect Avenue Capital (PAC)、Guotai Junan International、Nan Fung Groupが参加した。

中国ではeスポーツは巨大な産業で、eスポーツ会場など関連のエリアにも産業が拡大している。その中国でVSPNはeスポーツ競技会を開催している。同社は主要なトーナメント主催者であり、数多くのトップ競技会のための放送局でもある。同社は中国のeスポーツトーナメントの70%超と提携している。

同社は「B+」資金調達ラウンドの3カ月前に、Tencent HoldingsがリードしたシリーズBラウンドで1億ドル(約104億円)を調達したばかりだ。

今回のラウンドで調達した資金はとりわけ、海外でのeスポーツサービスに手を広げるのに使われる。

VSPNの創業者でCEOのDino Ying(ディノ・イン)氏は声明文で次のように述べた。「eスポーツ産業は初期段階をすぎ、新たな時代に入りつつあります。2022年、VSPNは多様化したeスポーツプロダクトやコンテンツを披露することを楽しみにしています。また、パンデミック終焉までの日を指折り数えています」。

PACの共同創業者Ming Liao(ミン・リャオ)氏は「資本市場における唯一無二の企業としてVSPNは財務管理で有名です。こうした信任はVSPNの今後の展開にとって強固な基盤となります」とコメントした。

Guotai Junan Internationalのプライベートエクイティ責任者であるXuan Zhao(シュアン・チャオ)氏は「当社はVSPNの鋭いマーケット見識ならびにチームの格別な事業モデルについてかなり楽観的です」と述べた。

Nan Fung GroupのCEO室のマネジングディレクターMeng Gao(メン・ガオ)氏は次のように話した。「VSPNの現事業モデルの強化、そして新興のサービスとeスポーツストリーミングエコシステムの急速な開発推進を支える投資ラウンドに参加できることを光栄に思います」。

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(翻訳:Mizoguchi

テンセントが中国のeスポーツプロバイダーVSPNの約105億円のラウンドBをリード

新型コロナウイルスパンデミックの最中にeスポーツマーケットがブームとなったいることを裏付けるニュースが発表された。eスポーツの「全ソリューションプロバイダー」であるVSPN(Versus Programming Network)は、Tencent Holdings(テンセント・ホールディングス)がリードしたシリーズBで1億ドル(約105億円)「近く」を調達した。Tiantu CapitalやSIG、Kuaishouも本ラウンドに参加した。調達した資金は、eスポーツプロダクトや中国・アジアにおけるエコシステムの改良にあてられる。

2016年に創業され、上海に拠点を置くVSPNはeスポーツトーナメント組織の初期開拓者の1社だ。創業以来、オフラインの会場運営などにも事業を拡大してきた。

声明文の中で、VSPNのCEOであるDino Ying(ディノ・イン)氏は「直近の資金調達を発表できることを嬉しく思います。上海をeスポーツの世界の中心にするという方針、そして北京、成都、西安がeスポーツの開発に自信を表しているおかげで、VSPNは近年急成長してきました。今後は、eスポーツ研究所の設立やeスポーツカルチャーパークの設置、海外展開を楽しみにしています。VSPNは長期的なビジョンを持っていて、グローバルeスポーツエコシステムの持続可能な開発に注力します」。

VSPNのCEOであるディノ・イン氏

Tencent EsportsのゼネラルマネジャーであるMars Hou(マーズ・ホウ)氏は「VSPNの長期的なビジョンやeスポーツプロダクションをリードしているという事実は、Tencentがeスポーツ業界の開発のレイアウトを最適化するのに欠かせないものです」とコメントした。

TechCrunchは2020年3月に、TencentがVSPNに投資するかもしれないというヒントを得ていた。Tencent HoldingsのCOOであるMark Ren(マーク・レン)氏は、VSPNのようなトーナメント主催者とともにTencentがより高品質のeスポーツコンペを開催するかもしれない、と話していた。

8月に明らかになったように、Tencentはすでに世界最大のゲーム販売会社であり、ビデオゲームにフォーカスしていたライブストリーミングサイトDouyuとHuyaを統合する。

いい換えれば、TencentのVSPNへの投資は、同社がeスポーツマーケットに再び賭けていることを示している。

今回のシリーズBラウンドの前にVSPNは2016年にシリーズAで資金調達した。その際はFocus Media Networkがリードし、China Jianteng Sports Industry Fund、Guangdian Capital、Averest Capitalが参加した。

VSPNはいまやPUBG MOBILE国際大会、中国のHonor of Kingsの大会、PUBG、Peacekeeper Elite、CrossFire、FIFA、QQ Speed、Clash Royaleの主要トーナメント主催者かつブロードキャスターだ。オリジナルコンテンツは1万2000時間にもなる。VSPNは中国のeスポーツトーナメントの70%超と提携している。

別のeスポーツ大手ESLは3月、2020年のPUBG Mobile eスポーツサーキットに加わるためにTencentと組んだ。

eスポーツトーナメントとコンテンツ制作事業に加え、VSPNは成都、西安、上海にeスポーツ開催施設を構えた。5月には中国外では初なるeスポーツ開催施設V. SPACEを韓国・ソウルに置いた。

さらには、オフラインのイベントも戻りつつある。VSPNは初の大規模なeスポーツイベントを2020年8月に会場で実際に開催した。そしてLOL S10イベントはチケット6000枚を準備する予定だ。しかし、トーナメントはすべて厳しい新型コロナ規制の下、中国政府の許可を得て開催されることになる。主要で、かなりレベルが高いなものだけが承認される。

VSPNは、eスポーツの短編ビデオエコシステムを構築し、eスポーツコンテンツ制作の質を上げ、さまざまなチャンネルを通じてより多くのユーザーにアクセスするのに引き続き注力する、と話した。同社は現在5つの事業部門で1000人超を雇用している。

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