Walmart(そう、あのWalmart)が、クラウドとアプリケーションのライフサイクル管理のためのDevOpsプラットホームOneOpsを、オープンソースでローンチする。Walmart Labsが開発したそれは、アプリケーションをよりはやく書いてローンチし、それらのメンテナンスをより容易にすることがねらいだ。
そのサービスをオープンソースにすることは、昨年発表されていた。
“われわれのミッションは、顧客に、もっともアジャイルでコスト効果が高く柔軟性に富むアプリケーションライフサイクル管理のソリューションを、クラウド上のエンタープライズクラスのワークロードに対して提供することだ”、とチームは語っている。
Walmartのような企業がこんなツールをローンチするのは奇妙とも思えるが、しかしむしろ、レガシーのリテイラー(小売企業)においては、テクノロジの有効利用が今のWalmartほどには進んでいない、と言えるのかもしれない。ただし同社が今日(米国時間1/26)述べたように、同社はクラウドのユーザであり、クラウドのプロバイダではない。
今日の発表声明の中でWalmartのCTO Jeremy KingとWalmartLabsのプラットホーム担当VP Tim Kimmetはこう述べている; “WalmartがOneOpsをオープンソースでリリースすることは、理にかなっている。オープンソースにすれば、コミュニティがそれを改良したり、既存のテクノロジに適応させるための方法を築いたりできるからだ。われわれはオープンソースの門外漢ではない。これまでもずっと、積極的なコントリビューターであり、Mupd8やhapiのような技術をコミュニティにリリースしてきた”。
実際にはOneOpsは2011年に企業として創業され、Walmartが2013年に買収した。今日では同社の約3000名のエンジニアが、新しいプロダクトの構築や管理に利用している。walmart.comやSam’s Clubなどの、同社のeコマースサイトは、OneOpsで管理されている。同社によると、同社のエンジニアたちは、このプラットホームを使って毎月3万あまりの変更をコミットしている。
それでは、OneOpsは一体何をするのか? Walmartによると、このプラットホームの重要な利点のひとつは、そのままで複数のパブリックおよびプライベートなクラウドプラットホームに使えることだ。それらのクラウドプラットホームは、Microsoft Azure, Rackspace, AWSおよびCenturyLink Cloud, そしてOpenStackのクラウドだ。OpenStackはWalmartがそのアーリーアダプターであり、今でも最大のユーザの一つだ。
“クラウド環境はコントロール性が優れているから、クラウドのプロバイダがプロプライエタリなツールや技術の使用をユーザに指定したり、使える帯域を制限したりするのではなくて、OneOpsを使えば、デベロッパがコントロールを自分の手中に取り戻すことができる”、とチームは書いている。
Walmartのチームによると、NoSQLデータベースのCouchbaseとも協働して、自分たちのプロダクトを統合してもらっている。OneOpsはそのほか、Node.jsやDocker, ElasticSearchなどなどさまざまな技術と一緒に使えるようセットアップされている。
OneOpsにはさらに、モニタリングツールや、不具合時の自動治癒/自動リプレース機能、クラスタのサイズを管理する自動スケーリングツールなどが含まれている。アドミン向けには、企業向けのアイデンティティサービスやクォータ管理、構成管理などとの統合もできる。
プロジェクトのコードはGitHubにある。GitHubのプロダクト管理担当VP Kakul Srivastavaは、こう言っている: “Walmartはオープンソースへの重要な貢献を続けている。これからGitHubのコミュニティがOneOpsとどうエンゲージしていくか、楽しみに見守りたい。小売企業の大物がソフトウェアの大物にもなるところを目撃するなんて、すごいことだよ”。