ボットという小さなコードの集まりは、たしかに便利な場合もあるし、Slackの場合は、ボットのおかげで単純なコミュニケーションツールがエンタープライズアプリケーションを集中管理するダッシュボードになってしまう。でも、日常いろんなボットを使っていると、メッセージングが多くなりすぎて、逆に仕事の邪魔になることもある。
このようなメッセージの混沌を管理するために、Workatoは今日(米国時間6/23)、Personal Workbotというツールをリリースした。それは、その人の仕事に関係のあるメッセージだけを、ダイレクトメッセージで配布する。
Slackは基本的に、チームがコミュニケーションするためのツールだが、チーム全体のアップデートをすべて各人が受け取っていると、メッセージングが仕事の効率を損なう巨大な時間泥棒になってしまうので、中にはボットを完全にオフにしてSlackを使っている人もいる。
最近Workatoに加わったテク業界のベテランBhaskar Royは、こう言う: “どれが重要なメッセージか、選り分けるのに時間がかかって、個人の生産性がガタ落ちになってしまうんだよ”。
Workatoも今年の1月に、Workbotという名前のSlackボットをローンチした。それはSlackをエンタープライズアプリケーションのためのコントロールセンターにしてしまうソフトウェアで、いろんなアプリケーションを使い分けながら仕事をしなければならない企業ユーザーにとって、便利なボットだった。これまでは、顧客のデータを見るためにSalesforceへ行き、サービスの記録を見るためにZendesk、経理のデータならQuickbooks、等々だったのが、 Workatoはそれらの情報をすべて、ひとつのチャネルへ運んでくれるのだ。
2000社近い企業がWorkbotを使うようになったころ、いろんなフィードバックが舞い込んできた。たしかにWorkatoはアプリケーションの統合という問題を解決し、多くのアプリケーションをSlackのチャネルに‘一本化’して、従来のようなメールの洪水をなくしてくれるのだが、別の問題も作り出してしまった。すべてのアプリケーションをワンチャネルにまとめてしまうと、今度はメッセージの洪水に悩まされるのだ。
そこで今度のボットPersonal Workbotは、一人一人に関係のあるメッセージを、グループのチャネルから分離して配布する。しかも仕事に関連する重要な情報は、サマリの形で提供する。たとえば、まだ対応してない重要なサポートの問題や、顧客の契約更新などだ。それらは毎朝、デファクトの‘トゥドゥリスト(to-do list)’のような形で配布される。
そのためにPersonal Workbotが提供しているデフォルトのスクリプトが気に入らなければ、ユーザーがスクリプトを書くこともできる(recipesと呼ばれるスクリプト言語を使う)。その役割は、SlackのアドミンやITの人たちに押し付けてもよいだろう。
Workatoが発見したのは、アプリケーションの切り替えという問題を解決しようとすると、その背後にあるほかのいろんな問題が見えてくることだ。今日リリースしたソフトウェアは、それらの一つに答えるもので、Slackで受け取るメッセージを一人一人のユーザーがコントロールできるような、状態を作り出す。