スペースマーケットがイベント幹事の負担減らす新サービス、参加者管理・会場手配・集金決済など1か所で

企画、ページの作成、参加者の募集・管理、会場の手配、集金決済。それが比較的規模の大きいカンファレンスやセミナーであれ、こじんまりとした勉強会であれ、いざイベントを開催するとなると主催者や幹事がやらなければいけないことは多い。

今回紹介する「スペースマーケットEVENT」はそんなイベント幹事の負担を軽減するサービスだ。参加者募集・会場予約・集金決済といったイベントの準備が1か所で完結する仕組みを構築し「もっと気軽にイベントを開催できるようにすること」が目標だという。

本日8月19日に正式ローンチを迎えたこのプロダクト、その名前からもわかるように様々なスペースを貸し借りできるプラットフォームを展開するスペースマーケットの新しい取り組みだ。

参加者募集、会場予約、集金決済が1サービスで完結

上述したようにスペースマーケットEVENTの最大の特徴は「イベント開催時の基本的な準備事項が1つのサービスに集約されている」こと。ページの作成や有料チケットの販売、参加者の管理・集金はもちろん、スペースマーケットを通じた会場の手配も同一アカウントで実行することができる。

イベント準備にまつわる一連のフローを1つのサービスで完結できるのが特徴。スペースマーケット本体と繋ぎこみ、同一アカウントでそのままイベント会場の予約も可能

「イベントを企画したところであまり参加者が集まらないかもしれない」という幹事の不安を解消する機能として「興味あり機能」も搭載。これはFacebookのイベントページにある興味ありボタンと似たような仕組みで、イベントの企画段階から周囲の興味関心を把握するためのものだ。

スペースマーケットEVENTの場合はFacebookを使っていないようなユーザー層向けにイベントを開く際や、実名を公表したくない人に対してイベントの情報を伝えたい場合などにも使いやすい。イベントページはサイトに公開されるパターンと、URLを知っている人だけがアクセスできるパターンを選ぶことが可能だ。

同サービスは4月よりプライベートβ版として運用をスタート。これまではスペースマーケットを使って場所を借りた人のみが使えるものだったが、本日よりレンタルスペースを予約していなくても使えるようになった。

イベントページの作成画面と、実際に作成されたページのイメージ。PCやスマホからサクッとイベントページの作成・編集ができる

現時点ではシンプルなプロダクトなので、たとえば法人が主催する大規模なカンファレンスや展示会、フェスなどにはより幅広い機能を備える「Peatix」や「EventRegist」を始めとした既存プロダクトの方が適している場合もあるだろう。

一方でスペースマーケット取締役CPO兼CTOの鈴木真一郎氏が「従来はバリューチェーンごとにそれぞれツールが存在し幹事も複数のツールを併用していた。意外と1つのプラットフォームにまとまっているものはなかったので、同じサービス上で滑らかにイベント準備ができるのはメリット」と話すように、複数のツールをまたぐ手間がないのはスペースマーケットEVENTのウリ。

来場者のトラッキングや独自のアンケート、座席の指定など高度な機能を求めない代わりに「とにかく少しでも準備の負担を無くしたい」人や「初めてイベントを主催する」人には特に向いているサービスと言えそうだ。

主な利用例としては、個人法人問わずエンジニア向けの勉強会やミートアップ、セミナーのほかコスプレイヤーの撮影会を始めとしたプライベートでのイベントなど。すでにこのような用途でスペースマーケット上のスペースが利用される事例はいくつもあり、今回のプロダクトによって会場探しの両側までカバーすることでスペースシェアの利用自体も加速させたいという。

スペースマーケットの付加サービスとして提供することで手数料を安くできる点もポイント。スペースマーケットEVENTでは有料チケット販売時の手数料を「3.99%+99円/1枚」に設定していて(無料チケットの場合は完全無料)、「業界でも最安価格帯で利用できるようにした」とのことだ。

また本日から2019年12月31日まではスペースマーケット上で会場予約をした上で有料チケットを販売した場合には決済手数料が無料になるキャンペーンも実施し、より多くのイベント開催を支援する。

データの活用でイベントの開催をもっと簡単に

鈴木氏やスペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏によると、ゆくゆくはスペースマーケットならではの「データ」を軸に、イベントの開催をさらに簡単にする仕組みを考えているという。

具体的には「豊富なレンタルスペースのデータベース」というスペースマーケットの資産と、スペースマーケットEVENTを通じて蓄積されたイベント実績のデータや参加者によるイベントのレビューを活用した、独自のレコメンド機能を構想しているようだ。

「今までオーガナイザーの価値の1つは、イベントに適した場所やサービスのベストプラクティスを知っていることだった。スペースマーケットEVENTでは『どの会場でどのようなイベントが開催され、参加者からどのような反応を得たのか』をデータとして集めて解析することで、その知見を誰でも使えるようにしたい」(鈴木氏)

「オーガナイザーとしてはイベントを失敗させたくないので、各会場で過去にどんなイベントが開催されたかは絶対に知りたいはず。それがプラットフォーム上に蓄積されているだけでも負担は軽減されるし、満足度の高いイベントを実施することにも繋がる」(重松氏)

これまでもスペースマーケットでは勉強会や撮影会などのイベント用途でスペースを利用される事例が多かったそう。イベント開催のハードルを下げることで、スペースシェアの利用自体を加速させる狙いもある

今後はケータリングやファンディング(イベント資金を集められる仕組み)などへの対応も計画。イベントにマッチしたスペースのレコメンドからスタートし、中長期的には「新宿エリアでケータリング付きのミートアップを開催したい」といったようにイベント概要を入力すると、オススメの場所やケータリングサービスがパッケージとしてレコメンドされるような世界観を実現したいという。

「場所探しのハードルを下げたいという思いからスペースマーケットを運営してきたが、当然ながら場所を借りたい人には何かしらの目的があり、その中にはイベントを開催するためという人も多い。イベント主催者が『思いついたらパッと場所や必要なサービスを手配し、スムーズに準備できる仕組み』を整えることで、気軽にイベントにチャレンジできるようにしたい」(重松氏)

「今まではイベントの知見が人に帰属して可視化もされてこなかったため、PDCAを回すことも難しく、結果的に上手い人に幹事の役割が集中しがちだった。幹事の負担を少しでも軽減することで、イベントを開催する際の足かせをなくしていきたい」(鈴木氏)

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TechCrunch Japan

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